記事一覧

糟取雑誌とは。

【糟取】1:「かすとりしょうちゅう(糟取焼酎)」の略。2:米または芋から急造した下等の密造酒。第二次世界大戦直後、盛行した。【糟取焼酎】 酒糟を蒸溜してつくった優良な焼酎。《季・夏》【糟取雑誌】 下劣、扇情的な内容の記事を主とする雑誌。「かすとり(糟取)2」が下等であること、また、三合で酔いつぶれるのと、三号でつぶれる(廃刊)ことにいいかけたことによる。だそうです。「糟取」の第一義と第二義の意味合...

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ゲイは女性から「弱者の連帯」と言われると、イラっとすると思えばいいです。

今まさに自分自身がゲイの世界に割り込んで、彼ら同士の交流の邪魔をしておきながら、「ゲイはいいなぁ」と言ってしまう。女性には時々ある勘違いです。女性は本能的に自分を弱く見せることによって、サービスを受けようとするのです。男性に守ってもらえる。優先してもらえる。「これやるよ。食いなよ」ってね。そういうストレート社会の駆け引きをゲイの世界へ持ち込んで、「ゲイはいいなぁ」と言えば、一杯おごってよという意味...

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LGBTは、親のせいだと思われると困るのです。

「BLファンというのは、女性キャラクターに感情移入できないから、男性キャラクターに感情移入している」という定義があります。明らかに短絡ですね。いったい何人からアンケート結果を回収した上で言ってるんだ? って話です。社会科学も科学です。科学者が数字(証拠)に基づかずに当てずっぽうで議論していたなら、そのこと自体が問題なはずです。1994年以降なら、すでにゲイコミュニティから「女性が書いたものに男同士は異...

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親が同人やらせるからいい、というわけではないです。

現代では、親が都心部にアパートを借りてやって、子どもに二次創作同人活動させている例もある、という声もあります。それを聞いた一般の皆様が「じゃあいいよ」と言ってくださるとはかぎりません。世の中には、子どもに見張りさせておいて、親が泥棒するということもあります。それを聞いた一般社会が「じゃあいいよ」と言ってくれるわけではありません。「そういう連中は親子そろって逮捕しろ」と言われた時には、やっぱり「でも...

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むしろ、パロディに失礼です。~二次創作の自治を守るために必要なこと

学童期を脱した男性の鑑賞に耐えることを想定して制作されたSFアニメの好調と、同じ年齢層の女性を狙った美少年漫画の流行が同時に起きたので、混ぜてはいかんものを混ぜちゃったという同人がいたのです。どっかに。それ自体は同人にとって自然なことで、むしろ「同人プライド」と言えるのです。もともと漫画は「ポンチ絵」と呼ばれていた時代から、政治家をパロディにしていたものですね。だから漫画同人が、なんでも世上で流行...

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海外と連帯できると思った日本フェミニストの誤算。

異性装や同性愛が厳しい宗教的タブーとなっている国・地域において、あえて女流がそれを主題として創作することは、男性に対するラディカルな挑戦を意味するのです。とくにキリスト教の神は、「父と子と」というくらいで、女神として示される神格ではありません。その戒律に挑戦するということは、女性は神をも疑う・教会の権威を否定する・市民社会を否定するという、激烈なレジスタンスを意味するのです。けれども、女装の男性を...

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BL界のアバンゲール、アプレゲール。

1970年代には、今でいう二次創作BL同人は、当時流行していたテレビオリジナルアニメに対する著作権問題を理解しており、アニメ自体の熱心なファンによる自主検閲を回避するとともに、二十四年組とは直接の関係がないことを示すために、自分たちだけ自虐しました。並行して、早くも一部がゲイコミュニティとの軋轢を経験したようですが、これに対しても同人のほうが「絶対に本物を怒らせるな」という訓戒を共有することで対応しま...

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当方の同人・BL論を、ひとことで言ってみる企画。

当方の同人・BL論の基調は「言葉に気をつけましょう」です。一般の皆様を本気で怒らせないためです。一般の皆様とは、ゲイコミュニティを含めて、同人・BLファンに共感的でない人々。すなわち国民(および海外)の大多数。その一部はインターネット利用者であり、SNSという公共の場を共有する人々です。彼(女)らに対して、日本の同人・BLファン特有のブラックジョークも、甘えの構造も、通用しません。もし、日本の同人...

