記事一覧

男性恐怖症と吊橋理論を混同する自称ノンセクの真実。

本来、男性にとって最も恐ろしい試練とは、ほかの男性によって女役を強制されることです。それに較べりゃ壊れた吊橋を渡ったり、バンジージャンプするほうが、なんぼかマシです。(よね?)

しかるに、1970年代に流行した女流美少年漫画では、先輩たちから「かわいい顔してる」といわれる新入生が2人も登場し、2人して先輩たちから追いかけられたり、それぞれに呼び出されてピンチな目に遭ったりして、そこから逃げ出す。

で、2人して「ここなら安全だ」と小部屋に身を潜めたところ、この2人の間に「愛」が芽生え……。これがお約束プロットでしたね。

「上級生が下級生を『女に見立てる』ことがあった」という伝統的情報をもとに、難を逃れた下級生同士をイメージできたところが日本の1970年代の女流の独創性だったのです。

それはそれで、創作家の意欲を評価してやればいいです。彼女たち自身は、その時点で成人していたので、その意味では問題ないのです。自由に発想し、表現していいのです。

けれども、これを「危険な目に遭った男たちの間には愛が芽生える」と一般化し、世間でいう吊橋理論と混同すると「吊橋理論で同性愛になるって本当?」というアホ質問になるわけです。なりません。

強い友情が芽生えるのは当然ですが、性愛に転換することはありません。自分自身が女性と何かしてみたくなるかどうか考えてみれば分かることです。

「でも男と女は違うから。男はムラムラすると止まらなくなってしまうものだから」というなら、男性の性を誤解しており、彼らに対するセクハラ発言です。

自分自身が「女性に先入観を持たないでほしい」というなら、男性についても先入観でものを言うべきではありません。

【自称ノンセク女子のBL的迷信】

この手の「男はオオカミなのよ。勃起すると止まらなくなってしまうのよ」という先入観が、一人の女性において、自分自身については男性恐怖症、男同士については「ホモになる」という迷信となって両立してしまうということは、確かにあり得ます。

「男は誰でも止まらなくなってしまうものだから女は男と交際してはいけない」というのと、「男は誰でも止まらなくなってしまうものだから男に対しても止まらない」というのは、理屈としては通っていると言えるでしょう。

根本的に「止まらないわけではない」という点を勘違いしているのですが、本人としては自分の身を守るためという大義名分があるので、その勘違いをただそうとしないわけです。ただそうとすると「ひじょうに怖い」と思うわけです。

百歩譲って、これを自覚的に創作物の範囲で消化・昇華することに成功し、漫画家または小説家としてプロデビューできたなら、いわゆるトラウマを上手に利用できた・一種の病気と共存することができたということができるでしょう。

発想の転換であり、価値観のコペルニクス的転回です。よくやったといえるでしょう。

だから、この種の先入観を持っている人が、ゲイに依存するようであれば、本当のトラウマまたはコンプレックスは男性恐怖症ではなくて、それを克服または共存する過程において、失敗したことにあるのです。

すなわち創作のプロまたはコミケの人気者として成功できなかったことが恨みの元なのです。

【止まらない人々を見学しなくてもいい】

自分は襲われたくないので「見てるだけでいい」が、吊橋理論によって止まれなくなってしまった男たちを見学させてほしいというのが、新宿二丁目へ行ってしまう自称ノンセクさんの理屈ですが、べつに見学しなくてもいいのです。

よね?

止まらなくなってしまった人たちは(もしいるとすれば)その人たち同士でよろしくやっていてくれればいいのであって、女性がうらやましがる筋合いではありませんし、非難する筋合いでもありません。

もしどっちかの当事者がよっぽど嫌がっているのであれば、女性の良心として「弱い者いじめはやめなさいよ」と言ってやればいいですが、「もっとやれ」とけしかける必要はないはずです。

ここでも課題を分離しましょう。

「自分が襲われたくないので、止まらなくなってしまった男同士を見学せざるを得ない」ということはないのです。あなたに限らず、ほとんどの女性が襲われたくないに決まっていますが、BL読者または新宿二丁目まで押しかける女性は少数派です。

「自分が襲われたくなくて、かつ、止まらなくなってしまった男同士を見学する必要はない」という人のほうが多いのです。

だから、先のほうのパターンを主張する人は、たんに「止まらなくなってしまった男同士を見学するのが趣味な人」であって、ゲイはそれを(本来はパロディ創作物を示す)隠語で呼んで、何十年も前から嫌っているのです。

話がスッキリしましたか? 自分がどの立場にいるか分かりましたか?



Related Entries

SEARCH

Profile & Caution

Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験・就活を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

映画評は、アップロードする以上は「下げる」ようなことは言わないことにしております。あらすじもあまり申し上げませんので、楽しみに御覧になってください。記事冒頭の色つき文字は映画中の台詞・挿入歌の歌詞からの引用です。

なお、取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・分割・削除しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。