31, 2016
1978年6月、降旗康男『冬の華』東映京都

脚本:倉本聰、撮影:仲沢半次郎、音楽:クロード・チアリ、挿入曲(チャイコン1番):アシュケナージ&マゼール。「東映映画の見すぎなんだよ!」仁義なき1978年。横浜の風景と大物俳優たちへの愛惜と尊敬の念に満ちて、脚本と監督の呼吸が底深いところで一致しております。男同士の情念というのは、物語上の定型としてさんざん描かれ、拝見もして来たわけですけれども、ここへ来て空前絶後の大仕事を成し遂げた堅気たちがいたこ...

1978年6月、降旗康男『冬の華』東映京都

 31, 2016   -

 30, 2016
1971年、小沢茂弘『日本侠客伝 刃』

俺ァお前さんに殴られてみたくなった。脚本:笠原和夫、撮影:吉田貞次、音楽:津島利章刃と書いて、ドスと読みます。得物は拵えつきです。万丈の気を吐いて東映が放つ(予告篇より)、日本一のアホの純情物語。日本侠客伝第10弾。(と予告篇に表示されたのですが、11弾らしいです。)笠原脚本と津島メロディーの魅力が爆裂しております。辰巳柳太郎にひれ伏したい思いです。新国劇の面白さが偲ばれます。私事ながら大正生まれの祖...

1971年、小沢茂弘『日本侠客伝 刃』

 30, 2016   -

 27, 2016
1979年7月『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』

銀河系宇宙のはずれ、第30等級太陽系の小惑星、地球に所属する戦闘艦でございます。企画原案製作総指揮:西崎義展、総設定総監修:松本零士、音楽:宮川泰、脚本:山本英明、演出:田口勝彦、チーフディレクター:白土武、総作画監督:小泉謙三、監修:舛田利雄、総監督:西崎義展絵コンテ:安彦良和、助監督:棚橋一徳、テクニカルディレクター:石黒昇、作画監督:宇田川一彦、動画監督:清島孝一郎、メカ設定:中村光毅・板橋克...

1979年7月『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』

 27, 2016   -

 26, 2016
記者は自分の甘えの心を報道しないように気をつけましょう。(3題)

1.男児に女児用スクール水着を着せる必要はありません。夏が来れば思い出すわけでございまして、もう数年も前のことになりますが、男児の胸を他人に見られることをいやがる母親がいることを伝えたウェブ記事がありました。末尾に記者の感想として「だからといって男児に女児用スクール水着を着せるのはいかがなものか」と付け加えてありました。ご本人はジョークを云ったつもりです。でも、男児に女児用スクール水着を着せる必要は...

記者は自分の甘えの心を報道しないように気をつけましょう。(3題)

 26, 2016   -

 25, 2016
ゆるいつながりに依存するツイッター廃人。

自虐ジョークではなく、他人から「ツイッター廃人」と呼ばれた人は、本当に人間性に問題があります。ただちに自分の言動を見直しましょう。一般に、可愛いペット・きれいな風景写真、周囲を和ませるような明るいジョークを適度な回数でアップロードするアカウントに向かって「この廃人め」という人はありません。云われた人は、もともと自分のほうから他人に粘着していたのです。被害妄想に駆られて、すべてのリツイートに過剰反応...

ゆるいつながりに依存するツイッター廃人。

 25, 2016   -

 24, 2016
1980年代の話を強制するクレーマーさん。

1978年、アニメ映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』は、『野生の証明』についで年間ランキング第5位という破格の配給収入を挙げました。後者は角川春樹が佐藤純彌・高倉健という黄金コンビを起用、アメリカロケ敢行、桁違いの宣伝費を投じるという映画界の常識破りの戦略を取ったもので、逆にいうとそれが奏功しただけのことですから、制作期間わずか4ヶ月のアニメ映画が、他の邦画を抑えたことのほうが、むしろ驚くべき...

1980年代の話を強制するクレーマーさん。

 24, 2016   -

 24, 2016
ものの名前を疑ってみましょう。

たとえば「スパゲティ・ナポリタン」というものを頂きながら「なぜナポリタンって云うの? 誰が決めたの? いつから日本にあるの? 江戸時代にはなかったよね?」と考える人と……「そんなことどうでもいいの! 昔からそう決まってるの! みんなそう云ってるの! 文句いわずに食べればいいの! 私のいうことが聞けないの!?」と、なっちゃう人がいるですな。知らないなら知らないって云えばいいのに、「口答えされたわ! 私の...