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認識の浅いクレームを受けると、疲れる。

日本の女性は自分で出版社を立ち上げていませんって言ったら「BLはジェンダー論っていうよりただのビジネスなのよ」って言って来た人があった時、当方は、なんかもう、ぐったり疲れたのです。ただのビジネスだからジェンダー論ではないってことはないのです。女性がその「ただのビジネス」に参加できるのはなぜかをジェンダー論で読み解くこともできるし、ほかの学問の理論を適用して研究することもできるのです。ジェンダー論に...

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BLは、ジェンダー論でもいいのです。~日本の特殊性

女性が男性の最もいやがる主題で原稿を仕上げて、それを男性出版人に見せたとき、その場で通報されたり、殴られたりしないというだけでも、すごいことなのです。海外には、作品そのものは世界的にヒットして、映画化もされたけれども、身の危険を感じて亡命したという女流作家がいるのです。けれども日本では栗本薫も竹宮恵子も亡命していない。萩尾望都が美少年趣味をモチーフ(の一つ)にした作品を上梓しているからといって、紫...

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BLは、ただのビジネスだから自重しましょうって話です。

そもそも「ゲイコミュニティから苦情があった」という話がなければ、「同人の中からはそういう人を出さない約束です」というお話をする必要もないです。二次創作の権利について勘違いしているアカウントがなければ「著作権侵害はフェミニズムでは弁護できないです」というお話をする必要もないです。ありていに申しましょう。不心得者がいるから叱っているのです。えらそうに「同人はフェミとは別よ」という人は「だから自分で責任...

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他人の話に横からチョコチョコ口出しするのは。

他人の話に横からチョコチョコ口出しするのは、兄弟姉妹関係の下の子の特徴です。生まれた時から周囲で年上の人々が会話していたので、そこへ絡んでいこうとする癖がついているのです。誰も話を振ってないのに自分から「でも私は大丈夫~~」などといって割り込んで来るのが典型です。大丈夫なら黙ってりゃいいのですが「そうだね~~。よしよし」と言ってもらいたいのです。おとなになると、周囲はもともとあなたのことを「うちの...

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同人はフェミとは別だから、自分で責任持ちましょうって話です。

心構えを説く記事なので「いますぐ責任とってどうこうしろ」という話ではないですから、まず落ち着いてください。おまけ付きなので、ゆっくり御覧ください。さて。二次創作BLは、二つの問題を抱えています。二次創作の部分と、BLの部分。つまり、著作権と、同性愛差別です。どちらについても、作者・読者を弁護することは可能です。ただし論拠が違うのです。確か黒澤映画『醜聞』に「誰であっても弁護する」という法律家が登場...

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被害者意識を優先する自分自身を見切りましょう。

1960年代には、まだ芸妓を描いた映画も多いですし、ギャング映画ではストリップティーズが映し出されておりますね。とすれば、当時の男性が「女性は性的娯楽産業で充分にかせぐことができるから、なにも男とおなじ現場に入って苦労することはない」ということもあったでしょう。毎日きれいに化粧して、いい着物を着て、お酒を飲みながら野球拳か何かしてるだけで、パトロンをつかまえて店を持たせてもらったり、一生遊んで暮らした...

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同人とLGBTの人権運動を混同してはいけません。

まず、経緯を説明する必要があるんですが「1990年代には多くの同人・BLファンが成人していたはずだ」って申したんですよ。ちょうどその年代にゲイコミュニティから「やおい」には困るという苦情を訴えた文書が何通か発送されたという話があるからです。いっぽう、その当時の社会学者などは「やおい少女」というものばかり話題にしていたのです。当方は、それに違和感を覚えるものです。そもそも「やおい」というのは、本来は今で...

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女性が戦争を話題にする時は。

映画や小説などの創作物の話題であれば、軍艦行進曲の響きに乗って、愛国心の雰囲気に浸る権利があると申せましょう。たとえ百円でも対価を支払ってソフトを手に入れたわけですしね。(※きちんと対価を支払いましょう)けれども、根本のところでは、実際に夫をなくした妻、息子をなくした母、兄弟をなくした姉妹の悲しみに同調するという、女心を忘れるべきではないだろうと思います。戦没者の戦友たちは「立派に戦って、万歳とい...

