2013/10/25

2005年『Calvaire』(放題「変態村」)

邦題もひどいけど映画もひどい。

これで映画賞を獲れるんなら日本からBLのOVAを出品するぞ(゚Д゚)ゴルァ!!

……ダメダメ映画にあえて突っ込む企画……

清盛のときもそうだったけど、ダメなところをはっきりさせておくと、後々ほかの作品を鑑賞するときの足しになりますしね。

これは「女ひでりのストレート男ばかりの村にストレート男が迷いこんで、やられちゃったらやばいよねwww」という話で、LGBT映画ではないです。

「狂っちゃったストレート」をゲイが面白がる可能性はあるんだけど、これは彼らをブラックジョークで楽しませることを意図した作品ではないだろうと思います。

まして「運命を受け入れたらロマンだよね」ってのはBL的欺瞞で、BLならBLでもいいんですが、映画には見せ方ってものがあるっ

冒頭の歌唱シーンからグダグダ感が漂っております。

ゴルゴダの丘を印象づけたいなら序盤でキリスト磔刑のイメージを提示しておくべきだし、オープニングのタイトルバックを利用して女性が逃げる姿を描いておくなんてのもいいでしょう。『あなたの知らない世界』みたいに怪しい霧に車が巻き込まれていく姿を遠景として撮るのもありそうだし……暗い空を背景に農家の全景を不気味な感じに撮っておくとか。

月並みなようでも「入れておくべき絵」というのがあるはずで、その際、ヒッチコックとそっくり同じ構図を使って「トリビュート」とする手もある。その上でドキュメンタリータッチの手ブレ映像が生きるんで、やっぱりフリードキンは上手かった。

まるでホームビデオの撮りっぱなしみたいな雑さに溢れております。とても(20世紀の間に)いろいろ見てきた21世紀人に向けてリリースするべき2005年度作品とは思えません……。

誰かの小説に「村ごと異次元にはまってしまい、食糧不足なので、たまに迷い込んだ旅人を食ってしまう」というのがありました。「きのうのステーキ」という台詞が怖かった気がする。

そのカニバリズムをソドミーに差し替えたという話で、こういうのは鑑賞者に「あいつらは変態だから、俺には関係ないね」と思わせてはいけない。

「追い詰められれば誰でも加害者になり得る」という恐怖を描くべきで、むしろ村人のふつうさ、冷静さを描いておくべきなのです。田亀源五郎ならそのへんにも手抜かりがないんですが……

男同士の騒音ダンス、女っ気は無いのに大勢の子供だけは存在する奇妙さ。夢幻的な表現をちりばめて不気味さを狙ってるんだけど全部はずしてるというべきでしょう。

街道に車を置いて歩いてきたのだから、その方向へ戻れば街道に出られるはずなのに、「そこへ辿りつけない」という描写がない。少なくとも、弱い。もっとも印象的であるべき着替えの場面の構図が、なっちゃない。嫁さんも歌手だったというなら、もっとセンシュアルな舞台衣装でも着せるべきだ。主人公が運命を受け入れるなら「いつまでもドサ廻りの歌手をやっていても仕方がない」という述懐が必要だ。

必要なことを順序良く踏んでいくだけで、もっと情緒を醸しだせたろうと思います。「男が女とまちがえて男を襲う恐怖」にキリスト教の説明づけは要りませんしね……

ダウンジャケットを着せちゃったから体の線が見えなくなって、色気がないですしね……ピンクの色だけで女性性を表したつもりでしょうか。残念なセンスです。

低予算なのは明らかで、手の込んだ特殊メイクやCGアニメを使えとは申しませんが、PCで色調をいじるくらいはできたと思う……今どき日本の高校生でも、もっと気を利かせるでしょう。

物語の筋立てよりも、監督が素で病んでる感じのほうが怖いです。そこが評価されたのだとしても、面白さが増すわけではないですな……

誰か撮り直してください。