ものの名前を疑ってみましょう。

 24, 2016   -

 24, 2016
二次創作BL同人の心得(3) ~本物に甘えない。

【創作物が生む偏見】ここで最初にBLの話題を出したのは、竹宮恵子『風と木の詩』が「少年愛は切ない」という言葉で紹介されているのを読んだのがきっかけです。ゲイ差別との混同を避けたいと思いました。「男同士って禁断の愛だから切ないですよね。なのに、いつからホモになったんですか? 美しい少年に出会ってしまったからですか?」という人がいると、困るのです。ゲイコミュニティは「男子校でいたずらされたからホモにな...

二次創作BL同人の心得(3) ~本物に甘えない。

 24, 2016   -

 24, 2016
二次創作BL同人の心得(2) ~本物に甘えない。

ところで、なぜ1980年代の中学生は、プロとパロを混同したのでしょうか? 「こういうの」とは、どういうのでしょうか?コミックマーケットは、アニメ関連同人の増大に耐えかねて、1980年代初頭に分裂を経験しており、これ以降は事実上「アニパロ・マーケット」となりました。この時期にお買い物したという自称ライターが、2006年に「同人誌とはアニパロです!」と書いた自称解説書を発行しちゃった通りです。つまり、1970年代以来...

二次創作BL同人の心得(2) ~本物に甘えない。

 24, 2016   -

 24, 2016
二次創作BL同人の心得。

「二十四年組に責任転嫁しない」「実在ゲイに甘えない」「一般読者よりえらいと思わない」以上3点。これをわきまえずに新宿二丁目へ押しかけて、吊橋理論とか云って騒いでる人は、同人やっていたうちに入りません。昔の同人誌即売会は、本当に同人会の集まりでしたから、サークルの先輩から後輩へ「絶対に本物を怒らせるな」という上意下達があったものです。が、1980年代後半から、手前勝手に個人参加するタイプが増えちゃったの...

二次創作BL同人の心得。

 24, 2016   -

 24, 2016
フェミからゲイへ、奇妙な逆クレーム。

1994年、ゲイコミュニティは「若い女性がゲイバーまで来て、我々に向かって無礼な質問を乱発するので困る」というクレーム文書を発しました。その際に、彼らはそのような女性を総称して「やおい」という呼称を用いました。そのクレーム文書を受け取ったのが「フェミニズム」を研究する女性たちだったんだそうで、彼女たちは「『やおい』は私たちのものです。男が読んではいけません!」と返答しました。会話がおかしいですよね?ゲ...

フェミからゲイへ、奇妙な逆クレーム。

 24, 2016   -

 23, 2016
1979年『宇宙戦艦ヤマト2』(DVD第5巻)

アニメーションディレクター:石黒昇、総作画監督:小泉謙三第25話「ヤマト 都市帝国攻略作戦」脚本:館俊介、絵コンテ・作画監督:白土武、美術監督:勝又激、撮影監督:細野正、編集:鶴渕映画、演出助手:安濃高志、助監督:棚橋一徳第26話「ヤマトよ永遠(とわ)に」脚本:館俊介、絵コンテ:安彦良和どんなことがあっても、生き延びような。【第25話】ラストの違いを確かめる企画。斉藤さんが好きです。ご冥福をお祈りいたし...

1979年『宇宙戦艦ヤマト2』(DVD第5巻)

 23, 2016   -

 20, 2016
1978年、舛田利雄『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』

沖田の、子どもたちが行く。西暦2201年。無限に広がる大宇宙。企画・原案・製作総指揮:西崎義展、監督・総設定:松本零士、脚本:舛田利雄・藤川桂介・山本英明。あらためまして。「英雄の丘」に歌詞があるといいと思います。この時点では、権利者は西崎だったんですが、表記がややこしいことになってるわけで、もうオープニングクレジットの段階で「監督は誰だよ!?」って思っちゃうわけですけれども、松本はほとんど現場へ来なか...

