記事一覧

1973年1月、深作欣二『仁義なき戦い』東映京都

しびれるのう!企画:俊藤浩滋・日下部五朗 原作:飯干晃一 脚本:笠原和夫 撮影:吉田貞次 照明:中山治雄 録音:溝口正義 美術:鈴木孝俊 音楽:津島利章 編集:宮本信太郎 助監督:清水彰 擬斗:上野隆三実録やくざシリーズ第一弾。日本映画数ある中で、最も有名かもしれない津島フレーズに乗って、笠原節が冴え渡ります。そういえば広島の話だったな……(どうなんだこのタイトルバック)と思いつつ。深作先生、画面が...

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1952年8月6日、新藤兼人『原爆の子』近代映画協会・劇団民藝

八月六日になると、ぼくは、おとうさんとおかあさんのお墓に行く。製作:吉村公三郎 撮影:伊藤武夫 音楽:伊福部昭 美術:丸茂孝 照明:田畑正一 録音:長岡憲治国敗れて山河あり、若き乙羽信子と辿る1952年現在の草木深き広島。『第五福竜丸』と同じ静謐なタッチで、女性映画の仕立てになっているので、まず穏やかに観ることができます。やや前衛的な画もあります。技術的にぎこちないところがあって不思議ですが、アマチュ...

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二次創作同人のほうから言えること。

同人として有名な人であればあるほど、上手い人であればあるほど、その道ひと筋ということですから、漫画が描けるという以外にたいした技能がないというのは確かです。とはいっても、他の業界でも企業が倒産すれば専門職が失業して、単純作業で口を糊することになるのですから、二次創作しか描けない同人だけが特別に配慮してもらえる理由になるのかどうか。すでに著作権法がある以上、他人のキャラクターを自分の商品として売ると...

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母親の言いつけをよく守って、二次創作BL同人になったタイプ。

学生時代に、母親によって学生運動と新興宗教に参加することを禁じられていたという女性があるのです。それは当然のことだと思うんですけれども、一般的学生サークルにも参加を禁じられていたそうなのです。母親が娘の男女交際の行き過ぎを心配しすぎたらしいです。でも、同人誌即売会には参加していたらしいのです。どうも「二次創作BL同人誌の即売会なら男性が参加しないので、自分も行くことができた。そこしか行くところがな...

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30年前の同人が持ち逃げしたから、なんですか?

もと同人による被害報告シリーズ。(名づけてみた)当方は「今回の取り締まりは非営利ファンアートを対象にしたものではありませんから、コスプレもやばいなどといって炎上する必要はありませんよ」というお話をいたしました。すると「私が同人やっていた頃は、売上金を持ち逃げした同人がいたんだよ! 脱税で逮捕された同人もいたんだよ!」と、メンションして来た中年女性アカウントがありました。はい!?そ、それを言えば、政府...

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30年前の同人誌を自慢されても、現代人の参考にならない。

話の順序というものがございますので、もう一度。現代の若い人々が、インターネット上で「1980年代ふうにはついて行けない」とか「BLにエロは要らない」とか「原作重視の二次創作なら読んでみたい」と言っていました。だから当方は、原作重視の二次創作もあったし、性的な意味ではない二次創作BLもあったし、少女漫画と一緒に連載されていた時代のプロ作品も面白いですよというお話を致しました。すべて、新作につなげて頂くた...

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精神分析は無用だが母親のトラウマはあるって、なんですか?

それは平和の鳩が飛んでるSNS。ときどき仁義なき「BLvs.ゲイ抗争」が起きるところ。「同人はフェミとは別。精神分析は無用。決めつけられたくない」とメンションして来た中年女性アカウントがありました。「同人さんが迷惑すると思いますよ」という形ではなく、決めつけられたくないという被害者意識を表明している以上、本人に「我こそは同人」という自覚があるわけです。【予想外】当方では「母親と葛藤した少女だけが排他...

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BLは女性キャラクターの代替品では説明がつかないので、まず落ち着きましょう。

女性キャラクターに感情移入できないからといって、男性キャラクターに感情移入できるとはかぎりません。すでに多くの言説や画像によって明らかなように、BL最大の特徴は(ゲイ漫画に較べて)登場人物がひじょうに女性的に描写されていることですね。それを見た女性が「いまどきの小娘には感情移入できないけど、男じゃなおさら感情移入できないわ」または「小娘よりも女らしい男なんてきもち悪いわ」と思えば、どちらも読まない...

