記事一覧

【最近のアニメが気に入らない人は小説を書くといい】

そもそもSF小説があって、それが映画化された。小学生は長い小説を読みこなすことができないし、一人で映画館へ行けない。淀川さんは特異な例で、多くは「こづかいが足りない」と思えば諦めるし、第一、2時間もの間、じっと座ってること自体が苦手だ。だから、大人が小説を読み、外国映画を見てきて、内容をかみくだき、子供が10分くらいで読みこなすことのできる作品として、描きなおす。これが漫画の役割で、藤子不二雄は第一...

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【アニメは鉄腕アトムの時代から二次創作だ】

必ずしも漫画原作に忠実ではなく、各回ごとに脚本家・演出家の個性が出る。頭角を現した者が、長編の責任者を任される。思えば、アニメ以前に実写ドラマも、黄門漫遊記や大岡政談の存在を前提に、脚本家・演出家が才能を発揮してきた舞台だった。テレビの前には映画がある。『バグダッドの盗賊』は、『忠臣蔵』は、何回リメイクされたのか。映像関係の制作者は、昔から二次創作で腕を鍛えてきた。だから少しでも映像文化に興味のあ...

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【二次創作自体はヴェニスに死すからでも生まれ得る】

1971年公開の映画を見た瞬間から、二次創作は生まれ得る。二人は生まれ変わって結ばれたとか。愛の神の奇跡が起きて、あのままヴェニスで同居することになったとか。船出して日本に到着したとか……もちろん、原作の芸術性は台無しだ。鑑賞者自身の「あんな美少年を囲ってみたい」という願望を満足させる娯楽作品となる。が、書かれて悪いことはない。三島由紀夫の登場以来、模倣者がいなかったわけはなく、大学ノートに書いて、嫁入...

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【薔薇の流れ】

夜空に輝く星座は、へーラークレースが退治した獣であるとか、早春に咲く花は太陽神アポローンに愛された少年であったとか。古代ギリシャの神話・伝説には、明確な固有名詞が登場する。では、薔薇の下で秘密の愛を誓い合ったのは、どの男神と、どの王家に生まれた少年だったのか。その逸話は、ホメーロスの第何節に含まれているのか。情報のソースが大事とはいいながら、この話題を追求できる人は少ない。都市伝説に類する言辞が、...

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【にやけというのは衆道に関わる言葉だ】

さらに、野郎というのは女郎の類語で、男娼のことだ。どっちも稲垣足穂の『少年愛の美学』に書いてあった。だから少年漫画などで、色男を指して「にやけた野郎だぜ」というのは、「きれいな顔をして、女にもてる男は、男客をも相手にするに違いない」というのが本義だ。これを文科省的に婉曲表現すると「なよなよしている」となる。身に覚えのない男性には、たいへんな侮辱となる。現にそのような手段で生計を立てている男性には、...

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【女性が衆道に興味を抱いたら三種類の流れが生まれた】

【興味の昇華】「不良少年が拳闘を通じて更生することを財政的に支援する葉子さん」は、立派な女性といえる。たとえ、そこに彼女自身の功名心や、裸の若者を見たいという意欲がひそんでいたとしても、それを上手に昇華したといえる。葉子さんは、男性作家によって創出された女性だから、女性が自分より若く、結ばれる立場にない男性に関心を抱いたときのあるべき姿として、男性によって提示されているとも言える。が、女性の一部は...

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【二丁目からのクレームは文字通りに読まないほうが良かったと思う】

あえて20年前のクレームについて考えてみる。二丁目からフェミニズムへ、「やおいには困りものだ」という苦情が入ったなら、フェミニズム論者を女性一般のリーダー格と認め、頼ってきたということだったと思う。本当は彼らも「やおい」という言葉を使わなければ良かったのだろうと思う。彼らの真意は「一部の創作物に表現されているのと同根の、差別意識に基づいて、二丁目で我がもの顔に振舞うストレート女性がいるから、フェミニ...

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【女で失敗したから男に走るというのは女性に危険な勘違い】

女性で失敗した男は男に転ぶという考え方は、裏を返せば「女性が男性に優しくしてあげれば、男性はホモセクシュアルにはならないんだから、女の子たち、男へ我がまま言っちゃいけないよ。何をされても我慢しな」という意味なので、女性にとって危険思想なのである。...

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【男には男の美しさ、女には女の美しさがあるのだから】

男が女の描いた漫画のように美しくないことを女性が笑いものにする筋合いはない。でも長いこと「女の仕事は評価されない」「必ず『なんだ、女か』と言われる」という不満が溜まっていて、ついにその表現が許された時代には、女性が嵩にかかって自分の価値観(センス)をひけらかしたこともあった。ボーイズラブは女性の審美眼に最高の価値を置くことで成り立っているから、女性に強い自信の感情を与え、興奮させることがある。これ...

