25, 2015
1952年、新東宝『清水次郎長傳』

石松三十石船、七五郎の義侠、閻魔堂の最期、青木屋の決斗。製作:杉原貞雄 監督:並木鏡太郎 脚本:三村伸太郎 撮影:横山實出演:高田浩吉(松竹)・田崎潤・月形竜之介・市丸(ビクター)・廣澤虎造見渡せば、富士の高嶺に久能山。田子の浦風そよそよと。東海道は良いところ。唐突な選択は、近所のホームセンターでDVDを売ってたからです。廣澤虎造の本人出演に惹かれました。ナレーションの代わりに浪曲が全編に用いられ...

1952年、新東宝『清水次郎長傳』

 25, 2015   -

 24, 2015
同性カップルが犬猫の里親になれないのも彼らのせいではありません。

多数派であるストレートが、多数決によって憲法と民法を改正してやらないからです。現行では、同性カップルは捨て猫の里親になることもできません。独身のストレート男女は交際相手と気ままに別れて、自分が引っ越すときに猫もまた捨ててしまうから、すでに戸籍が一緒になっているカップルにしか猫を引き渡せないというのは、ストレート目線のストレート基準です。ストレートのせいで、正式に入籍できないまま、十年も同じ人と同居...

同性カップルが犬猫の里親になれないのも彼らのせいではありません。

 24, 2015   -

 22, 2015
新選 現代日本文學全集(筑摩書房)付録19

昭和三十四年十一月。円地文子集のおまけ。いたはられること 室生犀星(作家)「妻が書き、夫がそれをいたはつてゐることは、よそめにも、いたはりの行き尽してゐるところであって、他にも類例があってみんなうまく行ってゐたら、私は人生が愉しいものだと思った。」円地さん 尾崎一雄(作家)「円地さんもやはり大患のあとだつたと記憶する。その時円地さんは、こんなことを云った。「私はここんところ、ずっとお茶っぴきよ。本...

新選 現代日本文學全集(筑摩書房)付録19

 22, 2015   -

 21, 2015
昭和33年、円地文子『女面』

新選現代日本文学全集17(昭和三十四年)より。三段組で60頁。外国語の文法に依拠した言い回しはすでに廃れ、詩の教養に依拠した華麗な比喩はそのまま模倣するわけにもいかず、杓子定規な結婚観へのアンチテーゼとして、ストレート女性同士の擬似同性愛が描かれている。円地文子は現代では取り上げにくい作家になってしまったのかもしれません。が、ワキとワキツレを思わせる男性たちによる導入部から、女の情念の秘密が少しずつ明...

昭和33年、円地文子『女面』

 21, 2015   -

 18, 2015
1998年、鯨統一郎『邪馬台国はどこですか?』

創元推理文庫、2005年25刷。東京創元社の隠し玉。第三回創元推理短編賞(1996年)応募作。おとなのための歴史エンタテイメント。文庫書き下ろしにて異例の刊行。たぶんハードカバーの体裁にして本物の歴史書だと思われることを防ぐためでしょう。電車に最適な「読みもの」と思ってほしいということなんだと思います。巻末解説の橋本直樹(短編賞の審査員)は「予備知識が要らない軽さが特徴」っていうのですが、早乙女静香というキ...

1998年、鯨統一郎『邪馬台国はどこですか?』

 18, 2015   -

 17, 2015
朝日新聞出版『週刊 マンガ日本史』

朝日新聞出版の出している薄い本(歴史マンガのシリーズ発行)のダメっぷりがひどいので怒る気力もなくしていたんですが、第41巻、池上遼一の黒田官兵衛は謹んで拝読しました。セクシーな官兵衛でしたね。確かな画力でロングとアップを交互に配置できるからこそ、コマ運びのあっさりしているのは池上さんらしさ。経歴の長い先生で、個人的に『クライング・フリーマン』を楽しく読んでいた頃から数えても二十年ほど経過しているので...

