『007/ドクター・ノオ』~貝殻は盗ませないわ。

盗まれてもいいです。
てかタランチュラになりたいです。もうガラス越しでもいいです。てかワルサーPPKになりたいです。いや、PPか?

……これはもうキャアキャア言えばよろしいかと。世界中の男と女を疼かせた、ショーン・コネリー様のジェームズ・ボンド様です。

1962年度作品。監督はテレンス・ヤング。ブロンソンとドゥロンと三船の『レッド・サン』も撮った人でした。味わいは同じで、荒唐無稽なのに、造りが丁寧なので引きこまれてしまう。そして男のかっこ良さを、嫌味も照れも言い訳もなく撮りきる事ができる人だと思う。

この007シリーズ第1作1本からだけでも世界中で一体どれほどのオマージュ作品が生まれたことか。実は初見ですが、やたら懐かしい感じがするのは、それらの後発作品によって間接的に雰囲気を知っているからなのです、きっと。

そして後発はいろいろとひねりをくわえてくるわけですが、これはコネリー自身の「何も特別なことをしないのにかっこいい」というストレートパンチっぷりが爽やかなのでした。

名乗りのシーンの決まりように感動。タキシードの後ろ姿、長い指、銀のシガレットケース、くわえ煙草で「Bond, James Bond」 すべてはここから始まった。……若い! 顎細い! 下まつ毛長い! 口元の皺が激セクシー。
ジャマイカのホテルに至ってソファに座り、リビングテーブルに踵を乗せる、その椅子とテーブルの間の遠いこと(笑)
とても『史上最大の作戦』でギャグ担当だったフラナガン様とは。
いや、質は同じなんだけど。
一歩間違えばB級になってしまう娯楽作品を辛口で勢いのあるものにしているのは、コネリーのテンション高い熱気あふれる演技。彼が大真面目であるとこがいいのです。公開年に32歳なので撮影時は31でしょう。ぴっちぴち♪

さすがシリーズ一本目というのかエピソードの豪華詰め合わせ、盛り沢山で展開が早くサービスショットも満載で飽きる暇がない。サービスショットってのはあれですよ上着脱ぎとかベッドとかシャワーとか殴られシーンとか。巻き戻しましたとも。

世界征服を企むマッドサイエンティストにたった一人で挑むという荒唐無稽冒険活劇なんだけど、秘密兵器のご紹介・観光案内など後のシリーズに取り入れられた要素がまだなく、ジャマイカの観光案内にもなってはいるんだけど、そこに淫しない。あくまで背景としてさりげなく映す中でボンドのリアルな単独行動を徹底して撮ることでシンプルかつ骨太な話運びが際立つのは、フェアバンクスが『バグダッドの盗賊』で七つの門を単独踏破したのと同じで、やはり強い男には孤独が似合う。

低予算といわれれば、確かにあまり豪華な装備はなかったわけですが、それがボンド自身の魅力を披露する結果になっており、笑いを誘う恐れもないので、緊張感が持続して、かえって良かったと思います。なによりも、ジャマイカの海という「大道具」を存分に生かしました。

とはいえ、後半に実現した三人組の、水色と赤と白の衣装がジャングルの緑に生える場面は綺麗でした。白いビキニにナイフつき太ベルトは暴力的に魅力的。
「君の貝殻を盗まないって約束するよ」

嘘つけ(笑)

二枚貝は、もちろん女性の象徴です。海辺にふさわしく、なにげにセクシーな洒落た台詞です。

登場が前後しますが、東洋系のボンドガールは個人的にはシリーズ最高の美女でした。と思ったらご本人はナイロビ生まれなんだそうです。女と楽しんだ後、またスーツに装うというのが、かえってエロティック。

ドクター・ノオはいい顔をした俳優さんで、ご本人はカナダ人、東洋的なのはメイクだそうですが、神秘的でノーブルで説得力あり、しかもいち早く逃げるのでなく自ら立ち向かうとは、たしかに出色の敵役です。手袋をはめた義手というのも、その後のさまざまな作品で見かけるような気がしますね。

この当時のボンドガールは、頬に明るい艶があって魅力的です。最近の人は、ダイエットのしすぎなのかもしれません。

さて、スミノフ買ってくるか。ドライヴェルモットも要ります。
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