Misha's Casket

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男性が自分で少年漫画と二次創作BLを混同する必要はないです。

三蔵法師が女性的であったり、義経や富樫が白塗りであったり、女形の歌舞伎役者が剣戟ヒーローであったりするように、日本には女性的なほうが「品がいい・頭がいい・正義の味方である」という伝統があるのです。

また、ディズニー映画は早いうちからプリンセスものだったわけで、それに対抗するかのように、日本の男性アニメーター・漫画家自身が、悟空・アトム・厨子王丸など、つぶらな目をした可愛らしい男児を主人公にして来たのです。

よく考えると、海外でも、ネズミのジェリーやカナリヤのトゥイーティーなどの動物キャラクターが、設定上は男児なのに、まつ毛の長い可愛らしい顔をしているものです。こちらも監督および作画家の多くが男性です。

それは彼らの自尊感情(ナルシシズム)の表現として、まっとうなものなのです。

実写俳優でさえ「グレイト・プロフィール」と呼ばれたバリモアのように、いかつい俳優に較べて女性的なほうが、良い役を与えられるものです。

少年漫画に話題を絞っても、車田正美も高橋陽一も、目の大きな可愛い少年たちを描いて来たもので、それを当時の現実の男児は一人も読まなかったなんてことは、勿論ありませんね。

だから現代の少年漫画が少女漫画のような絵柄になってしまったとしても、それは(白人に較べて)線の細い日本男性のナルシシズムの一端を示しているのであって、なにも女性読者におもねって間違ったものを描いているわけではありません。

もし、それを見て「こいつとこいつを組み合わせて喜んでる女がいるんだろうな」と想像をたくましゅうしてしまうのであれば、残念ながら貴男自身がそういう女性の仲間になってしまったということです。敵を研究しすぎると、敵とおなじ発想になってしまうことがあるのです。

フェミニストが男性中心社会を研究しすぎて、ゲイに対して不当なサービスを要求するようになったのが一例です。

ですから、冷静を保ってください。少年漫画は少年漫画です。わざわざご自分の頭の中で二次創作BL化してしまう必要はありません。

ご自分から「どうせこいつとこいつを組み合わせるんだろ」などと言ってしまえば、それまでBLの可能性に気づいていなかった女性を「あッ、そういうことだったのか! うわァ、面白そう!」と気づかせてしまう可能性があります。そうです。敵を増やしてしまうのです。塩を送ってくださるぶんには構いませんが、あえて「自重なさいませ」と申し上げます。

もし、それでも面白くないのであれば、それは、その作品が現在の貴男の自尊感情を満足させないからです。すなわち中年男性が悪役として描かれている。助平・吝嗇などの属性を与えられ、笑いものにされている。そういったことが不愉快だからです。

したがいまして、「中年漫画」の可能性を探りましょう。さいとう・たかをの時代劇漫画雑誌は、11年以上続いているそうです。若者文化はいかにも盛況なようですが、若者の多くは、そんなにおカネを持っていません。1980年代とは違います。

同様に、中高年も「豊富な年金で悠々自適」という時代ではありません。通信費さえも要らない、安価な紙の漫画による娯楽というのは、スマホや4Kテレビの流行に較べて地味ではありますが、命脈を保ち、かつ太らせる望みはあります。

なお、ジブリアニメの初期を支えた徳間康快が名言を残しているようです。「カネならあるぞ、銀行に」 もちろん強盗しろという意味ではありません。ご自分(たち)で企画書を書いて、融資を引っ張るのです。



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