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文芸派と漫画派では、BL認識がちがうのです。

古来より、男性の作家・詩人がナルシシズム的高揚感をもって少年美を表現した文芸作品はいくつかあって、その鑑賞から何が生まれるかは、読者によりますけれども……一つあり得るのは「モデルがいたのかしら?」という疑問。そこから、詩人がモデルを見出した瞬間の物語。詩人を主人公に「その年の夏、私は知人の招きによって高原の別荘地に出かけ……」なんて具合に始まるわけです。そして朝靄のなかで若木の精のような美少年に出会っ...

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ベルサイユのばらとガラスの仮面の陰で、少女漫画家は悩んでいる。

1970年代から1980年代の少女向け漫画を思い起こすに(単純に懐かしがってるんですが)、女流漫画家たちが青年の姿を描くことを楽しんでいたように思います。ヒロインは読者に合わせて16歳くらいに設定されているわけですが、当然ながら世間がせまく、ちいさなことで悩んでいる。彼女の相手役として高校の上級生または大学生の青年が設定されており、彼には同世代の同性の友人がいて、ヒロインのいないところで彼ら同士が会話する姿...

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本来の女性向け女流創作物と、BLの皮肉の本質。

有吉佐和子『香華』に見られるように、男性の行動として「15歳の半玉を水揚げする(権利をカネで買う)」ということがあるなら、単純に逆転させれば「父親または夫の遺産をうなるほど持っている中年女性が16歳の若衆を身請けする」というのが正しいですね。それが本当に歳をとって、要介護ということになったとき、かつての美少年が40歳の介護者となってくれるのか、それとも「あんたのせいで俺の人生は台無しだ」といって出て行っ...

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少女は差別されやすいという社会学者自身が、少女差別を助長している。

そもそもBLとは「男って美少年を見ると我慢できなくなっちゃうんでしょ?」という女性自身の男性理解を表現しているわけです。それを「男性をいやがらせてやるために、わざと書いている」と言えば、おとなのフェミニストによる復讐となります。「ステレオタイプを利用して自分自身の美少年に対する性的関心を表現している」または「実利だけを狙っている」と(バカ正直に)言えば、同人寄りとなります。一見すると違う理論のよう...

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欧米流フェミニズム批評は、日本へ輸入すると「甘えの構造」にすり替わる。

日本の観客というのは、男優が女役を演じることを「男性中心社会に対するブラックジョークだ」と思って、せせら笑いながら眺めてきたわけではないのです。男性が、たゆまぬ鍛錬によって、本来の自分を抑えて、上手に女性の真似ができるようになった。それを素晴らしいことだと思って、拍手と掛け声(と、おひねり)を送って来たのです。そういう国で特殊な創作物が流行する現象に、キリスト教的欧米流フェミニズム理論を当てはめる...

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映画監督たちが「その道」に言及したのは。

映画監督たちが、軍隊における「その道」の存在に言及したのは、戦争を諷刺し、軍隊の非人間性を批判するためですね。なにも「ストレート社会から同性愛者を発見し、排斥しろ」というプロパガンダのつもりではないですね?事実として、映画・芸能の世界では、昔から「その道の人もいる」という認識が共有されて来ました。監督たちは「ここらでそういう連中を一掃しよう」と呼びかけているのではなく、あくまで戦争批判の一環です。...

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じつは東映任侠映画は、女性に優しい。

男女の濡れ場が描かれないのです。鶴田浩二のファンに年齢の高い女性がいた(だろう)ことと、高倉健を潔癖な少年性のうちに留めておきたいという男性ファンの心情が反映されていたかと思います。藤純子がプロデューサーの娘なので、あまり無理させなかったという事情もあったかとは思われますが、ほかの女優を使って撮ることもできたはずなので、全体として「そっちには流れない」という製作陣の意思統一があったのでしょう。物語...