1978年、舛田利雄『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』

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 19, 2016
手塚治虫・岩本仁志『MW』再考。

戦後の日本人と「神」と道徳で、思い出しました。あの話は、「ホモセクシュアルのキリスト教徒が戒律か人間愛かで徹底的に悩む宗教物語」か、「無宗教的な普通の日本人が友人の犯罪を制止できないと悩む道徳物語」のどっちかにハッキリ決めるべきだったのです。本当いうと、現代の男性観客に訴求するために最も良いのは、妹の犯罪にすることです。手塚の原作の時点で、少女のテロリストというタブーに挑戦すれば良かったのです。賀...

手塚治虫・岩本仁志『MW』再考。

 19, 2016   -

 18, 2016
ゲイは女の甘えを見抜きます。

まず、一般論として、ストレート男性は「女性にモテたい」という気持ちがあるので、最初の内だけでも女の話が分かるふりをしてくれます。涙にもだまされてくれます。でも、ゲイは女の可愛い子ブリッコに付き合っても、なんのメリットもないので、女の本質を白い目で見抜いています。一例が美輪明宏の人生相談です。「姑がうるさくて困る」という相談に対して、「姑の先手を取って完璧な嫁になりなさい」とアドバイスするのが美輪さ...

ゲイは女の甘えを見抜きます。

 18, 2016   -

 17, 2016
1951年、溝口健二『武蔵野夫人』

原作:大岡昇平(講談社版)、潤色:福田恆存、脚色:依田義賢、撮影:玉井正夫、音楽:早坂文雄戦後の世の中は、すっかり変わりましたわ。なんだか熱病に取りつかれているようで、道徳も何もないみたい。耽美派の巨匠、溝口健二。1945年、夏。東京の空襲を望見する武蔵野で、ほぼ江戸時代と同じ暮らしを続ける人々。……を見せておいて、じつは戦後に女性が自由になったからこその悩みを悩む男女のお話。親戚・姻戚の中で唯一の「美...

1951年、溝口健二『武蔵野夫人』

 17, 2016   -

 16, 2016
日本のサブカル、B層の子どもたち。

「戦後民主主義の子どもたち」で久しぶりに思い出したんですが、「日本のサブカルは田舎くさい」というのは、誰かが云ったのがタイムラインに乗って流れて来たもので、リツイートがなされたってことは賛同者が大勢いたってことです。ある程度多くの人が、そのように感じている。では、それには根拠があるのか?前にも申しましたが、これは「日本の」というからには比較対照が海外です。なかんずく欧米。あちらの若者文化はカッコい...

日本のサブカル、B層の子どもたち。

 16, 2016   -

 16, 2016
創作者は、あまり国粋主義的な気分になるものではないです。

表現の自由といいますが、土門拳や土方巽も表現者です。彼らの作品(パフォーマンス)は、いかに前衛的で過激で人間存在の最奥をえぐるようであっても、実際の被写体や自分自身の肉体に基づいているので、一定の良識の線を踏み越えないのです。つまり実際に人間をサツガイして、それを撮るとか、ショーにするということではない。いっぽう、創作というのは想像の産物ですから、最大限の自由が保障されていないと、うまく行かないの...

創作者は、あまり国粋主義的な気分になるものではないです。

 16, 2016   -

 16, 2016
1976年2月11日、佐藤純彌『君よ憤怒の河を渉れ』

製作:永田雅一、製作協力:徳間康快、原作:西村寿行、脚本:田坂啓・佐藤純彌ね。検事さんが法律破るって、どんな気持ち?皇紀二千六百三十五年。無限に広がる大都会。ビッグネームがそろい踏み。カネならあるぞ、銀行に。(※徳間康快のリアル名言)大映プロデュース、松竹配給、ビデオは角川。いろいろそろってます。公開日は紀元節に当ててみました。総制作費五億円を有効活用した、たいへん楽しい二時間三十分。西村寿行らし...

1976年2月11日、佐藤純彌『君よ憤怒の河を渉れ』

 16, 2016   -

 13, 2016
1967年、小沢茂弘『博奕打ち』

脚本:小沢茂弘・村尾昭・高田宏治、撮影:鈴木重平、照明:増田悦章、美術:鈴木孝俊、音楽:津島利章、編集:堀池幸三これがヤクザの、生きる道。名作でした。男が気障でいられた時代の大博奕。男性映画決定版(予告篇より) 1967年!?脚本に村尾昭が入ってるので皮肉な味わいを期待して鑑賞することしばし。鶴田はまごうかたなく美しいけれども出番が少なくて、山城新吾が大活躍。カメラも彼の芝居っけを生かした「ワンシーンワ...

