1965年8月、マキノ雅弘『日本侠客伝 関東篇』東映京都

  11, 2016 10:22
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ヤクザってやつァ、いつも堅気さんに迷惑かけちまう。

脚本:村尾昭・笠原和夫・野上龍雄、撮影:吉田貞次、音楽:斉藤一郎

大正十三年、築地魚河岸。新旧組合対決。鶴田浩二最強伝説。

お久しぶりの侠客伝。このシリーズは二枚看板なので、それぞれにどういう役柄を与えるかが重要で、今回は映画二本分の太いプロットが最高に良い具合に重なっていたかと思います。

若い風来坊が、気っぷと腕っぷしの良さで土地の人々に歓迎され、リーダーに成長するまでを描いた青春ドラマ。

もうひとつは、帰って来た兄貴が陰ながら地元の守り神になる。

俳優の実年齢差がよく生かされ、男同士の「つきあいの良さ」に、女性への純情も重なって、ハッピーエンドながら一抹の苦味を帯びた大人の味わい。三本目にして品格を上げるマキノ節。

昔気質の商売を、権力と組んだ新興暴力団がつぶそうとする、いつものお話ですが、そういうわけで高倉と鶴田の立ち位置が良く、ほぼご本人出演の北島さぶちゃんと長門裕之の見せ場も大切にした、目配りの利いた一品です。名脚本家三人の息が合ったのかもしれません。

クライマックスもマキノさんにしちゃ珍しいなと云いたいほどの熱い描写でした。

序盤は滅多やたらと微笑ましい青春コメディ展開で、BGMまで若干ディズニーふう。高倉は不良少年のように登場しますが、途中でグッと顔が変わります。この人、じつは不器用じゃないですよね。

鶴田はもう何をやっても堂々とオーラを放射していて、体格の大きな男でもないし、いかつい顔でもないのですが、周囲が気圧される様子には説得力があるのでした。

悪役は上背が印象的な天津敏。顔もいいのです。何を着ても似合います。丹波哲郎も登場。しょせん野郎は売りもの買いもの。

博奕打ちシリーズではなく、侠客伝です。が、やや混乱して来たので、並行して見ないほうがいいのかもしれないと思い始めました(^^;)

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