04, 2014
【やおい論の禍根。】

「私がこんなふうになってしまったのは、お母さんのせいだ。だって、BLは家庭不和に悩む女の子が『はまる』分野だもの」いまだにこのように思い込む女性を生んだことが、かつての「やおい論」の残した禍根ではないかと思っている。さまざまな徴候からして、二次創作BLというのは、意気盛んな女子学生または女子高生の間から、男子学生の一部を夢中にさせる「男のロマン」へ切り返すジョークとして始まった。小説や漫画を自分で...

【やおい論の禍根。】

 04, 2014   -

 16, 2015
【BLとGLBT① ~悪役ゲイキャラクター。】

または悪役トランスキャラクター。女装・化粧している and/or 女言葉で喋る男性キャラクター、およびその二人組が地球の平和を侵略するので……若い男女、またはファミリーが迎撃し、撃退する。こういうプロットは、1970~90年代前半のアニメで見られ、その後パタッと無くなりました。じつは1990年代半ばに、ゲイタウンから「女性が(創作物をつうじて)男色に関心を抱き、わざわざゲイタウンまで押しかけては、プライベートな質問や...

【BLとGLBT① ~悪役ゲイキャラクター。】

 16, 2015   -

 16, 2015
【BLとGLBT② ~きれいな男はゲイになる説。】

「にやける」とは、色男が「フッ」と微笑して「ミーは女性にモテてモテて困る」ということではありません。漫画などの創作物における用法としては、モテないタイプの男性が、色男を見て、物陰で「チッ。にやけた野郎だぜ」と呟くことになっています。「にやけ」は若気と書き、若道と書いて「にゃくどう」と読めば、いわゆる「衆道の契り」のことです。つまり「ああいう綺麗な男はオカマなんだぜ」と言っているわけです。実際には女...

【BLとGLBT② ~きれいな男はゲイになる説。】

 16, 2015   -

 16, 2015
【BLとGLBT③ ~女性がBLを読むと男性がゲイになる説。】

数年前に某県から会議録として発表された珍説です。その後、取り下げられました。会議のその場で他の参加者から撤回することを求められなかったなら、そのほうが示唆的です。「なる」と言われて、「そうですとも」と頷いてしまう人が多かったということです。実際には「なる」ってことはありません。同性志向であることは、ゲイ生来の個性であり、権利です。彼らは、強気な女性から逃げた人生の敗残者ではありません。そもそも、話...

【BLとGLBT③ ~女性がBLを読むと男性がゲイになる説。】

 16, 2015   -

 16, 2015
【BLとGLBT④ ~やおいトランス説の難点。】

1990年代半ばに、ゲイコミュニティから「やおいは僕らに対して失礼である」とする旨、激烈なクレーム文書が発されたという話があります。対して「やおいはトランスゲイです」と提唱する書籍が発表されたのは、1998年です。すでに「やおいは失礼だ」と言われている時に、「やおいはゲイです」と言い返せば?「ゲイって失礼なものでしょ(爆笑)」という意味になります。この行き違いは不幸だったと思います。榊原『やおい幻論』とい...

【BLとGLBT④ ~やおいトランス説の難点。】

 16, 2015   -

 26, 2015
【裏目に出たトランスゲイ説。】

榊原が「やおいトランスゲイ説」を発表したのは、「やおい少女」に関する詮索も終盤、1998年です。それまでに「奇妙な創作物を消費する少女は、母親との人間関係による“トラウマ”を抱えている」という説が流布されていました。もし摂食障害から逃れるためにBLという嗜好品の大量購入を必要とするのであれば、これは依存症を意味します。必要なのは、さらなる嗜好品の大量消費ではなく、それが異常行動であることの自覚であり、受...

【裏目に出たトランスゲイ説。】

 26, 2015   -

 29, 2015
【BLとフェミニズム1 ~話の順序が大事なのです。】

成績優秀で、上京・進学させてもらえるほどの女性は、男性におうかがいを立てるまでもなく、自分からいろいろな本を選んで読んでしまう。また「彼氏にエスコートしてもらわなければ、書店にも映画館にも怖くて行けないわ」などと言っておらず、個人または女同士でどんどん行動してしまう。だから、いろいろなことをよく知っている。男性が隠しておきたいようなことまで、よく知っている。男性向けの戦争映画に少年愛を暗示する場面...

【BLとフェミニズム1 ~話の順序が大事なのです。】

 29, 2015   -

 01, 2015
【BLと文芸1 ~あらためて『風と木の詩』】

竹宮恵子作品そのものを淡々と見てみましょう。ロマン派の詩を意識した擬古調の巻頭言は、作者が上田敏などを愛読したことを示しています。「わが青春の炎よ」という追憶の言葉は、いま正に青春まっさかりの人が発するものではありません。主人公は老境に達して、半生を書き残す決意をしたものと見えます。この主人公は、十代の頃に音楽学校へ入学し、父親から受け継いだ天稟を発揮したピアニストです。仔細あって出奔しますが、お...

【BLと文芸1 ~あらためて『風と木の詩』】

 01, 2015   -

 01, 2015
【BLと文芸2 ~『風と木の詩』に見る女の都合。】

三島由紀夫の『禁色』は、老人が女性に復讐するために美青年を手足のように使うつもりだったのに、途中からその美青年自身の内面描写に、まだ実年齢で若かった作家の熱意が込められてしまったというものでした。竹宮恵子の漫画作品は、一見すると「第二部の主人公が女性にだまされたので、同性の子どもに手を出すようになった」というふうに読めます。ここから「女性で失敗すると同性愛に逃避する」という偏見が生まれやすいわけで...

【BLと文芸2 ~『風と木の詩』に見る女の都合。】

 01, 2015   -

 01, 2015
【BLと文芸3 ~森鴎外『ヴィタ・セクスアリス』が指摘したこと。】

金井湛くんの報告によれば、少年とは旧制高校生の寄宿舎における受身を表す隠語だそうです。「軟派」とは清潔らしく見える白足袋を着用して女性のいる店へ通う若者で、「硬派」とは粗野な風体を保ちつつ、年下の同性を相手にする若者で、前者には都会慣れした東京出身者が多く、後者には九州男児が多かったようです。これは九州にはゲイが多いって話では全然なく、尚武と男尊女卑の気風から相対的に少年へ傾くもので、都会慣れして...

【BLと文芸3 ~森鴎外『ヴィタ・セクスアリス』が指摘したこと。】

 01, 2015   -