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【なんで二十四年組が、アニパロになってしまうのか】

なぜ二十四年組と呼ばれる少女漫画家に憧れた人が、その仲間に連なりたくて、オリジナル作品を案出し、投稿し、さらに上手になれるように努力したのではないのか。なぜ山も落ちもない段階でおさまってしまうのか。しかも、自腹を切って印刷所へ入稿し、交通費を支払って自主開催イベント会場へ搬入し、売上を管理し……と、比較的めんどくさいことをこなすのか。やおいを語るつもりで、二十四年組オリジナル作品を参考として掲げ、「...

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【女性から男性への熱視線の表現は禁止されていない】

歌手やスポーツ選手である男性への黄色い歓声は、場所柄さえわきまえれば、いくらでも挙げて良い。すくなくとも先進国では。女性から男性への目線の表現が許されていないから、他人の創作物を利用して、無理やりにでも男性同士を表現する……必要はない。表現したいものは、あくまで「男性から男性への熱視線の存在を目視確認したとき、自分が感動する」という、その自分の心である。では、どのような男性から男性への熱視線に接して...

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【ルサンチマン説の予言】

女性の一部が奇妙な創作物に夢中になるのは、彼女たちの成育史に瑕疵があるからです、という説明があった。現代社会における女性の不如意、いわゆるトラウマを、ボーイズラブ発生の原因とすると、社会が女性にとって住みよいものとなれば、あのような奇妙な創作物は発生しなくなるはずですという予言をはらんでしまう。社会が間違っているから、間違った創作物が発生するので、ボーイズラブなどというものは、本来この世に存在する...

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【やおい学会と言いながら24年組の紹介ばかりしているようでは意味がない】

「竹宮先生の作品にも、大島先生の作品にも、山岸先生の作品にも、山も落ちもありません。あるのはエロだけ」って言う人はあるまい。かつて別の名前を公称していたものについて、後から生じた隠語を遡及させて適用するのは、不適切だと思う。竹宮氏や大島氏は自分の作品が「耽美ロマン」や「少年愛」と呼ばれることが不満で、「やおいと呼んでくれ」と主張しているのか。プロの責任として、ぜったいに「私の作品は低級です。こんな...

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【攻め受けどちらに感情移入するかという質問は愚の骨頂だ】

映像作家も漫画家も小説家も、鑑賞者がいずれのキャラクターにも感情移入できるように気を配って書くだろう。悪役には悪役なりのカッコ良さがあり、意外な家族愛・兄弟愛があり、部下に手を焼く滑稽さがある。主人公も、ときには妬み、敵前逃亡、いじめに加わる弱さなどの要素を持っていることもある。分かりたくないが、分かってしまう。鑑賞者の心にそのような葛藤を生じさせ、必ずしも単体としては憎むべき相手ではないかもしれ...

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【耽美の美学とボーイズラブと、やおい研究の方法論】

マレフィセントのポスターを見て魔女一般を連想しつつ、日本美学研究所さんが「BLの美学をやる」って言ってやってないので、個人的見解を書いてしまおうと思う。女流が自分自身の少年趣味を表現するにあたって、男性による衆道に関する記録を読んだ経験を参考にしたのが、ボーイズラブという表現分野の始まりだ。男子同性愛の美化というなら、映画『プリシラ号の冒険』のようなのが本当だ。ゲイまたはトランスとして苦労している...

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【男女比較の前提がおかしい】

ウィキペさん等に残っている古いタイプの「やおい論」は、ボーイズラブの実態がどうかというよりも、議論の浅さが気になる。「男性は常に自分を主人公として作中に描き込むが、女性はボーイズラブの手法を取るから、おかしい」という指摘は、比較の方法論がおかしい。確かフランソワ1世の所蔵品に、女性同士が向かい合わせに同じ風呂桶に浸かって、一方が他方の胸に触れている作品がある。あれ、レズビアン女性だけが見ることを想...

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【結婚は男性にとってこそ最高の価値】

ストレート男性が、悪者を退治し、財宝を得るなどして社会的に成功し、美女をゲットして、うだつを上げる。うだつを上げるとは、男性が大きな家を建てて独り暮らしすることではなく、その屋根の下には嫁さんと子供と大勢の使用人と、社会が許せば妾もいるという状況が想定されている。じつは、異性と結婚し、子孫を残すことが最高の価値観であるのは、ストレート男性にとってである。進化の過程をどうさかのぼっても、これがストレ...

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【女流耽美物語の本質】

女流の嗜虐趣味である。マゾッホ『毛皮を着たヴィーナス』や、夢野『あやかしの鼓』には、鞭を持った女性が登場する。鞭とは、その形状から言っても、本来は馬具・武具であるという性質から言っても、男性の象徴である。女性が男性を責めるために、男性を象徴する器具を用意するのであれば、自分の言うことを良く聞く男性を一名、用意しても同じことである……【独立精神】男性が、男の中の男として称揚し、「女性は彼の陽物を味わう...

