Misha's Casket

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【同人の心得】人気は一過性であり、甘い世界ではありません。

同人としての人気は一過性のものです。深くうなずく先輩なら大勢います。赤字を出しただけだったという人もいるはずです。甘い世界ではありません。

最低でも自費出版の元を取りながら、数十年間も出展または委託販売を続けていられる連中というのは、けた違いの才能の持ち主です。勉強も続けています。絵のレベルはどんどん上がっています。原作も読み込んでいるし、漫画・アニメ以外の専門知識も豊富です。あえて言えば、プロになるより同人として生き残るほうがむずかしいと思いましょう。

経験者は、甘い世界かのように思わせてはいけません。「うまくやる」などと言うものではありません。昔の先輩は「親を泣かせることになるからやめておけ」と言ってくれたもんです。

第二次ベビーブーマーの半分に減ってしまった若い人、とくに将来有望だったはずの学生さんが「濡れ手であわ」などということに気を引かれ、勉強しなくなって、政治にも金融にも医療にも福祉にも防災にも関心をなくしてしまえば、あなた自身の老後にかかわります。

なお、出品物・出展形態・サークルの規模などに多様性があることは、もはや外国人がブログで報告してくれる時代です。一面的な理解は通用しませんから気をつけましょう。

若い方のために申し上げますと、同人活動は、あなたにとって学業成績を悪化させる危険性を高めます。周りの人から勧められても決然として断る権利はあなたにあります。始めた以上は自己責任です。華やかに見える自由は義務をともない、自己責任とは自分だけ苦労すればいいんでしょと開き直ることではありません。

【もしも中年がからかわれたら】

中年出展者が若い人から「いつまでやってるんですか?」と言われたら、「早くブースを空けてください。後がつかえてるんです」という意味です。

が、「どうすれば生き残ることができるんですか?」と、うらやましがられているのでもあります。これも前にも言ったような気がしますが、若かった人も順に歳を取るので、また言っておきます。

【趣味が上手くなるために苦しむことができる人は、人生の喜びを知っている人です】

人生も、趣味も、他者との競争ではありません。昨日の自分よりも、一瞬前の自分よりも、良いものを描こう、面白い話を考えようという気持ちこそ、人生の喜びそのものであり、評価そのものです。

だって、明日おおきな災害が起きるかもしれません。交通事故に遭うかもしれません。もっと単純に、コーヒーこぼすかもしれません。出品するつもりだったのに、ダメになってしまうかもしれません。

そしたら、あの努力した時間は無駄だったということはないのです。あなたはその時間を精一杯に生きたのです。わが人生にいっぺんの悔いなしと言いましょう。

「カネにするつもりだから趣味ではない」とも言えません。プロだって「カネにならないなら描く必要ない」とは思っていません。

どうせボツになるかもしれないと思って手を抜けば、本当にボツになります。「どうせボツになるかもしれない」と思いながらも最大限に努力できた奴だけが生き残るのです。

最大限に努力した後で、他人に見てもらったら、おカネになること「も」あるのです。「俺、がんばった」という達成感の後で、ごほうびとして、おカネが入って来ることもあるのです。

その努力を支えるのは、やっぱり「好きでこの道に入った」という気持ちです。

読者はちゃんと見ています。漫画そのものへの愛情と誇りを持って描いている奴の作品は、エロだろうが、グロだろうが、やっぱりよく出来ています。コミケなら尚さらです。

コミケは、もともと同人どうしの切磋琢磨の場です。若いプロを見切り発車させる編集者よりも、コミケの常連の眼のほうが厳しいと思いましょう。

編集者に励ましてもらえないからこそ、自分で自分を鍛えることのできた奴だけが、常連から認めてもらえるのです。「どうせ」と思って手を抜く者に、明日はありません。

闘う相手は、自分自身です。


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