記事一覧

【定型表現が主流であるところに、他は出品されにくいだろう。】

男性は気に入りの美少女フィギュアを並べて、彼女たちのそれぞれと、自分との関係を夢想する。あるいは、一体の美少女に、ツーテールでも、アホ毛でも、猫耳でも、眼鏡でも、メイドドレスでも、ニーハイソックスでも、あらゆる「萌え」要素を載せてしまう。女性は、二名の登場人物を組み合わせる。……ってな指摘があった。そうか?昔は美少年フィギュアというものはなかったが、漫画・アニメ雑誌から好きな男性キャラクターの姿だけ...

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【1990年代初頭には耽美という言葉が生きていた。】

『間の楔』が最初に評判をとって、恩田尚之作画でOVA化された頃、その文芸カテゴリを示す単語として「帯」などに印刷されていた言葉は「耽美ロマン」だった。「私もこんなハードカバー本を出版できる耽美作家になりたい」と思う人は、オリジナル耽美小説(または漫画)を書いて、編集部への投稿活動を続けていたはずだ。「編集部の皆さん、わたしの作品なんて、山も落ちもないですから、読まなくていいです。てへぺろ」とは言う...

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【異性好みの同性同士】

「女性好みに調整された男同士の人間関係」を引っくり返すと、「女同士の人間関係において、男性好みの闘争心が表現されている」というものになるはずだ。じつは、これは「嫁姑バトル」「後妻打ち」「女子プロレス」「女性アイドル夏の大運動会(ビキニ水着で騎馬戦)」などとして、結構に表現され、消費されてきたんである。(一部のゲイは、女性同士のつかみ合いの喧嘩の見物をお好みになるそうだ)健康的な表現としては、女子ス...

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【男女ものの代替品にはならない】

いわゆるトラウマ・劣等感・嫉妬によって、女性の活躍を鑑賞することができないとしても、男性の女性的な表情や、あられもない姿態を鑑賞していられる理由にはならない。女性自認者が、女性が屈辱を受けるSM官能作品などを鑑賞することができないのであれば、「永遠の少年」を自認する者は、それが屈辱を受ける物語を、恐ろしくて鑑賞できないはずである。ボーイズラブ的表現に接した人には、いろいろな感想があり得る。「違和感...

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【自分を守ろうとすると弱くなる】

自ら性マイノリティであることを主張する人が、他人の多様性を認めず、ステレオタイプな認識に基づく偏見を抱き、差別し、罵倒するのは不思議なことだ。若い頃から過激な「おやじ受け」を好む女性もいれば、年をとっても美少年同士のプラトニックな描写を喜ぶ女性もいる。創作物の鑑賞態度に進化論を設定する必要はない。進化論は、多様性の敵だ。「少数派は排除される」って考え方だから。また、創作物は「別腹」であり、誰が何を...

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【男性には読みづらいに決まっている】

「娯楽消費されることを意図した男子同性愛表象」を、男性がものした絵巻物・写真入り雑誌などを鑑賞することによって消費するのではなく、女性が自作した場合に、思いがけないほど女性性が表現されてしまった……というのが、名称の発生順に「耽美・やおい・ボーイズラブ」と呼ばれてきた分野だ。あえて例えるなら「黒電話にレースのカバーを着せる」「ねじ回しまで小さくなってピンク色」にするようなものだろうか。電話やプラスド...

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【商業的に確立されたBL分野は氷山の一角】

商業的に確立されたボーイズラブという分野は、「娯楽消費される男子同性愛表象」という氷山の一角にすぎない。消費する当事者はゲイであることもあるし、ストレート男性であることもあるし、ストレート女性であることもあるし、レズビアン女性であることもある。最後のパターンは「ない」かのように思われるが、じつはあるんである。(アメリカから報告されている)アメリカにおける「スラッシュ」は、最初から中年男性俳優同士を...

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【男性キャラクターで女性性を表現するのは】

女性キャラクターを描くことができないからだろうか。女性に感情移入できないから、やむを得ず男性に女性の役を演じてもらっているのだろうか。話が逆なんである。まず、どっかで誰かが「美男同士ってセクシーね」と気づいた。セクシーとは、昭和の時代にはよく使われた言葉で、今どきは「エロかっこいい」なんて言う。性愛的な興味を抱いた相手への最大限の誉め言葉だ。それが、一人より二人。美男の盛り合わせ。けっこうな話であ...

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【美化というならゲイ作品も同じだ。】

田亀源五郎作品の登場人物の肉体は、とても日本人とは思えないほど、ルネサンス的に理想化されている。プレイは、実行していたら、命がいくつあっても足りない。念のため、決して真似してはいけない。しかも、冷静に読むと、彼ら登場人物は、生来の同性愛者とは限らない。内藤ルネなどによって描かれた、『薔薇族』掲載のイラストはどうか。実在ゲイの魅力を丁寧に写生したものですといえば、世界中のストレート女性が「モデルに会...

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自分自身が一方的に親しみを感じている男性表象を題材として、

彼らが演じるべき衆道物語を用意する。同じ作業を、中年男性俳優に適用したのがスラッシュ、少女漫画に適用したのが二十四年組、アニメに適用したのがアニパロ派。大雑把に、1960年代、1970年代、同後半。それぞれ、テレビドラマが映画に替わって娯楽の主流となりつつあった時代、小説に替わって漫画が以下同文、漫画に替わってアニメが以下同文。歌は世につれという言葉があるが、ボーイズラブも、ちゃんと世につれている。二十四...

