2002年イタリア映画『炎の戦線 エル・アラメイン』視聴記

  16, 2012 09:36
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イタリア映画は戦場リアリズムも粋。

ロンメル戦車軍団じゃないのです。彼が撤退する前後の、別の戦場におけるイタリア歩兵の砂まみれの苦闘。
炎の戦線ていうか、炎天下の飛び陣地orz とっくに補給が途絶えて水も食料も弾薬もorz
観客の口の中にまで砂が入ってくるような大ロケ敢行。

その苛酷な条件下で戦闘を演じた役者さん達は、『プライベート・ライアン』の時も思ったけど、リアルにトラウマになってしまうのじゃないかと心配です。
ハリウッドだったかブロードウェイだったか、俳優が役から戻るためのセラピーがあるそうですね。

砂色の濃淡、ゆったりと大きなカメラ使い。
エジプト戦線なので現地の民族音楽がBGMに使われており、その他にチェコ・フィルによるオーケストラ・サウンドはゆったりと控えめな旋律で、じんわりと情感を盛り上げてくれます。
どうも同じイタリアだと思うせいか、雰囲気が似ているのか、『カオス シチリア物語』を何度も思い出すのでした。
水もなく顔も洗えない兵たちの薄汚れた黒髭面のせいだったかもしれません。イタリア人俳優はみな男ぶりが良く、セクシーです。
ダイナミックな肉体表現と、遠近法による大胆な構図を生んだルネサンスの国には脱帽するしかありません。

「クロサワを土台にアメリカ西部劇というクリームを掛けて、イタリア独自の苦味走った辛口スパイスを振ったら最高にオシャレな大人のデザートができた」みたいのが『荒野の用心棒』なわけだけど、
『ライアン』より後発なこれも、あのような戦場リアリズムをイタリア流に料理したらもっとドライ、かつ味わい深くなったぜっていう、薫製肉を辛口の酒で頂くような、そんな感じかも。

ラストシーンは忘れられないでしょう。大理石の国なんだなぁ……
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