記事一覧

『源氏将軍神話の誕生―襲う義経、奪う頼朝』 (NHKブックス)

やっと読み終わった……前半を読んで書いた記事は7月のものだった……末っ子に頁を引っ張られ。カバーは破かれ。何読んでるのとばかりに顔をつっこまれては頭突きを喰らい。長い道のりだったなぁ(;´∀`)ソフトカバーですが、一次資料と先達の研究成果に丁寧に言及した力作です。前半は、清和源氏の一分派にすぎなかった河内の武士団が、奥州討伐(という名の一方的な侵略)の成功によって武威を高め、武神・応神天皇=八幡神を祖神と...

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原稿用紙換算50枚で1時間。

何を読むにも音読するかのように逐語的に読むので遅いです。自分の読む速さを確かめてみたいと思いました。...

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牧島貞一『ミッドウェー海戦』をちょっと読んでスペースオペラなど思う。

空母赤城の中の様子が面白かった。...

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行かずして名所を知る 『宗像教授異考録』第5巻 拝見記。

ゴールデンウィークの予定は、ないです。いいの何処いっても混んでるし暑いし子連れで渋滞はまると困るしトイレとか。積ん読本と仲良くするってもんです。ビッグコミックは購読しておりませんで『異考録』の連載は存じ上げませんでしたが、道成寺伝説を扱った回の収録にひかれて第5巻だけ購入して積んどいたものです。スキンヘッドに太い口髭の教授はどんなタチ兄貴かと思ったら可愛いインテリおじさまでした。今時ボウラーハット...

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絵本『ヘリオット先生とドノバンおばさん』を読みました。

翻訳絵本じゃないのですなこれ。リアル獣医師ヘリオット先生による短編の、日本人画家による絵物語化。1950年代の映画を観ているような、古き良きイギリスの街を行く紳士淑女(と飼い犬をはじめとする動物たち)の様子が、サッとデッサンしたところへ軽く水彩をはいたというタッチで描かれ、とてもロマンチックです。原題を直訳すると『ドノバンおばさんと彼女の犬』獣医師さんから見た、街の世話好きおばさんのエピソード。子供に...

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犬ではあるが狼ではない。久しぶりに『緋色の研究』

誰かが古い本棚から引っ張りだしてきたらしくて部屋の隅にころがっていたので読んでみた。延原謙翻訳の新潮文庫版。どうもこの戦前の知性によって書かれた「僕にして誤りなくんば」など漢文調・擬古調・美文調の文章が好きだ。好きだっていうか体になじんでいて、どうかすると現代の散文のほうが違和感がある。それはいいとして。なんて観察眼にすぐれ、記憶力がよく、冷静沈着で、頼もしい男なのか、ワトスン。そして感情の起伏が...

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反応するホームズ先生が面白い。

今日は『四つの署名』♪ドルリー・レーンにも神津恭介にも、ついでに神恭一郎にも、彼らの活躍を伝える語り手である友人というのはいるんだけど、彼ら自身はいつでもクールで知的だ。ホームズ大先生だけが、ワトスンの一語一語に反応し、赤くなってみたり、ふてくされてみたり、ムキになって反論してみたり、知恵だめしに乗ってみたり、調子にのりすぎてみたりする。またそれをワトスンがいちいち真摯に受け止めて、「こいつ背負っ...

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川勝平太『文明の海洋史観』

中央公論社、1997年11月初版、1998年11月6版。 1年で6刷!? Σ(゚д゚lll)駿河湾を見おろす山間で、蝉の声を聞きながらユルッと一気読み。今回も泣けました。いま正にこの筆者が「富国有徳」をかかげて太平洋沿いの海洋県にあって、県政の要にいてくれることに改めて感動し、感謝しつつ、膨大な引用と多岐にわたる博識に呆然としつつ。文体が論文らしくなりました。「起の章」はNHKブックス『日本文明と近代西洋』の第1部の復習の...