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BLの醍醐味は、男の口から女性心理が表現されること。

そこがおかしいんじゃなくて、そこが醍醐味なのです。あとは、見切った上で利用するかどうかです。女性の人権意識・社会進出が伸張すれば、女性が男性に合わせて彼のクルマや野球の自慢を我慢して聞くのではなく、逆に自分のほうから「ネイルアートの楽しさを分かってほしい」とか「スカートを買うことに付き合ってほしい」なんて言い出すものです。男性中心主義から女性中心主義へのシフトですね。価値観が近い相手・ものの考え方...

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「日本の時代劇は女性が活躍しないから、つまらない」

韓流ファンの中高年女性の発言です。周囲の女性陣は深くうなずいていました。当方は、時代劇というのは「日本の男はカッコいいなぁ」と思って観るもんだと思っていたもんですから、かなりビックリしました。そ、そうか。その発想はなかった……韓流宮廷劇の魅力は華やかなお衣装と背景美術と、ヒロインの活躍。テレビ放映されたものですし、女性を不快にする表現(端的には女性が性的暴力を受ける場面)も少ないのだろうと思われます...

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伍代由介と、順子お嬢さま。

山本薩夫監督映画『戦争と人間 完結篇』(1973年8月、日活)による記事ですから、映画未見の方は適宜回避なさってください。銀髪まぶしい滝沢修演じる由介は伍代家の当主。洋館に住んで、和服を着て、戦争を利用するという、後々のアニメにも多大な影響を与えたと思われる典型的悪徳実業家キャラクターですが、一つだけ美点があったのです。末娘の独立を許したこと。彼女は自分勝手に配偶者を決め、人生を決めてしまったのですが...

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1972年3月、マキノ雅弘『関東緋桜一家』東映京都

姐さん。日本一!脚本:笠原和夫 撮影:わし尾元也 照明:増田悦章 録音:渡部芳丈 美術:富田治郎 音楽:木下忠司 編集:宮本信太郎 助監督:清水彰 擬斗:上野隆三 舞踊振付:藤間勘三郎 藤純子引退記念映画。江戸情緒残る明治末期を背景に、男たちの血で染めて、女の花道。オープニングクレジットに目を見張る、空前絶後の豪華キャスト、ベストスタッフ。本篇明けると安心のマキノ構図。撮るのも早いが編集も早かった...

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1973年12月、佐藤純弥『ゴルゴ13』東映東京

これは俺の仕事だ。原作:さいとう・たかを、さいとうプロダクション 脚本:さいとう・たかを、K.元美津 撮影:飯村雅彦 録音:広上益弘 照明:梅谷茂 美術:藤田博 音楽:木下忠司 擬斗:日尾孝司 日本語版協力:テアトル・エコーイスファハンに陽は落ちて、男は黙ってアーマライトM16。健さんお久しぶりです。アジア一、単独行が似合うかもしれない男。『新幹線大爆破』よりも前であることが嬉しい。まさかのオール...

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清盛は「武士の世」って言わなきゃよかったと思う。

乳母という習慣があった時代には、父母が実の子よりも他家から預かった子を優先するからといって、実の子がグレる理由がありません。また預かられた子のほうが「毎日顔を会わせている人々が肉親ではなかった」といって衝撃を受ける理由もありません。げんに清盛自身が乳父子とは仲が良く、もともとよそんちの子か肉親かという区別・差別を感じていない。なのに「忠盛の子か、白河院の子か」といって、やたらと悩んでしまうから、話...

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武士の世とは、現代の視聴者にとって何なのか?

2012年度NHK大河ドラマ『平清盛』論ですが、古い作品の欠点をあげつらうのは新作につなげるためです。反省だけなら猿でもできる。重要なのは、あやまちをくりかえさないことです。さて。ドラマの中心でくりかえし叫ばれたのが「武士の世」というフレーズ。主人公はそれを言うことによって、一族郎党の内部対立を鎮め、結束を固めたつもりです。けれども、彼は所領経営をめんどくさがり、数字を確認することを怠る人物で、盟友・...