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親子関係の不満を、そのまま描けばいいのです。

もし若い女性が「男は理想のままに生きて名声を遺し、女は家族の世話に明け暮れる」という社会に不満があるなら、その気持ちをそのまま描けばいいのです。自分と同世代の少女(または若い成人)を主人公に、母親とこういうシチュエーションで喧嘩して悔しかったとか、男からこういうことを言われたが私たち女の子に対して失礼よとか、そういう気持ちをそのまま台詞にすればいいのです。「お母さんは古い!」とか「男なんて!」とか...

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1983年9月、木下恵介『この子を残して』松竹・ホリ企画

汝の剣を、鞘に収めよ。製作:笹井英男・東條あきら・金沢博・斉藤守恒 原作:永井隆(中央出版社刊) 脚本:山田太一・木下恵介 撮影:岡崎宏三 美術:芳野尹孝 音楽:木下忠司 録音:島田満 編集:杉原よ志 照明:佐久間丈彦 特撮:成田亨 日本の自然。日本の雀。日本の母。母の母。日本の子ども。日本の父。浦上の鐘。この子を残して、世を去る前に、語り継がねばならぬことがある。キリスト教が息づく長崎。聖母子に...

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1983年6月、舛田利雄『日本海大海戦 海ゆかば』東映東京

大日本帝国海軍、万歳。脚本:笠原和夫 撮影:飯村雅彦 特技監督:中野昭慶 美術:北川弘 録音:宗方弘好 照明:小林芳雄 助監督:蔦林淳望 編集:西東清明 音響効果:原尚 音楽:伊部晴美 トランペット独奏:羽鳥幸次1983年の時点で東映が三船敏郎を使って対馬沖海戦を撮る意味について小一時間……『二百三高地』の続篇ですが、さすが東映(と笠原さんと舛田さん)は男心をよく知っておりました。中野を迎えた特技・飯村...

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1981年1月、蔵原惟繕・深作欣二『青春の門』東映京都

バカも利口も命は一つたい。原作:五木寛之(講談社刊「青春の門」筑豊篇より) 脚本:野上龍雄 撮影:仲沢半次郎・中島徹 照明:増田悦章・海地栄 美術:井川徳道・内田欣也・小林勝美 音楽:山崎ハコ 編曲:石田勝範 お久しぶりの東映映画。親父は戦前のヒーローだった。戦後のぼくらはとっても小さい。でも、心意気だけは受け継いだ。美しい義母。やや野暮ったいながらも愛らしい幼馴染。都会的な女教師。男のロマンここ...

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1970年4月、篠田正浩『無頼漢』東宝・にんじんくらぶ

俺を斬ったら江戸がつまらなくなる。製作:藤本眞澄・若槻安重 原作:河竹黙阿弥 脚本:寺山修司 撮影:岡崎宏三 美術:戸田重昌 録音:西崎英雄 音楽:佐藤勝 編集:杉原よ志 照明:榊原康介 調度:高津年晴 衣装:上野芳生 風俗構成:林美一さぁさぁお代は見てのお帰り。歌舞伎とジャズが好きなお客さまは寄ってらっしゃい見てらっしゃい。一揆と百鬼夜行。選ぶならどっち!?市川版雪之丞を観ていたら、どうも篠田さん...

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1959年11月、小津安二郎『浮草』大映東京

製作:永田雅一 脚本:野田高梧・小津安二郎 撮影:宮川一夫 美術:下河原友雄 音楽:斎藤高順 録音:須田武雄 照明:伊藤幸夫 色彩技術:田中省三 昭和三十四年度芸術祭参加作品。成駒屋が的確に演じる売れない旅芸人。映画は大映。大映なんですよ。道理で松竹ソフトと一緒に並んでないわけです。オンラインで観られる時代でよかったです。100円じゃなかったけど。で、大映カラーで宮川カメラでお送りする小津ロマン。潮...

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日本の権力闘争は入れ子構造。

近代の日本は、鎖国をやめて以来、欧米列強の真似をして正々堂々と戦って勝ったのに、あとから賞品を取り上げられたというような経験を何回かしたもんですから「既得権益をふりかざす権力者に対しては断固として抵抗するぞ。最後は武力だぞ」という反骨精神を保ち続けてきたのです。けれども「原爆にはかないません」ということになったので、戦後は国内の権力者に対して国内の若者が騒ぐということを繰り返したのです。現代では「...

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。