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紙の本のいいところ。

ほかに目移りしないことと、目の前に「物」として在ることですね・・・・・・...

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11日のNHKの大和の特集やっと観た。

なにせチャンネル権ないので。オンデマンドの Flash の動作がカクカクしてるのを我慢しつつ。インターミッション付き堂々三時間。魅力的な取材・撮り方・構成だった。新しく分かったことは特にない……はずだけれども、質のよい再現ドラマと鮮やか過ぎる米軍資料まで使って満遍なく見せてくれたのが、全体像がつかみやすく、何かしら批判するとか偏った主張をすりこむとかでもなく、「子供にも見せたい・考えさせたい」というような...

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清盛第31回「伊豆の流人」観た。

やっと観た。第3部が若干地味に開幕したような気がいたします。ヤモリは家の守り。こっから源氏のターン。禅尼様お疲れ様でした。今わの際の目の動きはお見事でした。史実と確実に一致していたのはこの方の存在感。ご主人様と浄土でお幸せに。ああ演技派が減っていく。役者がみんな若すぎて親子関係がつかみにくいのどうにかならないかな……。たださえ人数多すぎて分かりにくいのに何この学芸会を無理して微笑ましく観る感じ。日本...

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アルムおんじにも嫁さんがいたはずだなァと。

『アルプスの少女ハイジ』一挙放送、たのしく視聴中。業界初のロケハンの成果は永久に不滅です。デーテおばさんの説明によると、ハイジは彼女のお姉さんの子で、アルムおんじの息子の娘だ。ってことはアルムおんじにも嫁さんがいたはずだけど、変わり者の嫁さんになって苦労したのかなァ、それとも「人は悪く言うけれど私には優しい人だった」みたいなロマンがあったのかなァと子供の頃には考えなかったことを思った。原作には書い...

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【清盛語り】 小松殿にこまる。

第31回「伊豆の流人」における小松殿こと重盛っちの、二条帝の横っ面を張り倒すかのごとき異常な奏上が忘れられなくて、困っている。若い医師の成長を描くドラマの話題を、たまたま新聞で目にした。それ自体はいいのだが、ふと「研修医が指導医と一緒に回診中、意見を求められてもいないのに患者に向かって『この際だから言わせてもらいますけど、あなたはお父さんともっと仲良くしたほうがいいです!』って言っちゃったとしたらど...

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『経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書』 山田 真哉

面白かった!(*´∀`*)タイトルが「清盛の成功の秘密」ではなく「失敗」であるところがニクイ。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の歴史学科出身の会計士さんが書いた、清盛の経済政策。その先見性、本質的にはらんでいた矛盾、それによる栄達と滅亡。「モノ」の価値は、それを使う文化によって変わる。政治権力の駆け引きを叙述する歴史観だけでは説明しきれない藪の中へ会計士の足で踏み入って、キラキラ光る玉を拾い上げ、「ほ...

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リアル清盛さんの男の色気を夢想してみる。

彼の魅力は「今から思うとスゴイ人だったんだなァ」ってことで、西日本の沿岸諸都市、ひいては海国日本の大恩人であることと、現代に生きていてもビジネスマンとして突出しただろうと思わせるところだ。彼自身が都に住まいする貴族ではあるが、歌の道に奉仕するタイプの貴族と違って、自ら弓をたずさえて馬に乗ることができたのだから、山賊などに襲われる心配をすることなく、どこの田舎の海でも山でも実際に歩いて自分の目で見て...

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『平清盛』第32回「百日の太政大臣」

……よかったんでない?六条天皇が可愛かった(まずそこ?) いや、このドラマは赤ちゃんが本当に赤ちゃんで、しかもみんないい顔をしている。眼福。大人の話をすると、ものすごい駆け足だったけど、前回のようなブツ切り感はなかった。わけ分かんない親子喧嘩もなかったし。もう余計なこというなよ重盛!松ケンがいい顔見せた。安っぽいシチュエーションコメディみたいなギャグも無く、しっとりした大人の雰囲気と緊張感が持続して...

