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アドラーたちの時代。

民族主義の嵐が吹き始めていたのです。もっと前から帝国主義の時代だったのです。戦争が繰り返されていたのです。若者が徴兵され、植民地(とされたアジア・アフリカ)へ送られていたのです。

その時代に「人生には高邁な目標が必要で、それを達成できない人生は無意味だ」と云ってしまえば、学業半ばで19歳で戦争で死んだ奴は無意味だったということになってしまうのです。

職人修行の途中で民族差別によって15歳で死んだ少年は、最初から生まれてこなくても良かったことになってしまうのです。

そうじゃないはずだ。

アドラーの発想の根本にあったのは、この思いだったと思うのです。

人生は連続する刹那である。生まれて来たことに意義がある。生きていることだけで価値がある。今を生きよう。今日達成できたことを誇ろう。小さな幸せを最大に喜ぼう。種とともに冬をこえ、鳥とともに春を歌おう。どこかへ逃げたいとは云うまい。

アドラーのいう「勇気」という言葉は、並大抵の覚悟から生まれて来たものではないと思うのです。それは短くいうと「死」の恐怖に裏打ちされているのです。

(参考:宮崎駿『天空の城ラピュタ』1986年)


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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

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書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。