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鬱は創作物のせいではありません。


むずかしいお芝居のことばかり考えていたから鬱になったのではありません。

それに取り組む以外にやることのない生活だったからです。人間が創作物にのめり込む時は、やっぱり現実の不如意を抱えています。

やることがあるといっても、たとえば教員としての職務が忙しすぎて鬱病になることはあるかもしれません。でも無事に卒業していった子どもたちの将来が楽しみで鬱になるってことは(ほぼ)ありません。

愛玩動物の出産に立ち会って右往左往している時も、鬱にはなりません。なんの生き物も、赤ちゃんは自分が大きくなることしか考えていませんから、大人をも「生まれ変わった気持ちで」という気分にさせてくれるものです。

でも生まれ変わるといっても、女性は就職(中途採用)にあたって「若い子のほうがいい」と言われるから男より不利……と思いがちですが、男性だって新卒のほうがいいと言われることは同じです。

じつは男性でも、小劇団の旗揚げと解散をくり返し、あるいは自費出版で赤字を重ね、借金だらけになって親元へ逃げ帰るなんてことがあるものです。まだ1970年代だったら、黙ってお見合いしてくれる女性が見つかったかもしれません。

でも、1980年代以降に、カタギな就職を蹴って、芸能や作家の道をこころざしたが独立できるほどではなかったという場合、男女とも後が厳しいのです。

でも「鬱になった」と言っていられるということは、死ぬほどではなかったということですから、逆説的な幸せ自慢と考えることもできます。

鬱という言葉は、健康な人が「面白くない、気乗りがしない」という意味でも使われますが、ほんとうに鬱病と診断された上で「怠け、甘え」と勘違いされて苦労する人のことを思うと、あんまり使わないほうがよいのかもしれません。

(あるいは「鬱病」のほうで名前を変えるとよいのかもしれません。)



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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。