記事一覧

映画の話 「俺は犬だ」

「俺は犬だ。30年間、体を張ってこの街を守ってきた犬だ」('79年映画『太陽を盗んだ男』)……ジュリー(沢田研二)演じる爆弾脅迫犯の「権力の犬」という言い方に対して、山下警部役・菅原文太が‘犬上等'と言い切る名セリフ。しびれます。けど、……いや、兄ィは30年間極道だったんじゃないんすか? と思ったので確かめてみました。私自身はトラック野郎の印象しかないんですが。赤字はリンクになってます。1956年(昭和31年)...

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『晩春』

やっと観ました。宇佐美 淳(服部役)と能シーンという萌え基準だけで知らずに選んだのですが、小津安二郎と原節子が組んだホームドラマのお初、日本ホームドラマの原点(このへんウィキペ)だそうで、結果オーライ。やっぱ能の神様は導いてくださる。昭和二十四年完成、とオープニングに出ます。外人さんが観たら(聽いたら)チャイナと区別つかないんじゃないかという微妙なBGMから始まります。(以下、古い名作なのでご覧に...

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それより奥は見てはならないことはない【映画 王の男 感想】

2005年、韓国。やっと観たのよ!「観に行きたいな~~」と思ってから子供の世話してると、5、6年過ぎるのアッという間なのよ!それはともかく。結論から申しますと、非常に後味がよろしかったです。華麗にして卑屈な宮廷人と、野卑にして誇り高い旅芸人の対比が見事な、爽やかな感動作でした。美麗なシーンのひとつひとつが心のアルバムに残っております。もっと生々しいエログロ映画だと思ってましたm(__)m正直そこをちょっ...

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映画【マイ・ブラザー】を観たの。

2009年アメリカ。私にしては珍しく新しい映画だ!なぜ借りようと思ったのかが分からない、と思いながらプロフィールを調べたら、主人公3人のうちの一人が『レオン』のお嬢さんが育った姿で(大きくなって( ;∀;))もう一人がブロークバック・マウンテンの一人だったので、その関係だったらしい(思いつきでレンタル予約を入れるので届いた頃には忘れている)リメイク版らしいけどそっちは観てないので比較はしない。アフガン...

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映画『イヴの総て』

……と思ったらマーゴの総てだった。ビルはいい男だった。背の高い優男のロイドは私の好みだ。カレンは清純で人のよさそうな役そのまま、肝心のイヴは最初からあまりにも美しすぎて、かえって怪しいという。役の雰囲気をたっぷり醸した演技派俳優たちは本当に舞台出身らしい。そして「マリリン・モンローみたいな子が出てるなぁ」と思ったらマリリン・モンローだった!(・∀・)1950年、アメリカ。主役の一人であるベティ・デイヴィス...

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イニスを演じたヒース・レジャーが。

亡くなっていたことは知っていたのですが、前回はともかく映画の第一印象だけを述べたかったので触れませんでした。改めてご冥福をお祈りいたします。...

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翔くんの胸を切るのは。

湯婆婆の居室やハウルの寝室の調度もずいぶんと描き込まれていましたが、アリエッティになってあの部屋べやを探検するのはすごく楽しいかもしれません。頼もしいお父さんに先導されて、相手の命を叩きのめす「狩り」ではなく、相手の生命と生活を尊重して、必要なものだけちょっと「借り」る。そして小さな世界をそっとしておいてもらう。女の子の理想かもしれません。翔くんという男の子の独善によって、その小さな世界は崩壊させ...

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翔くんは。

アリエッティの思い出を作品にして絵本作家になったりするかもしれない。古い屋敷を守るために一級建築士になったりするかもしれない。公務員になって街の景観を守る仕事をしたりするかもしれない。アリエッティを探して、自分の家と同じような自然に囲まれた古い屋敷を訪ね歩き、紀行文を書いたり写真を撮ったりする人になるかもしれない。アリエッティはスピナーとうまくいくかと思いきや、新しい土地で新しい小さい男の子を見つ...

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トンボと翔とハク。

宅急便のキキは、「魔女なんかに生まれなければよかった、普通の女の子に生まれて遊んで暮らせればよかった」みたいなコンプレックスにちょっととらわれちゃった途端に魔力を失い、でもトンボを救いたい一心で自分を信じたら、魔力が戻った。ちょっと暴走したけど。トンボのほうは助けられた後もべつに冒険魂を反省するでもなく、相変わらず空と飛行機が好きな男の子。『アリエッティ』の翔が「滅び行く種族なんだよ」とのたもうた...

