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現代同人の基礎知識。

ここから「大事なことなので、もう一回いいますよ」という記事が続きます。




当方は、当初から大学を拠点とする研究者・評論家に向かって「それでもプロか?」と問うているものです。

なぜなら、今なお大学の授業でBLを使用することがあるそうだからです。若い人々が間違ったことを教わっちゃう前に、在野の「表現の自由」として、言えることは言っておきます。

大学というのは、国立と私立でだいぶ差がありますが、国から補助費を受けているのです。研究のプロが、アマチュアの「少女」たちと一緒になって、「どうせ私も女の子だから~~」と言って自分を甘やかしていては、いけないのです。

いっぽう、同人(≒コミケ出展者)が「私の『薄い本』はよく売れていたのに、M事件のせいで売れなくなったんですよ!」という不幸自慢するために飛び出してくる必要はありません。自分のブログでやってください。

ただし、すでに「性的マイノリティ」を自称している場合には、ゲイ・レズビアンのフォロワーさんを減らします。覚悟しましょう。

二次創作BL同人というのは、実在の同性志向男性にとって、不倶戴天の敵です。

なぜなら、二次創作BLというのは、ストレート男性キャラクターを利用するので「ストレート男性が条件次第でホモになる」という偏見を強めてしまいやすいからです。

実在の同性志向男性たちは、何十年も前から「そのせいで僕らに変な質問して来る女が増えた」と感じています。レズビアンたちは「アニメキャラクターのような可愛い顔した若いゲイを探しに来るストレート女性たちによって自分たちの居場所が侵害されている」と感じています。

同人側に「そのつもりはない」と言うなら、自分の読者さまに向かって「ぜったいに現実と混同しないでください」と言っていく必要があります。じつは言うまでもなく、ほとんどの同人・固定ファンが分かってるんですけれども、分かってない人もいるので、トラブルが続いているのです。

また「六色の虹」は世界的にゲイプライド運動の象徴ですから、「二次」をぼかすつもりで「虹」と書けば「虹で検索かけたら変なのが引っかかって来た」ということで、彼らを本気で怒らせる可能性もあります。

同人の中でも、二次創作同人は、男女を問わず、社会に対して「甘える」という傾向があります。著作権問題について「大目に見てもらえる」とか「編集者が気を利かしてくれる」などという勘違いを広めてしまったせいです。1970年代の先輩たちには、そのつもりはありませんでした。

本来「二次創作は遊び」というのは「だから絶対に本物に迷惑をかけるな」という意味です。遊びといえば許されるという意味ではありません。

BLファンというのは、多くの場合、健常な性的マジョリティ女性です。精神病でもなければ、母親のトラウマによる人格障害(アダルトチルドレン)でもありません。トランスゲイでもありません。そのふりをすることは、本物の当事者のご迷惑であり、不適切です。

同人というのは、あえて言えば、職業的クラスタの一種であって、少なくとも一部の国民に「続刊が楽しみだから明日も生きてみよう。コミケへ行くおカネがほしいから今日も一生懸命働こう」という夢と希望を与えているのに差別されているという状態です。それに対して反対する権利はあります。

けれども、BL的興味を持ったまま、「弱者同士の連帯」と称して、ゲイコミュニティに走りこんでしまうと「漫画に描いてあるみたいに吊橋理論でホモになるって本当ですか~~!?」と質問する人になってしまうのです。

実在の同性志向な殿方たちが「怒髪天を衝く」ということになるのは当然です。

それに対して「どおしてそんなに怖い顔するの~~? 私は可哀想な女の子なんですよ~~。お母さんがトラウマなんですよ~~」と泣き真似する自称「女の子」があれば? フェミニストはなんと言いますか?

「女性がそのように弱者ぶりっこして生きていくのは当然の権利です」ですか? それとも「女性はもっと『しっかり』しましょう」ですか? おそらくフェミニストの中でも意見の相違があることでしょう。

なお「ゲイは男だから女のほうが弱者じゃん」とは言えません。なぜなら、異性志向の女性が結婚しない自由は昭和22年5月3日から施行された憲法で保障されていますが、同性志向の男性同士が結婚する自由は認められていないからです。

今なお、個人の心身に関する自己決定権と幸福追求権を侵害され続けているのは彼らです。

どの「クラスタ」も、国家による表現規制に対して「自由を守りましょう」の一点で同意し、エール交換することはできます。けれども、それぞれに立場がちがいます。迂闊に「連帯」ということはできません。

経験的に、同人というのは頭のいい人々で、裏の裏の裏まで読んでいるようなところがあります。漫画というのは「ポンチ絵」と呼ばれていた時代から政治諷刺を機能の一つとしていたものですから、その同人というのも、諷刺・皮肉の上手い人々で、それだけ頭の回転が早く、複眼的な視点を持っているものです。

また、出展を続けている人・出品物の購読を続けている固定ファンというのは、イベント存続が最優先ですから、めったなことは申しません。何十年も前から、他の町・他のコミュニティには迷惑をかけない約束を守っています。現代のSNS発言の際も、周囲に気を使っている様子が見られるものです。

気を使わないのは、すでに出展を辞めてしまった人。および、実際の出展経験がなく、インターネット上で騒いでいる人(炎上に便乗しているだけの人)です。腹の底で「実在イベントなんかどうなっても構わない」と思っている。

もっと悪いのは「自分の同人誌が売れなくなったから、現役を困らせてやりたい」という復讐の動機があって、しかも自分でそのことに気づいていない人です。人間は「自分に嘘をつく」ということができてしまうのです。

「私のことかしら?」と思ったら、改善の第一歩です。本当にまずいのは「私のことじゃないわね」と高をくくってしまうことです。気をつけましょう。


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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。