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【清盛語り】おとがめはないと信じている。

「タイムスリップして憧れの信長さまにインタビューし、見どころのある少女として可愛がられたい・彼を『おじさま~~』と呼んでみたい、歴女の夢の実現」というレビューは、『江』の時に読んだ。「今回はとうとうBLになってしまったんだな」とは第1話冒頭で思った。べつにそれならそれで楽しく観ることができる層向けに制作すればいいんだけど、問題は、キャラクターの行動原理が独特なものになってしまうので、辻褄が合わなく...

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「スガちゃんのコロッケのレシピがほしい」

今ごろ『怪盗アマリリス』を読みました。コミックスの初版発行は平成3年。その時点でもすでに古臭い企画だったはずだけど、さすがに手馴れているなと感心しつつ第1巻を読破。つづく第2巻のネタばれというか楽屋落ちで吹きましたwアマリリス……いや、花の絵を印刷したカードを残すとかでもいいと思うよ……。花の名を冠する少女怪盗、というイメージに陶酔したあまりの不手際にあわてる男性作家の可愛らしさにほっこり。「コメディ...

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starzドラマ『スパルタカス』第6巻。

レンタルDVDにて。第11話「古傷」・第12話「発覚」相変わらず展開が早い上に前回のエピソードを受けて流れがなめらか。どんでん返しはまず流れができていなければ意味がない。どうつながるのか引っくり返るのか、続きがすごく気になるドラマ。毎回1枚観終わると「あああ終わっちゃたあァ!」と焦る。全話まとめて購入またはレンタルして観るのがいいかも。※「一部に18歳未満の視聴には不適切な映像が含まれる」海外有料放送ドラマ...

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『平清盛』第33回「清盛、五十の宴」

えっここで「入り日を招き返す」をやっちゃうんですか!? 地元からクレームは!?……とまず叫んでおいて……「ここはわしの世じゃ」とカッコつけたくせに任命権を清盛の手に残しておいたのは痛恨のミスでしたね後白河院(・∀・)色気重視の場面設定は目の保養だけど前後がつながってないのは困りものです。「わしの世」ならそれらしい仕事でもして下さい。いっそもう嘘でもいいから清盛の邪魔をする陰謀でもめぐらせて下さい。鹿ヶ谷...

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【清盛語り】男の仕事ぶりを見たいわけだね・・・

第8回アカデミー作品賞受賞映画『戦艦バウンティ号の叛乱』が面白いのは、単純な勧善懲悪ではなく、残虐非道な艦長が船乗りとしては優秀であることが示されるところだ。船長・艦長のキャラクターには「実は泳げないので嵐の時はキャビンで震えている」などという人物設定もあるが、彼は自らズブ濡れになって舵を取る。使命感が強く、船内をこまめに見てまわる。だからこそ怠慢・反抗的な水兵に気づく。一人を見せしめ刑に処すこと...

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starzドラマ『スパルタカス』第7巻。

※ 「一部に18歳未満の方の鑑賞には不適切な映像が含まれる」海外有料放送ドラマの話題なので、あらかじめご了承ください。お疲れ様でした!!まさに体当たりの男優さんも女優さんも血糊まみれのスタッフの皆さんも本当にお疲れ様でした!!主演ホイットフィールドはこれにて「オールアップ」、誠に残念です (´・ω・`) 合掌。最後までよく動き、よく魅せてくれました。ものすごいテンポの良さと密度でした。凝縮した男と男のドラ...

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『平清盛』第34回「白河院の伝言」

髭もさっぱりしてくれ!!!……すみません先走りました。僧体になったら髭はあっちゃいけないような気もしますが、まずは第34回です。オンデマンドで視聴後にリコメンドされたので『天地人』『篤姫』も観ました。(← 例によって本放送を観てない)...

