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1971年、佐伯清『昭和残侠伝 吼えろ唐獅子』

脚本:村尾昭、撮影:星島一郎、編集:田中修

ご丁寧なお言葉、お心うちは、たいてい汲み取りましてござんす。

シリーズ第8弾。鶴田浩二が美しかったことです。鶴田のプロフィールもウィキペさんで読むと相当おもしろいですが、もちろん書き写すわけには参りません。地道に映画感想文。

ベタに男好きな佐伯監督が復活して、予告篇にあったような「集大成」というよりは、やくざ本来のやり口のえげつなさを強調した、むしろ特殊な回なのですが、悪い「親」への義理と人情で追いつめられていく苦しさが最高に打ち出された回かと思います。

絵作りは、マキノの大家ぶりを見た後では小さく感じられ、もしかしてもうあんまり予算が取れてないんじゃないかなっていう気もしますが、質朴なモンタージュは佐伯らしいところでもあり、変に生々しい日常描写からいっても、今更な賭場のしきたりの説明からいっても、物語の「不細工」さからいっても、血糊の使用量からいっても、本当にテレビに対抗して新しい路線を打ち出そう、若い観客を呼び込もうとしていたのかもしれません。

殴りこみシーンの組み立ては、やはり上手かったと思います。そう、彫物には音楽が必要。逆に考えれば、マキノはこれを踏襲することを、わざと避けたのです。

新人女優は陰性で、芝居はうまいけれども型が古く、藤純子の後では今さら感がありますが、今回は作品そのものが陰性なので重宝なタイプかもしれません。

脚本に難があったのか、撮影の手間を端折ったのか、背景にある(入札などの)事情を台詞で説明してしまったのは残念でした。やっぱり予算か。

渡世の仁義でよそんちの親分さんを斬ったことも何回あったことか、鶴田との白刃のやり取りは、シリーズ中の白眉かもしれません。匕首で長ドスとやり合う三州は、他のシリーズをそのまま持ち込んでるわけですが、最強かもしれません。

ものすごい顔合わせなのですが、スリーショットにならないように、監督は気を使っているようです。

秀次郎は親分なしの子分なし。今回は、ほぼ任侠道の指南役。風間とは縁のない流れ者。ただし共演の長い二人が目と目で会話しちゃってる上に監督がクローズアップを効かせるので、観客としては裏事情を詮索したくなって困ることです。

女性陣が二人とも「じつは」という回想シーンを背負っているので、男たちはどうなんだ、と。観客の予想に肩すかしを食らわせるのも手の内ですが、もう少し意識的にやりたかったように思います。

それにつけても松原智恵子の目の大きさよ。

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。