Misha's Casket

ARTICLE PAGE

1942年11月、マイケル・カーティス『カサブランカ』ワーナー

I never make plans that far ahead.

いきなり主演の名前を掲げるのがアメリカ流。製作者・脚本家の順になっている日本と違って興味深いところです。外人さんの名前は長たらしいので専門サイトに丸投げして割愛しちゃいます。

シャンパンと煙草とダブルのスーツが男を飾っていた頃。ジャズが空気を染めていた頃。フランス領におけるフランス警察とドイツ軍の混在をアメリカの映画人が諷刺してるってのも面白い画ではあります。

どいつもこいつも清濁あわせ飲んだ大人たちによる、だいぶひねりの入ったロマンスで、ミュージカル映画にリアリズムを取り込み、早口の実力派俳優たちによる舞台劇になめらかな移動撮影を組み合わせたということのようで、過去と未来が少しずつ明かされるサスペンス要素もあり、たたみかけるように名台詞・名場面が続き、息切れしそうなほどですが頑張りましょう。

あまりの名作ぶりに敬遠していましたが、なるほど映画としての出来が良いのです。

持ち前の美貌が撮影の工夫によって更に輝くイングリッドは「マドモワゼル」と呼ばれており、まだ女学生みたいな顔してるのですが、すでに過去はある。憧れの金髪の王子様について行くことを許された美少女の、その後の物語。

ラズロの色男ぶりに較べて、リック(=ボギー)はどっちかってェと女にモテない顔した悪役属性なわけで、世界中の男たちの夢を背負っているのでした。あんたの時代はよかった。

オープニングはアフリカの地図。アラビアンな音楽が魅力です。アニメーションを利用した「前説」は斬新だったのだろうと思います。かつて、ヨーロッパの人々も「難民」になったのでした。未来への底知れぬ不安を秘めて、捨ててきた生活を懐かしむ人々。

The fundamental things apply, as time goes by.

保存がよくて、画面も音声もビックリするほどきれいなのが悔しいほどで、日本映画の保存が良くないのは映画文化が理解されてなかったからなんだそうです。こちらはもともとの機材も良いようで、まァ……こういう点ではアメリカ様にはかないません。



Related Entries