声優になりたいのは大事な夢ですが。

  13, 2015 10:20
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かなう確率のほうが低いです。養成学校の同期が100人いれば、プロデビューできるのは1人です。

べつに業界の暴露話ではなく、宝塚音楽学校の同期からトップになって、その後も映画女優として活躍できる人が1人いるかいないかであることを考えれば分かることです。

まだしも宝塚なら、卒業にこぎつけた人は全員が群舞(ラインダンス)として舞台に上がることができます。でも声優は「モブ専用」なんて役はありません。

すでに知られている通り、ガヤガヤいう声は役を持った声優たちがアドリブで演じているので、録音現場にいるのは数人です。本当にせまい世界です。

なんなら好きな声優さんのプロフィールを調べてみて、養成学校の同期からデビューした人が何人いるか確認してみるといいです。

彼(女)と仲の良いプロが1人か2人いるかもしれませんが、その背景にはデビューできなかった同期が98人います。その背景には、ただ憧れていただけの少年少女が、日本中に300万人くらいいるでしょう。

あなたの同世代が110万人いるなら、あなたはその110万分の1にならなければなりません。それがプロ声優としてデビューするということです。

声優に「なりたい」ではなく、声優を「やりたい」と考えてください。別の道が開けてきます。業界が必要としているのは即戦力です。オーディションやってる暇もないくらいです。

養成学校だって、音楽学校だって、もともと良い声を持ってる子・いわゆる滑舌が良い子・教えなくても演技のコツをつかむ才能のある子を見分けるために開いてるようなもんです。

義務教育ではないので、何も知らない子を、みんな同じように育ててくれる養成学校は存在しないと思ったほうが良いです。本当にそれをやるなら、3歳から英才教育する必要があります。

実際には、そのくらい小さい頃から物真似が上手で、機転がきき、「緊張しちゃう」などと下らない言い訳をせずに、録音現場で要求に即応できる人間が、必要とされる人材です。

自分の体を舞台に上げる演劇なら、一人芝居でも上演できます。会社員やりながら「夜間だけ稽古しています、日曜日だけ公演します」ということが可能です。

でも声優となると、誰かがアニメ番組を作ってくれて、そこへ抜擢してもらうしかないので、声優に「なりたい」、養成学校へ「入れてもらいたい」という受身の発想になるのです。

でも「野球選手になりたいが、キャッチボールもしたことがない」という人を野球選手にしてくれるスカウトマンはいません。未経験者がとつぜん才能を認められるという漫画みたいなことは起きません。

養成学校へ入ることが自己目的なのではありません。

東京へ行ってみたいだけなのか、動画にナレーションをつけてみたいのか、自分にはその能力があるのか、現役声優の物真似で同級生のウケを取りたいだけなのか、試してみると分かります。

素人演劇の舞台に上がる度胸もない人が、いきなり上京して声優事務所のオーディションを受けても、声が出ないだけです。


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