1967年、小沢茂弘『博奕打ち』

 13, 2016   -

 12, 2016
1964年8月、マキノ雅弘『日本侠客伝』

本当の男の喧嘩は一生に一度、あるかねェかだ。「初心忘るべからず」という言葉もあることですし、戻ってみました。東映京都が総力あげてファンに贈る超娯楽大作(予告篇より)。といいつつ、脚本・監督とも名匠すぎて、庶民泣かせの痛快チャンバラ娯楽大作ではなく、世界レベルに達した芸術的極道リアリズムの格調を得ております。コッポラなんするものぞと叩きつけてやってもいいくらいですが、むしろ「どうしよう」と頭かかえた...

1964年8月、マキノ雅弘『日本侠客伝』

 12, 2016   -

 11, 2016
1932年、グールディング『グランド・ホテル』MGM

Grand Hotel. People come, people go. Nothing ever happens.唐突な路線変更は意識高い海外作品を確認しようと思ったからではなく、レンタル落ちで安く売ってたからです。おかげ様で100円レンタルで映画見て幸せですとも。アカデミー作品賞受賞作。すっごい面白いです。ホテルという巨大な密室で観察される人間模様を描いた「ホテルもの」ってあると思うんですけれども、『地中海殺人事件』などのミステリーもその一種。その嚆矢...

1932年、グールディング『グランド・ホテル』MGM

 11, 2016   -

 10, 2016
東大生が官僚になるのは当たり前です。

映画に高級官僚が出ていたので思ったこと。あなたは、気が優しくて力持ちで、立派な一家の大黒柱だけれども、学問のない者に国政の手伝いをまかせて、数字を間違えたり、外国語が読めなくて大事な連絡を放置したり、国際会議で参加者が真っ青になるような無礼なスピーチ原稿を用意したり、という不祥事続きにしたいですか?最高の学問を得た者に官僚をやらせるのは当たり前です。そのために先行投資しているのです。全国から集めた...

東大生が官僚になるのは当たり前です。

 10, 2016   -

 10, 2016
1951年、木下恵介『善魔』松竹

原作:岸田国士(雲井書店刊)、脚色:野田高梧・木下恵介、音楽:木下忠司「三國連太郎は立派です」「そう、恐ろしいように立派だわ」淡島千景の存在感がすごかったです。森雅之が、わずか2年前の『破れ太鼓』では気弱な長男坊でしたが、ここではふてくされた顔も美しい虚無的ダンディになっておりました。このとき実年齢でちょうど40歳。黒澤『羅生門』も、この人の「冷たい眼」がないと成り立たないですね。といいつつ、もとも...

1951年、木下恵介『善魔』松竹

 10, 2016   -

 09, 2016
1964年、篠田正浩『乾いた花』松竹

製作:白井昌夫・若槻繁、原作:石原慎太郎、脚本:馬場当・篠田正浩、撮影:小林正雄、美術:戸田重昌、音楽:武満徹・高橋悠治、照明:青松明もう朝なんか来なくてもいいわ。わたし、こんな悪い夜が好きよ。まずは「池部さんを味わう会」のつもりで、それはもう堪能し尽くせるんですけれども、加賀まりこがッ! あんまり可愛くて慌てました。ロンググローブが似合って「お願いできて?」って喋るお嬢様、兼、ベビーフェイスの不...

1964年、篠田正浩『乾いた花』松竹

 09, 2016   -

 06, 2016
1968年1月、山下耕作『博奕打ち 総長賭博』東映

兄弟。俺の意地立てさせてくれ。チャンバラ劇じゃないのです。三島由紀夫を痺れさせた極道リアリズム。鶴田浩二の個性なしに撮れない。三島がほめたなら佐伯彰一も見ただろうな、などと思いつつ。タイトルが不謹慎で、どーーしよーーもないですけれども、そこからは想像もつかない、もの静かなヤクザ者の日常風景です。日常なのです。一般市民から見るとマジでヤバくても、意味不明なことばっかやってても、それがヤクザの日常風景...

1968年1月、山下耕作『博奕打ち 総長賭博』東映

 06, 2016   -