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【やおい論自体が少女趣味じゃなかったか。】

べつにボーイズラブにすっころばない少女もいるし、大人になってから面白さに気づく人もいる。ボーイズラブという名称で商業的に確立された分野は、女性が男色文化に関心を持つ現象の、氷山の一角に過ぎない。角度を変えてみると、ゲイ当事者による表現物を、女性が鑑賞するという分野が見える。これはもう、英雄伝説の時代から「男はいいわね」という情緒が生じていなかったとは言い切れない。非公式ながら技法として確立された存...

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生まれて初めて好きなアニメキャラクターの似顔絵を上手に描くことができたと思った人は、

嬉しかっただろう。同級生に見せたところ、「すごい」とか「うまい」とか言ってもらえたのなら、気分が良かっただろう。自分には才能があると思い、将来はアニメの仕事がしたいと思っただろう。誰も笑いはしない。多くの人が、そのようにしてアニメ作家になったはずだ。「アニメキャラクターでM/Mロマンス」というアイディアは、最初は誰かがジョークとして思いついたのかもしれないが、わざわざ自分の好きなキャラクターを取り...

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【典型的なボーイズラブ物語は】

女性が、ゲイ青少年の成長過程で直面する社会問題を理解しようとして描いていない。エンターテインメントとして制作された創作物を鑑賞して、感銘を受けたから、自分も書いてみようと思ったことによっている。繰り返すが、書いて金に換えられる創作物なら、何種類もある。女性が藤本義一や渡辺淳一のような作品を書いてもいいし、団鬼六を真似てもいい。ゲイ作家を参考に筋肉美を描いて、男性らしいペンネームで発表してもいい。『...

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【ありのままに孤立。 ~FROZEN鑑賞記その4】

よく考えると、話がおかしい。なにもアナまで閉じ込めなくても、外国の親戚へ預けて、大勢の従兄弟とともに成長させるなどという手段もあったはずだ。エルサのためだけに、北方に土地を求めて、離宮を建ててもいい。貿易していたくらいだから、ある程度の財力はあったはずだ。国王夫妻が船旅に出たくらいだから、政務も執行していたはずで、王宮は完全に閉じられてはいない。王家は国民から嫌悪されてもいない。であれば、アナは貴...

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【ありのままに骨太。~FROZEN鑑賞記その3】

『塔の上のラプンツェル』の長い髪を利用した豪快なアクションに比べると、『アナと雪の女王』って、じつはロケハンと背景CGを駆使すれば、生身の俳優を使って撮影できる程度のことしかやっていない。雪の崖から飛び降りるとか、吹雪をついてトナカイを走らせるとか。ミュージカル場面も少ない。姫君たちの他には、オラフしか歌わない。ハンスの「決意の歌」とか、クリストフの「愛の二重唱」とか、無い。その代わり、「救えるか...

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【ありのままに化粧は濃いめ。~FROZEN再見記】

「人魚って素敵だな。わたしも海の中を自由に泳いでみたいな」「薔薇に囲まれて眠り続けるお姫様って素敵だな」「魔法でのびた長い髪って素敵だな」「おそろしい野獣と可愛らしい女性の組み合わせって素敵だな」と思いながら彼女たちを鑑賞する人にとって、人魚が人間になり、呪いが解ければ、夢の終わりである。少なくともディズニー好みのお姫様物語というのは、「魔法によって一時的に異常な状態におかれていた人々が、平凡で健...

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ボーイズラブとは多様性の表現のはずだ。

男性作家だから、少年を主人公に、男らしい漫画。 女性作家だから、少女を主人公に、女らしい漫画。 男らしさとは、異性を求めることであり、女らしさとは、異性を求めることである。売るため・買うための便宜と、ジェンダー論的偏見とのないまぜによって、そのような枠が決まっていたところへ、反旗を翻したのが、ボーイズラブという、一種の無血革命だったはずだ。誰が何を書いてもいいじゃん! 下手でもいいじゃん! 革命の...

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【「だが?」は、「ですけど~~」の語尾活用。】

「ちょっと、あり得ないんですけど~~」「ちょっと、信じらんないんですけど~~」「ちょっと、寒すぎなんですけど~~」けど何だ。「エアコンの設定温度を上げてもいいですか」って、ちゃんと言え。言わなきゃ分からん。……というのが男の理屈なら、「はっきり言ったら、生意気だと思われちゃう。そっちのほうで気を廻して、こっちの望む答えを出してほしい。自分から言い出したことにしたくない。責任を取らされると困るから」女...

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【弘法大師から始まったというのは一種の宣伝だと思う】

先史時代から、LGBTはいたと思う。現代消費文化の過剰によって「変な子になってしまった」のではなく、どんな時代・場所にも一定の割合で生まれてくるものだと思うべきだ。原始的な生活を考えてみると、すべての労働を人力でこなさなければならない。一人でも欠けたら集団が困るということがあり得る。だから排除したとは限らないんじゃないか。「第三の性」を認める文化もある。とりあえず六人一組の「ブラボー小隊」で狩猟に...

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【ハーレムアニメを減らす必要はなくて。】

萌えないアニメを制作するプロダクションが増えればいいんである。保護者を安心させ、家族そろってチャンネルを合わさせ、DVDを子供に買ってやるように仕向けりゃいいんである。たぶん、ポケモンの人間キャラクターは、萌えない顔を意図して描かれている。流行に従って、美少年軍団的なものも登場するけれども、「萌え」を意図した作品として、その分野のファンに訴えかける「記号」になっていない。……だから、ポケモンに任せて...

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。