朝日新聞出版『週刊 マンガ日本史』

 17, 2015   -

 16, 2015
柳 広司『ジョーカー・ゲーム』と『ロマンス』

角川文庫『ジョーカー・ゲーム』のカバー絵には、陸軍の制服と長靴を着用し、白手袋をした人物が椅子にふんぞり返った姿が描かれていますが、担当者のミスです。作中には、「魔王」が軍人らしく見えるのを嫌うことが書かれています。五分刈り頭も、軍帽によって額の半分が日焼けしていないことも、軍服を着用することも嫌いです。カバー見返しに印刷された名前から察するに、画家も担当者も女性です。「いつも白手袋をしてる軍人な...

柳 広司『ジョーカー・ゲーム』と『ロマンス』

 16, 2015   -

 15, 2015
水木しげる『のんのんばあとオレ』一、わんばく大戦争の巻

講談社コミックス、1992年11月、第2刷。ああすっかり洗練されている。日本の漫画界はGペンの「しなり」が生む線の美しさと、ペンで背景を描く技術を維持できるでしょうか。わんぱく大戦争は、子どもの喧嘩とはいえ命にかかわるようなことまでやってるわけで、本人たちにとっちゃ大変です。お目つけ役の大人はいない。兵隊さんごっこが当たり前だった時代の男児たちは大変でした。主人公ゲゲ(=しげる本人)の家庭の様子も含めて...

水木しげる『のんのんばあとオレ』一、わんばく大戦争の巻

 15, 2015   -

 14, 2015
水木しげる『墓場鬼太郎①』

先生、怖いです。角川文庫、貸本まんが復刻版。平成18年初版。多色刷りの貸本表紙が一巻ごとに再現されています。文庫の体裁でこれをやるのはすごい。第一話は掲載誌が『妖奇伝』。漫画タイトルは『幽霊一家』。絵柄がアメコミ調。主人公がなかなかダンディ。職業は銀行の調査員。ハードボイルドを意識していたと思われます。クロスハッチングを多用したペン画ならではの背景が泣けます。こういう技術は残していきたいですね。期せ...

水木しげる『墓場鬼太郎①』

 14, 2015   -

 11, 2015
燕尾服とタキシードは違うです。

しっぽのあるのが燕尾服で、しっぽを切り落として略式礼装にしたのがタキシードです。くり返しますが、燕「尾」服っていうくらいですから、しっぽのあるのが燕尾服です。英語で言うとスワロウ・テイル・コートです。振袖と訪問着くらいには違うです。ノーベル賞受賞者が着用しているのが燕尾服です。男性の第一礼装です。クラシックの演奏家もときどき着用してます。松永純也にはよく似合うだろうと思います。1920年代までは観客の...

燕尾服とタキシードは違うです。

 11, 2015   -

 10, 2015
芦沢父娘と松永純也。

芦沢父娘と一緒に見る気分で『鬼岩城』のDVDを借りながら、「松永は?」と思いついたのです。彼と理帆子の間は奇妙によそよそしい。小さい頃から仲が良いというふうではない。幼い理帆子に「松永のおじちゃんにドラえもんごっこしてもらったーー♪」という記憶がない。彼はウィーンへ留学していたとか、ボストンで振っていたとかいう時期があったはずで、忙しかったには違いないんですが、娘が日本国内で育っていることを考える...

芦沢父娘と松永純也。

 10, 2015   -

 09, 2015
1983年、芝山努『のび太の海底鬼岩城』

テキオー灯を確認したくてDVDを借りてきました。芦沢父娘と一緒に見る気分で。アナログ時代の平面的な絵が「自動紙芝居」というべき和やかさを醸しておりますが、展開はものすごく早いです。冒頭の海底探査船の緊張感は本格的です。芝山監督は1970年代から意識もせずにお世話になっていたわけですが、改めてすごくドライな監督さんなのかもしれません。夏休みの子ども達が海へ行くか山へ行くかと争った挙句に、ドラえもん(の秘...

