1965年7月、石井輝男『続 網走番外地』東映東京

  21, 2016 10:20
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俺ァ頼まれると、いやって言えねェたちだからよ。

企画:植木照男 原作:伊藤一 脚本:石井輝男 撮影:山沢義一 照明:大野忠三郎 美術:藤田博 音楽:八木正生 助監督:竹本弘一

まーりもまりも♪ いかすグレーのスーツの番外地野郎は刑期満了したようで、今回は娑婆で大活躍でございます。舞台は内地で、番外地じゃあねェです。お土産品の毬藻が無言の大活躍。

前作のヒットを受けて、3か月以内に制作・公開された続編。前作はモノクロだったこともあって、ものすごく前衛的・挑戦的に感じられましたが、今回はギャング路線に乗った総天然色娯楽作品。明らかに粗製ですが、開き直った感が、むしろ清々しい。

開始20分くらいはコメディタッチで話が見えない状態が続きますが、急に面白くなるので、まずは1960年代当時の風俗描写をおおらかな気持ちで楽しみましょう。建物や自動車の型の古さも今となっては魅力です。個人的には「ギリギリで覚えてる」くらいで、ほんのりと懐かしいです。

当然というべきか、娑婆の象徴は女たちのようで、赤いドレスの新鮮さが眼にまぶしい。赤ん坊の愛らしさも番外地にはなかった要素で、刑期満了気分満喫。劇中劇のストリップティーズでは、一人二役の興味深い芸を拝見できます。女の男役があるなら、つぎはやっぱり男の女役が発想されますわな。(そういう話はまたにしてだ)

全篇を通じて、音楽の使い方の良さと、筋立ての面白さ、台詞のカッコ良さは健在でした。序盤で望遠を効かせていたカメラは中盤からアップを多用して濃密度を上げて参ります。クライマックスは圧巻の夜間野外ロケ。

現代劇は、時代背景に共感しやすいのはもちろん、筋立ての定型化した任侠路線とは違った工夫があって、また面白いですね。

続篇が巻き込まれ型サスペンスになるのはよくあるパターンで、独立作品としてはやや荒唐無稽すぎるように感じられるだろう物語が、キャラクターの個性が確立していることによって撮影可能となるからでしょう。アラカンと安倍徹が納得の大活躍を見せてくれます。前作でとくに印象的だったキャラクターに絞り込んで再起用した形で、優れた人選だったと思います。


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