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1973年8月、山本薩夫『戦争と人間 完結篇』日活

いったい、国ってなんだ?原作:五味川純平 脚本:武田敦・山田信夫 撮影:姫田真佐久 照明:熊谷秀夫 録音:古山恒夫 美術:横尾嘉良・大村武 編集:鈴木晄 音楽:佐藤勝 助監督:岡本孝二・後藤俊夫 軍事指導:木島一郎 協力監督:河崎保、ニキタ・オルロフここはお国を何百里。徐州、徐州と人馬は進み、戦争ってのは太平洋方面だけじゃなかったんだぜと三たび叫ぶ日活と薩夫。187分。大映すでになく、東映任侠道も盛...

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アニメファンと二次創作BL同人の被害妄想に困った件。

戦場といえば、当方は「日本のアニメはリアリティがない」って申したことがございます。マントというのは陸軍の防寒用だから、戦艦の中で着用する必要ないってね。そしたら「リアルが見たけりゃ中東でも行け」って言って来た人がありました。「でも、そのリアルでないところがアニメの醍醐味である」という結論を待つことは出来なかったらしいです。たぶん「またそんなアニメばかり観て」と叱られた経験が脳をよぎったのでしょう。...

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自分の国を自分で守るために、必要なもの。

なんだかんだいって、日本の国防費は世界でも指折りなわけですが、これ以上国防を強化するためにマンパワーを投入するようなら、婦人の役割は次世代の兵隊を産むことです。自分の国を自分で守るために、自分たちでおカネを出して、外人部隊を雇ったら、終わりの始まりです。古代エジプトも古代ローマもそれで滅びましたね。だから、自分の国を自分で守るために必要なものは、安心して産める職場環境です。各政党とも、どこまで本気...

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大河ドラマ『平清盛』の敗因。

他の映画を見た上での考察という記事なので、清盛カテゴリではなく映画カテゴリ。ドラマ未見の方は適宜回避なさってください。で、視聴率低迷の原因は、いろいろあったわけですが……。テーマがはっきりしなかったことと、打倒天皇制の意味を持ってしまったことは、平成の世には受け入れられにくかったかと思います。じつは時代劇というのは、老中などの上流武家を悪徳政治家、奉行以下の役人をその手先である官憲と考えて、それに対...

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1963年1月、井上和男『無宿人別帳』松竹

どうやらここが死に場所だぜ。原作:松本清張 脚本:小國英雄・井上和男 撮影:堂脇博 美術:芳野尹孝 音楽:池田正義 殺陣:二階堂武江戸期日本経済の底の底。権力と財力とド根性。どこに男の夢がある。脚本家の名前に期待しつつ。松竹の面目。冒頭から意欲的なカメラワークと「やってるやってる」と言いたくなる編集、異様なロケーション、破格のセット。日本のフィルムノワールは本当にとんがっていました。能舞台まで建て...

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BLの本質と、手塚治虫『MW』の本質と、創作物一般に関する注意。

若者が酒場で年長の男性から一杯おごられて、ぼくにも運が向いてきたと感じる。男性が読むと「なんでそうなるの」って思うわけですよね。これはゲイバーの話なのか?でも女流の作者はそうではないという。男色小説などと呼ばないでほしいという。じゃあなんで男の子がそういうふうに思ってしまうのか?女流の脳裏に「男の世界では、ストレート(異性愛者)が気まぐれを起こすことがある」という先入観があるからですね。三島由紀夫...

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ほんとうにトランスゲイなら、きもち悪くてBLを読めません。

もし女性が「少女キャラクターが単なる性的いたずらの対象として考えられているような作品は、きもち悪くて読めないわ。女性に失礼だわ」と思うなら、トランスFtoMがBLを読んだ時にも、そう思うのです。女みたいな顔した男が「それでも男か」と揶揄され、暴力の対象にされる。ほんとうにトランスゲイなら吐き気がすると思うはずです。このコペルニクス的転回に気づくと、女性(なかんずくフェミニスト)による弱者特権というB...

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BLとゲイも、別です。

実在の同性愛の男性は、男同士の話題を、ストレート女性と共有したいと思ってないです。ここたいへん重要です。ごくたま~~に「俺もBLが好き。よく読む」というゲイもいます。が、あなたが入ったその店にいるとは限りません。そのカウンター席に座っている殿方は「殴ってやりたいほどBLがきらい」と思っているかもしれません。残念ながらゲイの世界にもDVはあります。同性愛者だから非暴力とは決まっていません。テレビタレ...

