記事一覧

1955年アメリカ映画『エデンの東』視聴記。

初めて観ましたごめんなさい。
子供のころテレビで観た『なつかしの映画音楽』みたいな番組で、若い男と女が顔をくっつけてるような絵が映って、ノスタルジーな音楽が鳴って。なんか首筋がかゆくなるような恋愛映画だと思ってましたごめんなさい。
でもおかげで何の前情報も入れずに今回ぶっつけ本番状態で観たので良かったです。
キビキビとサスペンスタッチで刺激的で面白かったです。

『イブの総て』が1950年。
『裏窓』が1954年。
『渚にて』が1959年。
『史上最大の作戦』『アラビアのロレンス』『007ドクター・ノオ』が1962年。
この間にはさまるわけだけど。撮り方はどれよりも過激で鋭いと思う。ヒッチコックが近いかな……

ときどき画面が斜めになるの。不安感を駆り立てる、すごい構図でした。
光じゃなくて「影」の使い方。
ディーンの演技が凄まじいのは今さら申し上げるまでもないけど、ボーッと立ってる兄ちゃんが意外にいい感じ。あの野暮ったさが小技のきいたディーンとの対比になって。

ナレーションなし。役者の存在感と日常的な会話のテンポの良さと、切り取り方の鋭さだけで魅せる緊張感の持続。
この撮り方で1955年てことに驚けばいいのか、
1917年を舞台に女性がこれだけ自由に、しかも自省的に生きている姿を描いたことに驚けばいいのか。
女性と若者の自立、このテーマは1955年の時点でも衝撃的ですね。

シネマスコープとワーナーカラーの誇らしさ。フェアバンクス主演作品の素晴らしさを観れば、画面の間口の狭さやモノクロ撮影であることが決して劣るわけではないのだけど、アメリカの広さと空の色、調度品の独特の色合い、和服にはない女性のドレスの透け感が見られることはやはり印象的でした。レタス畑、広!!

アメリカ映画の基本にしてお手本がここにあるーーと思いました。古い映画、外国映画って「話法が違う」と感じることがあるわけですけども。古いと感じられない、というよりは、こっちがその後に受け継がれたこの撮り方に慣らされているのでしょう。

戦争の陰にあった一家族の小さなドラマ、には違いないのだけどね。
兄ちゃんの嫁。
『マイ・ブラザー』(原題 Brtherhood )って映画を思い出してニヨニヨしちゃいました。
(順番が逆)

ディーンの演技には『ブロークバック・マウンテン』で受賞したヒース・レジャーを思い出しました。
なんでアメリカのいい役者って早く逝っちゃうかな。
合掌。

さて……さらに古い映画いっぱい観なきゃ。
Related Entries

Comments

Post a comment

Private comment

SEARCH

Profile & Caution

Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。