エリザベス・テイラー主演映画『クレオパトラ』を観ました。

  25, 2012 21:51
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1963年、20世紀FOX。

だいぶ前に人にすすめられてツタヤ・ディスカスで予約入れといたのが届いたというだけで他意はないんですが、ちょうど『平 清盛』で「歴史ものの映像表現って?」というテーマを自分なりに抱えてしまったところだったので、いいタイミングでした。
えー……

光ってました。

リアルに照明が多く、巨大かつ豪華なセットが余すところ無く照らし出され、役者の顔にも影がなく、全てが映し出されておりました。
テイラーの肌はまさに真珠色に輝いていました。彼女の偉大さは、まずはこの肌の色であるのかな、などと思いました。

清盛を暗いの汚いのいう人は、こういうハリウッド黄金時代を想定してるのかもしれない、などとも思いました。
日本の映画やドラマって昔から割と暗かったしーー。

追記は個人的な感想ですがネタバレ全開です。
他の人のレビューやウィキペさんを読んでしまう前に、記録としてザッと自分なりの感想を。

内容は、
官能メロドラマ&なんちゃって歴史舞台劇
でした。

テイラーのピンクがかった白い肌の滑らかさ、筋ばったところのないムッチリした肉体は(私的には)理想の女性美で、それが全裸に近い姿でベッドに寝そべったり風呂に入ったりしてる画を見て「エロすぎる!」と嬉しくなった観客は大勢いたのではないかと思いました。

彼女がカエサルに会いにローマへ乗り込み、一大パレードを打つ場面では、大勢の半裸の女性ダンサーを従えてくるのですが、その一人が乳房を派手に揺すってました。
歴史に名を借りたエロス大作だーー(・∀・)と思いました♪

「なんちゃって」なのは、女性陣の衣装・髪型・部屋の調度などに60年代当時のセンスを発揮してしまっているからで、それはそれでまた現代の目で見てノスタルジーな、ロマンな感じで非常にいいんですが、それこそNHKの大河でやったらケチョンケチョンに言われそうです(笑
思い出したのは『フラッシュ・ゴードン』、ファンタジックなスペース・オペラでした。
(あれはあれですごく好き)
まァ歴史を語るにもこのくらいの遊び心はあってもいいのかもしれません。

セットは何せ巨大で豪華で、金あったんだなァ。
わざと汚す効果は皆無で、足元に砂もまいていないスタジオ撮影、舞台なら間口一杯に一部屋ぶんのセットを組むところをスタジオが広いに任せて幾部屋もつなげたのを、単純に水平に動くカメラで追っていく。
観客はちょうど劇場の客席の真ん中に座って、首を左右に振って拝見している感じです。
俳優は立ちっぱなしの長回しの芝居をよく演じていますが、やや大仰です。時代の好みなのかもしれませんが、……特にオクタヴィアヌスはやり過ぎだ(微笑

日本のドラマはよく怒鳴る、と思ってましたが、この映画では外人さんもよく怒鳴ってました。
もしかしたら劇場を意識した力一杯の演技というのは、古いタイプの芝居で、まだ日本ではそれが流行ってる(または残ってる)のかもしれません。

セットが見事なので、それを見せること自体がもうエンタメで、カメラワークの工夫など要らなかったのかもしれません。造ったものは影に入れずに全部見せるぜ、という臆面のなさはアメリカらしいのかもしれません。
要するに「その点は退屈だった」って言ってるんですが、動員人数がただごとでないのは一目で分かり、なにしろCGで人を増やすことのできない時代ですから、遠景はマット画でいいんだけど、水平線まで続くオクタヴィアヌス軍、のような、歩いて動いてる人物はとにかく本当に動いてる人間なわけで、それだけ集めて衣装も作って着せ、仕出し弁当も用意すれば休憩所やトイレも用意したんだろうなァとそんなことばかり考えてました。

撮影については『上海陸戦隊』『ハワイマレー沖海戦』など戦時中の日本映画のほうが面白かったと言っておきます。

衣装についてはどうも男性陣のそれがHBO『ROME』のほうが、量感があって豪華だったように思います。男優さんもキャスティグはよくイメージを出してるんだけど残念ながら男の色気とかグラマラスとかセクシーとかいうほどではなく、映し方も(それを強調した『ROME』と違って)あっさりしたもので、要するに全員がテイラーの引き立て役なんだな。

演出は……前後編の2部構成、その各々の冒頭と末尾にのみ、誰が語ってるのか分からない、とにかく「ナレーション」というものが入っていました。
「いまカエサルとポンペイウスの戦が終わったところです」「アクティウムで海戦やることになりました」と、そのへんから始めますのでよろしくご理解下さい、っていうような。
50、60年代の映画ではナレーションが入るのがよくあったので、当時ふつうにお約束だったのでしょう。
セリフは言わなくてもいいような説明的なものが多くて「歴史ものって基本こんなものなのかな」と思ったり、つまりこれが基本にあるので後発の『ROME』は端折ることができたんだな、と理解したり。(後発というかあれは二次創作といってもいいぐらいのものだし)

だからたぶん清盛は若干古いタイプの作りかもしれないけど撮影も衣装もセットも凝ってるし大げさ過ぎない良い芝居をしてるし、ハリウッド大作に比べても遜色ないと思う。

クレオパトラに戻ると、お話の内容は、「自分では打つ手がないので男を怒鳴りつけてけしかける女と、女を追いかけて友軍を見捨てる将軍」て全然萌えないんだけどどうしましょう(´・ω・`)
よっぽど西太后みたいに自分で権力握ってしまう女のほうが面白い。(支配されたくないけど)

これはもうリズに萌えることができるかどうかにかかっている作品だと思いました。
とか愚痴っぽいことを言いつつ堂々4時間、わりと退屈せずに見通すことができたので、やっぱり豪華って大事です。
アクティウムの舟は良かった。
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