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「同人はフェミとは別」とは、あなたが自分で守る注意です。

BLというのは、端的には「男性に女役を振る」というだけの話です。それを女性の一部がひじょうに面白がるので、創作家と出版社の一部にとってはいい稼ぎになると。それだけのことですね。それを社会学的見地から見れば「日本において、女性の役割とはこういうことだと考えられていることが読み取れる」となります。ファンの一部にとっては「自分の見合いのめんどくささや同級生が結婚してしまったくやしさを忘れて気軽に感情移入...

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同性愛者は、アダルトチルドレンではありません。

彼(女)らは、一人前のおとなとして認められたいのです。いつまでも男同士(女同士)で遊んでいるなどと言われたくないのです。彼(女)らは現実逃避しているのでもありません。結婚という制度に乗せてもらいたいのです。彼(女)らは、おはなしの登場人物だと思われたくない。テレビの中の「役柄」だと思われたくない。現実の一部として認められたいから人権運動しているのです。可能なら育児の責任も負いたいと思っています。だ...

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BLの感情移入。

じつはBLしか読めないというのは、勘違いされやすいですが、女性キャラクターに感情移入できないんじゃなくて、リアル男性に感情移入できないのです。ごく当たり前の男性に対して、対抗意識を持ちつつも「まぁこんなもんだ」と割りきって付き合うということができない。彼らを主人公にした作品を鑑賞することができない。「いや、したくもない」という時、BLしか読めない・読まないということになるのです。その「野暮ったい普...

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男性文化に違和感ある人が新宿二丁目へ行くと、寂しい思いをします。

戦争映画でも、時代劇でも、カッコいい場面であればあるほど「プッ」と吹き出してしまう女性というのは時々います。ミリタリー趣味や、それに準じた重厚な男性ファッションにも違和感があって、「引く」とか「笑える」とか言っちゃう。女性自認が確立しているわけで、女のほうがえらい・正しい・センスがいいという女性ナルシシズムが強く、男性に対抗意識があり、そのぶん男性中心社会の中で損させられているという被害者意識もあ...

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1972年1月『荒野の素浪人』NET、三船プロ

そんな世の中に、俺も旦那も生きてるんだからな。【第1話:乱闘 辰の上刻】 監督:村山三男 殺陣:久世竜 脚本:津田幸夫 音楽:菊池俊輔 撮影:山田一夫 美術:高山彦三郎 録音:大野久男 照明:土井直之 編集:阿良木佳弘 効果:東宝効果集団【第2話:奪回 佐渡無宿人】監督:松森健 殺陣:宇仁貫三 脚本:池田一朗 撮影:斉藤孝雄 美術:植田寛 録音:藤繩正一 照明:佐藤幸郎【第3話:必殺 帰らざる街道...

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1971年6月、山本薩夫『戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河』日活

強力な軍隊を作って、何をする?原作:五味川純平 脚本:山田信夫・武田敦 撮影:姫田真佐久 照明:岩木保夫 録音:古山恒夫 美術:横尾嘉良・深民浩 編集:丹治睦夫 音楽:佐藤勝 史料考証:沢地久枝 軍事指導:木島一郎 特殊撮影:日活特殊技術部 特撮美術:成田亨映画産業斜陽化し、日中国交正常化する前の1970年代初頭にあって、日活と薩夫のド根性。時系列通りに丁寧に再現する叙事詩的179分。人物紹介終わって風...

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1964年8月、石井輝男『御金蔵破り』東映京都

お前さんは幸せな男だ。夢を持ってるからな。原案:高岩肇 脚本:野上龍雄・石井輝男 撮影:脇武夫 照明:前田光秋 録音:安田俊一 美術:塚本隆治 音楽:八木正生 編集:河合勝巳 助監督:平山亨 擬斗:足立伶二郎仁侠映画の陰で、石井輝男と野上龍雄が粋な時代劇をこさえていました。娯楽映画が2本立てだった時代。長すぎず短すぎず収まりのいい90分。やたらと低いカメラワークと編集の工夫、前衛的なジャズが魅力です...

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験・就活を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

映画評は、アップロードする以上は「下げる」ようなことは言わないことにしております。あらすじもあまり申し上げませんので、楽しみに御覧になってください。記事冒頭の色つき文字は映画中の台詞・挿入歌の歌詞からの引用です。

なお、取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・分割・削除しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。