05, 2014
竹宮恵子『風と木の詩』は、なんで切ないのか。

少年同士だからか。19歳同士だったら「一目出会ったその日から、ラブラブハッピー♪」という話か?男同士だからか。作中では「男のくせに」とは言っていない。切ないのは、片思いだからだ。あれは、あくまでオーギュストにこだわるジルベールに、セルジュがうっかり本気になっちゃったのが運の尽きという話だ。【独立宣言】少し前に竹宮氏の京都精華大学学長就任を報じる地方新聞記事があって、代表作として『風と木の詩』を紹介し...

竹宮恵子『風と木の詩』は、なんで切ないのか。

 05, 2014   -

 06, 2014
【やおいとは暗喩である】

プロの責任として「くさった私が、山も落ちもないものを描いて、有名企業を通じて出版し、子供に読ませ、(事実上その保護者から)金を取りました」というわけにはいかない。したがって、竹宮恵子は「腐女子の女王」ではなく、『風と木の詩』は「やおいの金字塔」ではない。したがって、山も落ちもないということは、何よりもまず、それが素人の活動であることを表す。そして、それがオリジナル作品である限り、どんなに稚拙であろ...

【やおいとは暗喩である】

 06, 2014   -

 07, 2014
【まことに今更だが、やおいはトランスゲイではない】

「自己実現の困難さゆえに摂食障害を発症したトランスゲイ男性が、ピンクハウスに装い、男同士は社会から容認されないことを前提に、少女漫画の技法によって、化粧した少女のような男性ばかりが登場するメロドラマを描き、『泣ける~~』と消費した挙句に、二丁目へ押しかけてゲイ差別した」これは、ないだろう。『千夜千冊』で、やおいに関しては松岡正剛でさえも言葉をにごしているのが面白いといえば面白いのだが、ちょっと気に...

【まことに今更だが、やおいはトランスゲイではない】

 07, 2014   -

 08, 2014
【やおいには、じつは山も落ちもある】

「こうして二人は深く結ばれ(山)、その後はずっと幸せに暮らしました(落ち) めでたしめでたし(意味)」ここでは「素人による二次創作のうち、殿方のお口に合いにくい性描写に偏ったもの」を「やおい」としてみる。それは、長い時間をかけて信義を深めてきた二人に関する、クライマックス部分の情緒のみを繰り返し描いたものだ。本来、この前後に「試合に出場した」「戦争に勝った」「凶悪事件を解決した」など、男性キャラク...

【やおいには、じつは山も落ちもある】

 08, 2014   -

 09, 2014
【やおいは少女だったとは限らない】

簡単な加減算をしてみる。1970年代半ばに、二十四年組作品を高校生(16~18歳)で読んだ人は、1978年(専門誌『JUNE』創刊の年)には、18歳以上に達している。高校を卒業後、進学を機会に上京した人もいただろう。親元を離れ、家庭教師などによって収入を得れば、投稿作品の制作も、自費出版の注文も、イベント参加も容易となる。専門誌の創刊にあたって、執筆陣としてそろえられた成人作家は、もちろん成人していた。二十四年組に...

【やおいは少女だったとは限らない】

 09, 2014   -

 13, 2014
【ギリシャでは薔薇の下で秘密の愛を誓う必要はない】

神話、伝説、殖民都市に残された壁画、神聖隊の存在などを真に受ける限り、古代ギリシャでは男たちの愛は禁忌とされていなかった。ストレート男性の本能的な忌避感は、当時から存在しただろうから、ソクラテスについてはゲイ・バッシングの一種だった可能性はあるけれども、関係を信じられたアルキビアデスは政治家として出世している。貴族または自由市民の特権としての「たしなみ」のように思われていたかもしれないが、念者・念...

【ギリシャでは薔薇の下で秘密の愛を誓う必要はない】

 13, 2014   -

 16, 2014
【各種少年愛の美学は、その人の趣味を語ったものだ】

稲垣足穂の著作でさえ、古今東西の芸術作品として記録に残された少年趣味を網羅的に調査し、引用元を厳密に明示して公開したというようなものではない。学術的な手法を踏まえた、そのような研究書は別にして、エッセイ的なものは単に著者自身の趣味嗜好を語ったものだ。ことに女流による「唇はピンク色に限る」とか「手首は折れそうなほど細いのが良い」とかいうのは、その著者自身が「私はそのような若年男性の肉体美に価値の重き...

【各種少年愛の美学は、その人の趣味を語ったものだ】

 16, 2014   -

 17, 2014
【女流耽美物語の本質】

女流の嗜虐趣味である。マゾッホ『毛皮を着たヴィーナス』や、夢野『あやかしの鼓』には、鞭を持った女性が登場する。鞭とは、その形状から言っても、本来は馬具・武具であるという性質から言っても、男性の象徴である。女性が男性を責めるために、男性を象徴する器具を用意するのであれば、自分の言うことを良く聞く男性を一名、用意しても同じことである……【独立精神】男性が、男の中の男として称揚し、「女性は彼の陽物を味わう...

【女流耽美物語の本質】

 17, 2014   -

 18, 2014
【結婚は男性にとってこそ最高の価値】

ストレート男性が、悪者を退治し、財宝を得るなどして社会的に成功し、美女をゲットして、うだつを上げる。うだつを上げるとは、男性が大きな家を建てて独り暮らしすることではなく、その屋根の下には嫁さんと子供と大勢の使用人と、社会が許せば妾もいるという状況が想定されている。じつは、異性と結婚し、子孫を残すことが最高の価値観であるのは、ストレート男性にとってである。進化の過程をどうさかのぼっても、これがストレ...

【結婚は男性にとってこそ最高の価値】

 18, 2014   -

 19, 2014
【男女比較の前提がおかしい】

ウィキペさん等に残っている古いタイプの「やおい論」は、ボーイズラブの実態がどうかというよりも、議論の浅さが気になる。「男性は常に自分を主人公として作中に描き込むが、女性はボーイズラブの手法を取るから、おかしい」という指摘は、比較の方法論がおかしい。確かフランソワ1世の所蔵品に、女性同士が向かい合わせに同じ風呂桶に浸かって、一方が他方の胸に触れている作品がある。あれ、レズビアン女性だけが見ることを想...

【男女比較の前提がおかしい】

 19, 2014   -