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『3時10分、決断のとき』を観ました。

25日にレンタルDVDにて。タイトルで損をしてるような気がする。原題は『3:10 TO YUMA』アリゾナ州ユマ郡ユマ市には歴史あるユマ準州刑務所があるんだそうで、それを知っていてタイトルを聞けば、例えば『網走行き3時10分発』って聞いたような、そういう話かと感じるものがあるはずなんである。日本人がユマを知らなきゃしょうがないけれども。私も知らなかったし。たぶん「キャプテン・アメリカ」ピーター・フォンダの最近の...

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1962年松竹映画『切腹』観ました。

昭和三十七年(1962年)松竹監督:小林正樹原作:滝口康彦『異聞浪人記』脚本:橋本忍撮影:宮島義勇題字:勅使河原蒼風仲代達矢 1932年生。→30歳 (・。・; 1954年、俳優座養成所2年生のとき『七人の侍』で映画デビュー(22歳)石浜 朗 1935年生。→27歳三國連太郎 1923年生。→39歳丹波哲郎 1922年生。→40歳仲代さん(というか津雲さん)、孫も生まれた役で、あやす姿など良く似合っており、「老人の繰り言」って台詞もあっ...

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『ならず者』『上海陸戦隊』

実は美女つながりという。『ならず者』(The Outlaw)は1943年のアメリカ西部劇。『紳士は金髪がお好き』でモンローのお姉さまっぽい役だったブルネットのセクシー美女ジェーン・ラッセルのデビュー作。公開時は彼女の胸の揺れが猥雑視されて裁判沙汰にまでなった問題作。...

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Ο ΑΣΤΡΑΠΟΓΙΑΝΝΟΣ

The ASTRAPOGIANNOS、1970年ギリシャ映画。19世紀半ばの対トルコ独立戦争の英雄Astrapogiannosが生家へ戻ると、村人たちは地主にいじめられていた。正義感にかられた彼は地主一派と対立するが……っていう義賊もの。日本の時代劇や任侠物みたいにヒーローが「耐えがたきを耐え」って感じではなく「やられたらやり返す」爽快感が良い(・∀・)...

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1942年東宝映画『ハワイ・マレー沖海戦』

『晩春』→『安城家の舞踏会』→『上海陸戦隊』と原節子つながりで観たんだけどね。今回の節ちゃんは超ブリっ子だった。ただし彼女は明るさ・大らかさがあって、無声時代の時代劇に出てきた女優のような控えめ・か弱い感じがしないとこがよい。それはそれとして印象的な台詞を聞き書きしてみた。訓示の漢文調は「どこまで聞き取れるかな」という興味が優先。部分的に聞き取れなかった(転瞬、尽忠、皇恩など単語を知らなかった)ので...

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The THING(『遊星からの物体X』)を観たよ!

ごく当たり前にカーペンターのリメイク版のほう。1982年、ユニバーサル映画。監督:ジョン・カーペンター脚本:ビル・ランカスター編集:トッド・ラムジープロダクションデザイン:ジョン・ロイド撮影:ディーン・カンディ特殊メイク:ロブ・ボーティン特殊効果:ピーター・クランモデル製作:スーザン・ターナー子供の頃にテレビでちょっと見かけてそれっきり、という映画が多いので今ごろ観直している今日この頃。知ってる人はよ...

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エリザベス・テイラー主演映画『クレオパトラ』を観ました。

1963年、20世紀FOX。だいぶ前に人にすすめられてツタヤ・ディスカスで予約入れといたのが届いたというだけで他意はないんですが、ちょうど『平 清盛』で「歴史ものの映像表現って?」というテーマを自分なりに抱えてしまったところだったので、いいタイミングでした。えー……光ってました。リアルに照明が多く、巨大かつ豪華なセットが余すところ無く照らし出され、役者の顔にも影がなく、全てが映し出されておりました。テイラ...

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イタリア映画 『向かいの窓』

2003年、イタリア。イタリアアカデミー最優秀作品賞・最優秀主演男優賞・最優秀主演女優賞・最優秀音楽賞受賞。ツタヤ・ディスカスで借りることができます。主人公(ジョヴァンナ・メッゾジョルノ)はお疲れ気味の共働き主婦、基本は彼女を軸にした恋愛ドラマ、おそらく女性向き。どこの国でも集合住宅のご近所付き合いと子育てと、まだ若くムッチリ色気走った夫の相手は大変(´・ω・`)ご近所は騒がしいし子供は生意気だし仕事はつ...

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『ライフ・イズ・ビューティフル』

イタリア人はよくしゃべる。そしてイタリア映画は子供と「音」の使い方が上手い。原題:La Vitta 'e Bella 1997年イタリア映画。1998年カンヌ GRAND JURY(審査員グランプリ) 受賞、ダヴィッド・デ・ドナテッロ(イタリア・アカデミー賞)作品賞受賞、他多数受賞すぎて書けない。レンタルDVDの特典映像として観たアメリカ版予告編より日本版が秀逸。予告編なら貼っちゃっていいだろう。イタリア映画界入魂の一作といっていいと思...

