アプレゲールの終焉。

  30, 2017 11:03
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1980年代を知っている人は「若者=非行文化、オジ・オバ=保守派」という二項対立の中に生きています。けれども自分自身がオジ・オバになってしまった今、ほんとうに若い人を困らせるのが、中年の不良ごっこです。

若い頃には、自分自身が「お母さんは頭が固い。私のやりたいことに口出ししないで」って言っていたはずです。

それが今では、ほんとうに若い人から冷たい眼で見られているのです。性的な意味で過激な(二次創作)BLのことを「少女のロマン」だと思っているのは自分だけで、ほんとうに若い人が「いつまでも80年代の気分でいないでほしい。仲間だと思われたくない」と思っているのです。

【最後のアプレゲール】

谷崎潤一郎の小説『鍵』に「お前こそアプレだ」という台詞が出てきます。アプレゲール。戦後ふうという意味です。戦前の貞操観念にとらわれない自由な世代という意味ですが、かんたんにいうと、行儀が悪い女です。

それを「お下品けっこう」といって開き直ったのが、まさに1980年代フェミニズムだったわけで、それを知っている人は、いまだにそう思っていることがあるのです。

つまり、1980年代が終了するまで「アプレ」の時代が続いていたのです。戦前的なお上品さ・文部省(当時)推薦的な価値観を打ち壊すことがカッコいいと思われていたのです。

けれども、バブルが崩壊して大不況の時代が来ると、社会には「今までのやり方が間違っていたんじゃないか?」という問い直しの気持ちが生じたのです。

小林よしのり『戦争論』が流行したのが一つの象徴で、あのへんで『理由なき反抗』の時代が終わっちゃったのです。

不況の時代を「癒し」と「絆」をモットーに乗り切ってきた世代は、よくも悪くも横並び志向で、自分だけ突出することをいやがり、他人が目立とうとすることも嫌います。

だからこそ、業務妨害動画投稿のような極端な目立ちたがりも出てくるのですが、それに対する批判もものすごいわけです。

社会情勢が変わったので、価値観が逆転したのです。もう「法律違反上等じゃん。非行は若者・少女の特権です」という顔が通用する時代ではないのです。

中年が暴言を流してしまった時に「生温かい眼でウォッチする」と言ってくれる人はまだマシです。本人も「ニート、ヒッキー」という自認である可能性が高いです。けれどもブラックな勤務に耐えている若い人々は、中年が「自分だけうまくやった」という話を許しません。

本当に法律を勉強して「もともと二次創作は違反には当たりません。国家権力を濫用してはいけません」ぐらいは言える必要があります。「女の子をかばってくれる人がいる」ではダメなのです。

【ポストTPP】

TPP関連の著作権保護強化の件は、日本人どうし(著作権者と二次創作者)で話し合うべきことを、アメリカの機嫌を取るために日本の役人が勝手に決めて来ちゃったという話だったから、政府の横暴に対して日本国民の表現の自由を守れという反権力・反米闘争に落とすことができたのです。

けれども、日本国内においては、著作権者に失礼なことを言わないのが基本です。一般国民の皆様に対して「当事者間で話し合う権利を留保させてください。我々を目の敵にしないでください」と言う時には、なによりも大切なのは丁寧な言葉使いです。

ここで「もう男に遠慮するな! 女性がお上品にする必要はありません!」っていう人は、1980年代のちっちゃいフェミニストのままです。その態度で「同人はフェミとは別よ」とか言っても説得力ありません。

(1980年代の少女同人は「もう男に遠慮するな」って言っていたのです)

第一、男性だって、ひとにものを頼む時は丁寧な言葉使いが重要なのです。1980年代は終わりました。非行文化は時代遅れです。もう「そこんとこよろしく。イエ~~イ」では通用しないのです。

くり返しますが、仁義とは自分を守るための約束です。現役は公共交通機関利用のマナー、会場および周辺利用のマナーを守りましょう。

徹夜するなと言われたら、徹夜してはいけません。自分たちで決めた約束さえ守れないようでは、そのうちもっと悪いことをするに違いない、早めに規制しろと言われるだけです。サブカルは不良グループではありません。

私鉄の職員に「駅のマナーを守ってください」とツイートさせるなんざ、サブカルの恥です。

覚えておきましょう。


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