1983年、芝山努『のび太の海底鬼岩城』

 09, 2015   -

 08, 2015
2005年、辻村深月『凍りのくじら』

氷の海から呼吸を求めて浮上と沈潜を繰り返す三頭の鯨。……という役者がそろうまでに280頁を要する大長編。これを手に取る読者は、主人公の「私、頭よすぎて友達いないんだーー」という述懐に苦笑できるでしょう。少しではなく、すごく書評しにくい作品で、だったらしなきゃいいのにと言われても、これは言いたい。読むべし読むべし読むべし。すでに発表から十年が経過していますが、この輝きはこのさき何十年経っても失われないで...

2005年、辻村深月『凍りのくじら』

 08, 2015   -

 07, 2015
紙の本には互換性の心配がない。

ぼちぼち始める大掃除。納戸から旧作書籍(またの名を積読)がいっぱい出てきました。まだ読めました。VHS版のビデオはもう見られないと思います。ベータ版は言うに及びません。ゲームも使えなくなったソフトがあります。再生デッキを保存しておけばいいわけですが、故障した際には修理がききません。紙の本は偉大だと思ったことです。またネットの調べものは、ウィキペさんの記事を転載してあるだけというサイトも多く、行き詰...

紙の本には互換性の心配がない。

 07, 2015   -

 04, 2015
悪役不在時代の自己責任アニメ。

『おそ松さん』面白かったです。コピーのコピーのコピーじゃダメだと言われりゃ逆手に取る若い制作者たちもいることです。絵柄がアーティスティックかつ、声優の使い方も含めて演出のセンスがひじょうに良く、まずは驚嘆の思いをもって楽しく拝見できます。が、たぶんオールドファンには不愉快だろうと思います。いかにも現代的に暴力的すぎて、赤塚不二夫の域を越えてしまっているだろうと思います。暴力が悪者退治のために使われ...

悪役不在時代の自己責任アニメ。

 04, 2015   -

 03, 2015
同性婚を認めても、伝統的な家族の価値観は壊れません。

ストレートカップルの隣に、同性婚カップルが並び立つだけです。ストレート社会は、女性が男性に嫁ぐことを続ければいいだけです。じつは、男性が婿に行くことも、ずっと昔から行われています。政済界には、入り婿が岳父の事業を継いだ例がいくつも存在します。いまや「主夫」となって家庭に入る男性も存在します。彼らは今なお人口の9割強を占めるストレート(異性愛者)であって、彼らが同性婚を横目に見て「うらやましいから俺...

同性婚を認めても、伝統的な家族の価値観は壊れません。

 03, 2015   -

 02, 2015
空気を読むのが悪いことなんじゃありません。

「昔は空気を読むなんて言わなかった。いまの若者は情けない」という講演会を聞いたのです。でも、その講演者に向かって観客席から「つまんねーーぞ!」とか言わないのも、空気を読むうちですね。江戸城の大広間で外様大名が「将軍とか、どうせ世襲だから無能じゃーーん!」とか言わないってのも空気読むうちです。講演者は「俺が大学をやめて独立するって言ったら、同郷の友人たちが『よし分かった』と言ってくれた」というのです...

空気を読むのが悪いことなんじゃありません。

 02, 2015   -

 01, 2015
水木しげる作品の思い出。

戦後の闇市の時代に、マッチを一本ずつ売る老婦人。まとっているのは薄い和服一枚だけ。客の買ったマッチを自分ですって、その灯りで自分の着物の中を見せるのが本当の商売なわけです。でも歳を取ってしまって、もう誰からも相手にされない。しまいに自分ですったマッチの火が着物の裾に燃え移る。炎に巻かれながら「あったかいよ、お父ちゃん」とつぶやく。「お父ちゃん」とは父親のことだったのか、夫のことだったのか。いま手元...

水木しげる作品の思い出。

 01, 2015   -