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『クリムゾン・リバー』

原題:LES RIVIERES POURPRES(「真紅の河」)2000年、フランス。もっと評価されていいと思う。例の「2」より遥かにまとまりがいい。(あっちがアレ過ぎて比較対象にするべきでないかもしれないけど)異様に豪華な背景も、よく人物の後ろになじみつつ雰囲気を醸しているし、アクションシーンも、苛酷な自然の中でのシーンも、そこだけチカラが入りすぎて浮き上がり、別の作品へのオマージュになってしまっている、というようなこ...

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映画クリムゾン・リバー雑感。

映画は映像表現だから、ラストはスピード感と映像の迫力で押し切るってことでいいと思う。といいつつ、ひと晩寝て考えた『クリムゾン・リバー』後半のアレなところ。猟奇事件をテーマにした映画に関する話なので興味のないかた・苦手なかたは追記をお読みにならないでくださいね。...

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『エクソシスト』拝見記。

1973年、ワーナー・ブラザーズ。25周年特別版DVDにて。デジタル・リマスターで絵がきれい♪ 古いままの荒い映像も味があるが、爽やかになった色合いで、古いと思わず観ることができたのは良かった。特撮技術が甘かった頃の子供だまし作品などでなく、決して古くなることのない心理劇であるからだ。実はまともに観たのは初めてで、子供の頃から母が「首がまわるシーンが怖かった」とばかり言い、ある意味「そこだけウケた」っぽかっ...

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『エクソシスト』雑感

「ググったらすぐ答が出ました」ってのも面白くないので気になった点を先に書いておこうと思う。若いほうの神父の名前がカラスさんという。勿論「アメリカ人にはよくある名前」ってわけではない。カラスさん、カラスさんと考えたらマリア・カラスがいたがこれは綴りが違った。もう一人思いついたのはアントン・カラスで綴りが近い。これは『第三の男』のテーマを作曲したツィター奏者、オーストリア人だがチェコ・ハンガリー系だそ...

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『デスノート』拝見記。

やっと観ました。あらふつうに面白かったわ。もっと「分かる人だけ分かる」カルト映画だと思っていた。...

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ポーキプシーにいたか? 映画『フレンチ・コネクション』拝見記

フリードキン監督つながり。1962年ごろ実際にあった麻薬取引摘発が元ネタ。イケメンがいなくても映画は撮れる好例。おっさんばっか。恋も家族愛もなし。ひたすら張り込み。ひたすら尾行。ひたすら追跡。男とはなんだ。仕事だ。...

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ドン・ペリグノンを2つくれ。『ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア』拝見記

1997年2月公開。思いがけず古かったが、これは……面白かったと言っておこう。...

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’Dark inside me’ 『イベント・ホライゾン』『1408号室』視聴記

好きなんですよイベント・ホライゾン(・∀・)...

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日米ホラー雑考。

アメリカ製ホラーは人体損壊の恐怖、がいちばん大きいような気がするんだ。あとは『トワイライト・ゾーン』やオーガスト・ダーレス他のアーカム物の小説(いわゆるクトゥルー神話群)にあるような、悪夢の世界に行ったまま帰ってこれなくなるタイプ・怪物に食われちゃうタイプ(精神的にも)。...

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日本のドラマはよく怒鳴る。

アメリカの映画は怒鳴らないというかな。清盛はよく怒鳴るというかなw...

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『桜の森の満開の下』拝見記

それは恐ろしいもんだ、桜の花っていうのは。密度の濃い1時間34分56秒。サイコホラーを和の美学で解釈するとこうなるという。恋愛ものっちゃ恋愛もの。ロマンスといえばロマンス。ひたすら「美女萌え」で成立してる一篇。要するに男と女が暮らすだけ。ただ、その暮らしぶりが……。...

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『桜の森の満開の下』と『MW』

男と女の間には深くて黒い川がある、えんやこら今夜も舟を出す、というヘテロ男のいじらしさが『桜の森』の主題で、そのいじらしさの底にあった「お前のせいで俺の人生は台無しだ、こいつめ!こいつめ!」という気持ちが花の下で噴出してしまい、しかし本人は山育ちのシンプルな頭脳の持ち主なのでそれに気づかず、「どうして?」と結果にオロオロするばかり。そこがまた哀しく美しい。...

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験・就活を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

映画評は、アップロードする以上は「下げる」ようなことは言わないことにしております。あらすじもあまり申し上げませんので、楽しみに御覧になってください。記事冒頭の色つき文字は映画中の台詞・挿入歌の歌詞からの引用です。

なお、取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・分割・削除しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。