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【各種少年愛の美学は、その人の趣味を語ったものだ】

稲垣足穂の著作でさえ、古今東西の芸術作品として記録に残された少年趣味を網羅的に調査し、引用元を厳密に明示して公開したというようなものではない。学術的な手法を踏まえた、そのような研究書は別にして、エッセイ的なものは単に著者自身の趣味嗜好を語ったものだ。ことに女流による「唇はピンク色に限る」とか「手首は折れそうなほど細いのが良い」とかいうのは、その著者自身が「私はそのような若年男性の肉体美に価値の重き...

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【男の子は桜桃を読むと結婚したくなくなるのだ】

誰が好きこのんで「俺も早く嫁さんから強烈な嫌味を言われてみたいな」「そして居たたまれなくなって、家を飛び出したりしたいな」と思うものか。文筆家というのは、武闘派ではない。社会や自分自身に不満があっても、火炎瓶を投げたりする代わりに、ペンを執る。日本の純文学は、彼らによる自画自賛だから、弱い男を描いた物語を称揚する。それを読んで、どこの若い衆が「俺も家族を支える強い男になるぜ!」と思うのか。現状では...

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【女の子は『こころ』を読むと嫁に行きたくなくなるのだ】

夏目漱石『こころ』の先生が「子供ができないのは当たり前だ」と引きつったように笑うのはなぜか。夫人が寂しそうなのは何故か。夜の夫婦生活がうまくいっていない。彼はクローゼット・ゲイだったのではないかという見方もあるが、単に友人への罪悪感から男性機能を喪失したと思えばいいだろう。夫人としては、娘盛りのいちばん魅力的な年頃に望まれて結婚したはずだから、夫婦の間でとうぜん起こるべきことが、なぜ起こらないのか...

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【ギリシャでは薔薇の下で秘密の愛を誓う必要はない】

神話、伝説、殖民都市に残された壁画、神聖隊の存在などを真に受ける限り、古代ギリシャでは男たちの愛は禁忌とされていなかった。ストレート男性の本能的な忌避感は、当時から存在しただろうから、ソクラテスについてはゲイ・バッシングの一種だった可能性はあるけれども、関係を信じられたアルキビアデスは政治家として出世している。貴族または自由市民の特権としての「たしなみ」のように思われていたかもしれないが、念者・念...

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【やおいは少女だったとは限らない】

簡単な加減算をしてみる。1970年代半ばに、二十四年組作品を高校生(16~18歳)で読んだ人は、1978年(専門誌『JUNE』創刊の年)には、18歳以上に達している。高校を卒業後、進学を機会に上京した人もいただろう。親元を離れ、家庭教師などによって収入を得れば、投稿作品の制作も、自費出版の注文も、イベント参加も容易となる。専門誌の創刊にあたって、執筆陣としてそろえられた成人作家は、もちろん成人していた。二十四年組に...

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【やおいには、じつは山も落ちもある】

「こうして二人は深く結ばれ(山)、その後はずっと幸せに暮らしました(落ち) めでたしめでたし(意味)」ここでは「素人による二次創作のうち、殿方のお口に合いにくい性描写に偏ったもの」を「やおい」としてみる。それは、長い時間をかけて信義を深めてきた二人に関する、クライマックス部分の情緒のみを繰り返し描いたものだ。本来、この前後に「試合に出場した」「戦争に勝った」「凶悪事件を解決した」など、男性キャラク...

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【まことに今更だが、やおいはトランスゲイではない】

「自己実現の困難さゆえに摂食障害を発症したトランスゲイ男性が、ピンクハウスに装い、男同士は社会から容認されないことを前提に、少女漫画の技法によって、化粧した少女のような男性ばかりが登場するメロドラマを描き、『泣ける~~』と消費した挙句に、二丁目へ押しかけてゲイ差別した」これは、ないだろう。『千夜千冊』で、やおいに関しては松岡正剛でさえも言葉をにごしているのが面白いといえば面白いのだが、ちょっと気に...

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【やおいとは暗喩である】

プロの責任として「くさった私が、山も落ちもないものを描いて、有名企業を通じて出版し、子供に読ませ、(事実上その保護者から)金を取りました」というわけにはいかない。したがって、竹宮恵子は「腐女子の女王」ではなく、『風と木の詩』は「やおいの金字塔」ではない。したがって、山も落ちもないということは、何よりもまず、それが素人の活動であることを表す。そして、それがオリジナル作品である限り、どんなに稚拙であろ...

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竹宮恵子『風と木の詩』は、なんで切ないのか。

少年同士だからか。19歳同士だったら「一目出会ったその日から、ラブラブハッピー♪」という話か?男同士だからか。作中では「男のくせに」とは言っていない。切ないのは、片思いだからだ。あれは、あくまでオーギュストにこだわるジルベールに、セルジュがうっかり本気になっちゃったのが運の尽きという話だ。【独立宣言】少し前に竹宮氏の京都精華大学学長就任を報じる地方新聞記事があって、代表作として『風と木の詩』を紹介し...

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。