記事一覧

2016年1月8日、金曜ロードショー『ルパン三世 イタリアン・ゲーム』

2年ぶりの新作だそうです。その代わりに映画版があったとも云えますね。後味のよい良作でしたが、ややチープだったかと思います。Gペンの描線を再現したキャラクターデザインと、背景の「ロケハン」はお見事。全体をこってりとした油彩画のタッチでまとめたのが西欧らしくて良かったと思います。体格の違う人物による変装という、アニメの荒唐無稽さが十二分に活かされていたところが最大の評価ポイントかと思います。男性の顔が...

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2016年1月3日、フジテレビ新春ドラマスペシャル『坊ちゃん』

スマートなタヌキもいたものです。美男キャストでそろえた現代的坊ちゃん。「明治の女」も男より大きいし。マドンナが男装の麗人的な美形だったわけですが、男性視聴者の中には「もっとぽっちゃりした、おちょぼ口のほうがイメージだな」と思う方も多かったかもしれません。でもたぶん若い視聴者には受け入れられたことと思います。序盤の汽船CGには不安を覚えましたが、その後は美術・衣装とも頑張りました。せわしないカメラワ...

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2016年1月1日『相棒』スペシャル。

「その怒りには、一分の義がある」昔堅気な男が二人。対するに、法律に詳しいことを武器に「国際化する新生日本」という理想を強引に押し進める若手インテリ二人。まさに右も左もない混沌の世にあって、男たちの指針となり、若者たちの人生航路を明るく照らす導きの灯となろうとしたのは、処女にして聖母。本多の早世した娘さんでした。対するに、雛子ちゃんはすっかり悪役で、相変わらず芝居がくさかったですが、まァいいか今回で...

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1984年、佐伯彰一『外から見た近代日本』講談社学術文庫

昭和59年、第一刷。もとは日本経済新聞出版局から1980年に出た書籍らしいです。「ぼくが、本書で試みたのは、あまり方法論とかシステムなどにこだわらない、いわば気楽で大らかな楽しみとしての、比較あそびです。それにしては、伸びやかさが足りず、何だか気忙しい固苦しさがつきまとっているのは、こちらの不徳の致すところと恐れいるほかない。ゆったりと気ままに楽しむつもりなのに、つい肩をいからせたり、大言壮語に走ったり...

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1992年、水木しげる『のんのんばあとオレ』第二巻

「ガキ大将は強いばっかりじゃいけん 小さい子も面白く遊ばせる才覚がなくっちゃみんなはついてこん」いいこと云うね、田舎の小学生。講談社コミックス、1992年10月第一刷。妖怪に好かれた落第王の巻。1970年代に描かれた『総員玉砕せよ!』のほうは、話法に荒いところがあって、じつはやや読みにくいのですが、こちらはコマ運びが滑らかです。作者70歳。境港の落第王における異世界への興味は、逃避的な趣味として好事家が妖怪絵...

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1982年、佐伯彰一・高根正昭『非行文化の時代』紀尾井書房

「ローカルなもの、パーソナルなものを通して、人間性の支えとなる、新しい聖なるものの感覚が育ってゆくと信じたいんです。」昔々、ごくふつうの人々が東京五輪の成功とカラーテレビの流行に酔っていたころ、歴史学者たちはマルクス主義を崇めていました。……という時代があったらしくて、それに対して湯浅赳男や川勝平太が批判を加えたのが、やっと1984年くらい。これはそれに一歩先んじている。アメリカ留学・現地大学で講義した...

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1973年、水木しげる『総員玉砕せよ!』

点描と掛け網の圧力。対照的に白っぽい人物が、軍隊生活と戦闘の意義の虚しさを象徴するかのようで印象に残ります。講談社文庫、1995年6月第1刷、2015年12月14日第28刷。密林に注文したら少し待たされまして、12月19日に「追悼 水木しげる先生」の帯が掛けられて届きました。「一体我々はなにしにこんなところで戦うのでしょうか」「そいつあわしにも分らんなあ」(p.209)戦争そのものには国防という善悪を超えた意義があるのか...

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赤いスイートピーの彼氏は大丈夫か。

2015年NHK紅白歌合戦は、石川さゆりさんから拝見しました。発表当時から好きだった曲を熟練の歌唱で拝聴できて嬉しゅうございました。美輪明宏さんは圧倒的でしたね。輸入物ではない真のシャンソン。抑制の効いた歌唱の向こうから発表当時の街の熱気とざわめきが聞こえてくる楽曲でございます。森進一『おふくろさん』は、ベストパフォーマンスだったかと思います。まさに懐メロ紅白歌合戦となっておりましたが、対比を際立たせ...

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寒中お見舞い申し上げます。

暖冬から一転、厳しい寒さの続く日々となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。昨年は拙文にご高覧を賜りまして、まことにありがとうございました。センター試験の終わるまで創作物の話は控えようと思っていたのですが、その間にいろいろなことが起きてしまいました。思いがけないご不幸に遭われた皆さまに心よりお悔やみ申し上げます。著作権問題は、昨年11月に総理が変なことを云っていたので、終わってない気が致します。「二...

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験・就活を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

映画評は、アップロードする以上は「下げる」ようなことは言わないことにしております。あらすじもあまり申し上げませんので、楽しみに御覧になってください。記事冒頭の色つき文字は映画中の台詞・挿入歌の歌詞からの引用です。

なお、取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・分割・削除しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。