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自分の都合と、社会問題を区別しましょう。

実写映画でも同人漫画でも、自分が見たり読んだり描いたりするぶんには「エロが目的」でもいいわけです。

でも、それを論評したり出版したりした時に「女のくせにこんなものを見るな」とか、「どうせ何を描いても下手なんだから、さっさと嫁に行け」とか云われたら?

「女だから何だって云うんですか!」とか、「結婚は女の義務ではありません!」というフェミニズム運動が発生するわけですね。

また、女性がアニメ雑誌を持って歩いているだけで、男性によって怪我をさせられるという話もあります。

アニパロ同人活動に反感を持つ男性が、すべてのアニメファン女性をパロディ同人と混同して、いやがらせをしているという解釈もありますが、もっと単純に、アニメに登場する「イケメン」に好意を持つ女性に実在男性が嫉妬しているのかもしれません。

いずれにせよ、逆に女性が男性アニメファンを突き飛ばすということが無いならば、これは女性だけが(体格が小さく、突き飛ばされやすいために)不利をこうむっているということです。

だから、ひとつ覚えに「同人はフェミとは別よ」と云うだけでは通用しない時もあるのです。ある程度までは、確かに「BLはフェミ、同人はフェミ、アニメファンはフェミ」なのです。

女性の自由を守るために「ほっといてください。わざと傷つけないでください」と主張することは、正しいフェミニズムです。

そのことと、女性のほうで天狗になって、男性に向かって「何もかも男のせいよ」と責任転嫁したり、彼らの趣味を「巨乳は変よ」と非難したり、「どうせ実在女性と付き合えないくせに」と自尊心・自己決定権を侵害することを混同するからいけないのです。

つまり自分自身が「フェミニズム」という言葉の意味をよく分かってないのがいけないのです。

【専守防衛、過剰防衛】

専守防衛と過剰防衛は違うのです。飛んできたミサイルを中間地点で迎撃するのは正当な権利ですが、相手の発射台めがけてこっちから空爆したら、先制攻撃になっちゃうのです。

こっちからおっぱじめたことになっちゃうのです。

BLに即して云うと、プロのファンが「先生がせっかく描いたのにヤマもオチもないなんて失礼な呼び方しないでください。自由な表現は女性の権利です」と云うのは正しいフェミニズムです。

でも男性の自由な表現の権利を損なうようなことを女性のほうから云えば、女性のほうから戦端を開いたことになっちゃうのです。

だから、パロディ派は「同人はフェミとは別よ」と云うのです。

ラディカルフェミニズムみたいな気分になって、男性に喧嘩を売らなくてもいいのよ、と云うのです。権利問題が露見しては困る以上、二次創作者は決定的に立場が弱いのです。でも分かってない人もいるわけです。

プロの権利を擁護するための話に、パロディ同人が過剰反応して、「同人はフェミじゃないのよ」といって顔を出せば、「パロディのくせに黙ってりゃいいのに」ということになるのです。

ややこしいのではありません。パロディ同人が勝手に勘違いしただけです。

勝手に勘違いしておいて「だからフェミじゃないって云ってるでしょ!」と勝手に怒り出すのです。時々そういう慌てんぼさんがいるのです。

もともと先輩たちが自虐した理由を分かっておらず、編集部がついてるとか思って強気になっているからです。

【他の団体の権利】

もしGLBT人権団体が「男だろうが、女だろうが、ストレートが同性愛を描いちゃいけないんだ」と云ってきたら、ストレート男女が協力して「そんなの表現の自由じゃん」と云うことになりますね?

また、警察や教育委員会が「ゲイだろうが、ストレートだろうが、ポルノを出版してはいけません」と云ってきたら、ゲイとストレートが協力して「そんなの表現の自由じゃん」と云うことになりますね?

また、性的虐待の後遺症に悩む人が「誰だろうが、そういう話をツイッターでしないでください。私はエロとかポルノとかいう文字を目にするだけでもいやなんですよ」と云ってきたら?

「そんなの同人の勝手じゃん」で済むかどうか? 「同人だけでミクシィでやれよ」って云われるかもしれませんね?

【被害妄想クレームの前に議題を確認しましょう】

つまり「いま、誰と誰が何について話し合っているか」が重要なのです。

横から首をつっこんで、「フェミじゃなくてエロですよ!」と自分の都合だけ云っても、何の役にも立たないのです。

そもそも、同人誌即売会で限定販売されている同人作品の多くが「過激」であることは、すでに多くの人が分かっているわけです。だからこそ、その一部が児童虐待に当たるのではないか? と問題視されているわけですね。

そこでもう一回「エロですよ!」と云っても、なんの意味もないのです。

同人というのは、カネとエロのためなら何でもやる連中だと思われりゃアウトです。

なのに、周囲が何の話をしているのか理解できず、口の利き方を知らない人には、独特の問題があります。

「だって欲しいんだもん!」と自分の都合だけ云えば、お母さん(またはその他の保護者)が「仕方ないねェ」と云って、何でも買ってくれるという育ち方をして来たのです。

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。