ゲイは男性が苦手な女の子の仲間ではありません。

  06, 2016 10:23
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彼らこそ男根至上主義者です。できるだけ逞しい男性とお付き合いしたい。だからこそ、DVの被害に遭う。

確かに彼らも「社会全体に蔓延する男尊女卑の風潮には僕らも迷惑している」といい得る。だからといって、女性が「でしょ!? でしょ!?」と盛り上がれる相手ではありません。

なぜなら、女性は「だから私はストレート男子と付き合うのがいやで、ここへ来たのよ!」と言うことができる。彼らには、逃げ場がありません。

自分に嘘をつき、親を騙してストレート社会で生き続けるのではなく、自分の人生とまっすぐに向き合うために新宿二丁目へ来た人々にとって、そこを逃避先として利用する女は、仲間ではありません。

また、彼らの青春時代の思い出話は、女性が期待するようなロマンチックな上級生・下級生物語ではありません。ハードなイジメです。それも、女性客自身と同世代の女性によるイジメです。

「僕らがその被害に遭って苦しんでいた間、きみらは女同士で固まって、BLを廻し読みしてはニヤニヤしていた。今さら顔を出して、なんの話を聞きたいっていうんだ?」

これが彼らの本音です。

とくに「同人やっていた」人は、したり顔に「性的暴力の被害者が二次的被害(風評被害)を与えられるのは良くない」と怒る前に、まず自分自身が「性的暴力によって快感にめざめ、ホモになる」という偏見を利用して「カネもうけ」していたことを思い出しましょう。

あなた自身の行動によって「本物のゲイの口から直接、性的暴力被害の話を聞きたい」という女性が増えた。これが彼らの理解です。

彼らは竹宮恵子には「山も落ちもある」ことを、ちゃんと知っています。彼女の作品を部分的に利用して定型化し、量産した人々があったから大流行したと的確に理解しています。

アニメキャラが好きだから描いたというのでもなく、カネだけが目的で、エロばかり書いていたというなら、そういうパロディ同人は、ゲイにとって不倶戴天の敵です。

あなたが「配慮してほしい」と訴えなければならない相手は、あなたに劣等感を感じさせる幸せそうな男女ではありません。仲間が大勢いて楽しそうなゲイでもありません。

あなたの作品を読んで「本物からエロい話を聞かせてもらおう」と思ってしまった読者です。あなたと一緒に新宿二丁目へ来ている、その女性です。それは、おそらく、鏡に映った貴女自身です。

【ゲイは優しいのではありません】

自分が他人を差別すると、自分を差別した連中と同レベルになってしまうと思うから、自分は公平であろうとするのです。

彼らの自尊心の表現であるものを「女性に対する優しさだ」と勘違いしてしまう人は、危険な女性中心主義者です。なんでも自分に都合よく解釈してしまう人です。「あなたのものは私のもの。私のものは私のもの」というタイプです。

テレビか何かの情報を真に受けて、人生相談に乗ってもらえると思い込んでゲイバーへ来てしまう女性を、男性陣の眼から見れば「マジで来やがった」というだけです。

彼らは「人生相談がうまい」とか「面白いことを言ってくれる」などと期待され、利用されることに、何十年も前から、腹の底からウンザリしているのです。

それさえ知らずに、彼らの気持ちを察することもできない人が、自分だけ「私も性的マイノリティだから配慮してほしいわ」と言っても、説得力はありません。

【人間はライフスタイルを使い分けられない】

同人活動について無神経な人は、ゲイに対しても無神経です。同人にもいろいろな目的があり、やりがいがあり、いろいろな思い出を持ったOBがいます。

それを知ろうともせずに、自分一人を基準に「どうせみんなエロとカネだけが目的に決まってるじゃん」と決めつける人は、ゲイに対しても自分の性的好奇心を最優先して、性的な質問をしてしまいます。

女性同人の一部が自分で自分に「ノンセク」というレッテルを貼るのは、ストレート男性によるナンパ攻撃を防ぐためであって、自分自身がゲイに付きまとうためではありません。

いつの頃からか、BLファンは男性の肉体に強い興味を抱いているから性交の誘いに応じやすいという偏見が一部に発生し、女性同人・アニメファン(二次創作BLファンと混同されやすい)が、しつこく付きまとわれるという被害が発生しているそうです。残念なことです。

これを女性のほうから牽制するために「私はノンセクだから実在男性とはお付き合いしません。声をかけても無駄です」という意思表示をするようになったのです。

逆に自分のほうから男性に声をかけるためではありません。ノンセクを自称しながら実在男性を見物に行く女性がいるのであれば、同人たちの努力は水の泡です。

自分自身が性的マイノリティであるということは、ゲイに対して性的な質問をする権利ができたということではありません。

ふつうのストレート女性以上に、彼らの切ない気持ちが分かるから、発言に配慮できるということです。自分自身が性的な話題を苦手としており、そのことで誰からもからかわれたり、説教されたりしたくない以上、ゲイが誰からも性的な質問をされたくない気持ちも分かるということです。

ふつうの女がBLを読んで興奮した頭のままゲイバーへ来てしまうよりも、彼らに対して遠慮できるということです。

今まで気がつきませんでしたか? それはサービスしてもらえるのが当たり前だと思っていたからです。自分が世界の中心に君臨していると思っていたからです。




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