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やおい趣味で読み解くドラマ『清盛』。

今更だなァと思いつつ。やおい趣味の要点は「男性社会における『負け犬』を『女』と見なし、これを可愛がることで女性が自己満足と優越感を同時に得る」というものだ。時代とともに暴力描写が好まれなくなり、表現がマイルド化する傾向にあるが、本質はあまり変わらない。( gay は自分を「女の代わり」「女の仲間」と見なされることを嫌うので、この趣味を非常に嫌う)人間は自分に似たものを可愛がる。(やおい趣味に基づく創作...

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寸白の熱に浮かされて唐船を夢に見たら

「嗚呼あれは見事だったな」と思い出した。汚盛だった頃を見たら「嗚呼いろいろあったな、あの頃は本当にバカだったけど可愛かったな」と思い出した。第5回から再視聴した。この頃は野外ロケができていたんだなと思ったら涙が出た。義朝が為義に「東国へ行って武者修行してきます」と挨拶するのも木立ちの中で、爽やかだった。海は輝いていた。船は何度見ても立派だった。高いところからハシケまで一望に映すのは壮観だった。朝も...

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清盛のイメージって厳島神社そのものじゃなかったか。

朝のワイドショーで社殿を拝見した。若い女性アナウンサーがキャピキャピ(これも死語か)とリポートしていて騒がしく、若干興趣を損ねたが、社殿の威厳はそんなことで揺るがないのでまァよい。「あれ? 廊下の先端のほうに、チョコンと舞台のような建物が!」舞台ですがな。床板が潮で暴れて舞いにくいけど素知らぬ顔して舞うのがおシテの心意気ってものさ。鳥居越しの夕日は壮麗かつ爽快だった。月夜はまさに「幽玄」というとこ...

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白河院周囲の人間関係を見て分からせることができるか。

もう一昔前になるけど、バラエティ番組で「素人家族の自宅に100万円の札束を隠させ、元敏腕刑事が奥さんを尋問して隠し場所を見抜く」というコーナーがあった。(見抜けなければ100万円は素人さんにプレゼント)つまり目線がチラッと動いた方向には、気になる物がある。隠し場所の近くに刑事が立って、ズバリ「ここですか?」と訊けば、「さァどうでしょうね~~」などとわざとらしくとぼけて、かえってバレてしまう。俳優の演技・...

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【清盛語り】平均視聴率表を眺めて思い出に耽る。

(第35回を後回しにして)なんだかんだ言いながらよく見たなァという感想。(まるで全て終わったかのように)印象的なシーンは多かった。あらすじなど読み返すと次々と思い出されてくる。女性たちの顔立ちが美しく、衣装が色鮮やか・質感もふくよかで、目に心地よかった。男性陣は敵味方とも汚くて見分けにくかった(笑)保元の乱の大鎧は素晴らしかったなァ ・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・音楽は、じつは一週間のあいだ頭から離れない。...

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女性脚本家特有の味わいを受け入れるかって話。

6時間前のトレンドなんて「つわものどもが夢のあと」という雰囲気を漂わせる twitter の世界ではもう随分前のことになるけど、ある女性が「やおいは関係性萌え。キャラクターはいくらでも美化できる」といったのへ対して、オープンリー・ゲイの男性作家が「僕らは美化ってことしませんね」と答えていたのが面白かった。しみじみ考えた。gay は「男こそ至高」と思って描くんだから、それ以上の美化が必要ないのは当たり前だ。でも...

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「院にご報告に参ります。」

ふと思い出したから書いておく。ドラマ清盛の第1話。都大路で正盛の一行が藤原忠実の車と行き会い、「すりゃ盗賊の血か」と嫌味を言われる。そんな格好で都を歩くな、と言われる。俺のいうことをきけ、都の美観を守る責任者は俺だ、院の命令だからって威張ってんじゃねーよ……忠実はそういうことを言いたい。視聴者としては、どうやらこの化粧した男は悪役だが、彼とは別に「イン」という権力者がいて、それが武士に命令を出してい...

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。