貝殻は盗ませないわ。『007/ドクター・ノオ』鑑賞記

  26, 2012 23:28
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盗まれてもいいです。
てかタランチュラになりたいです。もうガラス越しでもいいです。てかワルサーPPKになりたいです。いや、PPか?

……いや、これはもうキャアキャア言えばよろしいよね。世界中の男と女を疼かせた、ショーン・コネリー様のジェームズ・ボンド様ですわ!

熱心なファンが拾い上げたこぼれ話や薀蓄がネットにも一杯。大事な銃器の間違いはご愛嬌ですが……なぜあの程度の映り方でお分かりになるの皆さま。

1962年度作品。監督はテレンス・ヤング。ブロンソンとドゥロンと三船の『レッド・サン』も撮った人でした。あっちも大好き♪ 
味わいは同じで、荒唐無稽な話なのに造りが丁寧なので引きこまれてしまうという。そして男のかっこ良さを嫌味も照れも言い訳もなく撮りきる事ができる人だと思う。

この007シリーズ第1作1本からだけでも世界中で一体どれほどのオマージュ作品が生まれたことか。実は私は初見ですが、やたら懐かしい感じがするのは、それらの後発作品によって間接的に雰囲気を知っているからなのですわ、きっと。

そして後発はいろいろとひねりをくわえてくるわけですが、これはコネリー自身の「何も特別なことをしないのにかっこいい」というストレートパンチっぷりが爽やかなのでした。

名乗りのシーンの決まりように感動。タキシードの後ろ姿、長い指、銀のシガレットケース、くわえ煙草で「Bond, James Bond」 すべてはここから始まった。……若い! 顎細い! 下まつ毛長い! 口元の皺が激セクシー。
ジャマイカのホテルに至ってソファに座り、リビングテーブルに踵を乗せる、その椅子とテーブルの間の遠いこと(笑)
とても『史上最大の作戦』でギャグ担当だったフラナガン様とは。
いや、質は同じなんだけど。
一歩間違えばB級になってしまう娯楽作品を辛口で勢いのあるものにしているのは、コネリーのテンション高い熱気あふれる演技。彼が大真面目であるとこがいいのですわ。
公開年に32歳なので撮影時は31でしょう。ぴっちぴち♪

さすがシリーズ一本目というのかエピソードの豪華詰め合わせ、盛り沢山で展開が早くサービスショットも満載で飽きる暇がない。サービスショットってのはあれですよ上着脱ぎとかベッドとかシャワーとか殴られシーンとか。巻き戻しましたともええもうほっといて下さい。

世界征服を企むマッドサイエンティストにたった一人で挑むという荒唐無稽冒険活劇なんだけど、秘密兵器のご紹介・観光案内など後のシリーズに取り入れられた要素がまだなく、ジャマイカの観光案内にもなってはいるんだけど、そこに淫しない。あくまで背景としてさりげなく映す中でボンドのリアルな単独行動を徹底して撮ることでシンプルかつ骨太な話運びが際立つのは、フェアバンクスが『バグダッドの盗賊』で七つの門を単独踏破したのと同じで、やはり強い男には孤独が似合う。
低予算といわれれば確かに豪華な装備などはなかったわけだけど、かえってそれが1本目としてボンド自身の魅力を披露する結果になっており、笑いを誘う恐れもないので緊張感が持続して、良かったと思います。
ジャマイカの海という金のかかりようのない「大道具」を存分に生かしていたし。

とはいえ、後半に実現した三人組の、水色と赤と白の衣装がジャングルの緑に生える場面は綺麗でした。白いビキニにナイフつき太ベルトは暴力的に魅力的。
「君の貝殻を盗まないって約束するよ」嘘つけ(笑)
貝殻は女の象徴ですな。海辺にふさわしく、なにげにセクシーな洒落た台詞です。

登場が前後しますが、東洋系のボンドガールは私的にはシリーズ最高の美女でした。と思ったらご本人はナイロビ生まれなんですって。
女と楽しんだ後、またスーツに装うというのがかえってエロティック。

ドクター・ノオはいい顔をした俳優さんで、ご本人はカナダ人、東洋的なのはメイクだそうですが、神秘的でノーブルで説得力あり、しかもいち早く逃げるのでなく自ら立ち向かうとは、たしかに出色の敵役。手袋をはめた義手というのも色んな作品で見かけるような気がしますね。

ボンドガールは皆ふっくらした美人で魅力的でした。この頃の女優さんは頬に明るい艶があって女性的でよろしいです。最近の人は……ダイエットのしすぎなのかなぁ。

ラストは……もうあんな奴回収しなくていいです(笑)
さて、スミノフ買ってくるか。ドライヴェルモットが要るね。
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