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もう、ディープとライトの二項対立は無用です。

戦中はもちろん、戦後まもなくの実写映画は、記憶が新しかったので軍隊関係の描写がほぼ正確です。もちろん何事も鵜呑みにはしないのが最大の前提ですが。

1970年代になると、漫画チックな誇張が混入してくることがあって、実写映画といえども信用できなくなって参ります。

1990年代以降は、インターネットの普及により、情報交換が盛んになって、素人もだいぶ知識をつけました。

その間の1980年代には、プロ小説家の作品といえども、漫画的誇張の影響を受けており、情報が錯綜しているということがありますので、孫引きする際には気をつけましょう。

旧海軍の軍人は誰でも襟元に白いマフラーをあしらっているというのは間違いです。マフラーは航空隊員の防寒用ですから、艦内勤務・地上勤務・軍医などは巻いておりません。南方戦線なら尚さらです。

現代の警察官がこの季節になると、紺色の外套の襟元に白いマフラーを巻いておりますが、あれはもちろん防寒用です。

見た目にかっこいいので、創作物に取り入れたくなりますが、分かっていて「おはなしだから」と言えるのと、本気で混同しているのとはちがいます。

最近では正確に描かれた戦車にミニスカートの女子隊員が乗っているという混合的作品も盛んですし、美少年キャラクターを消費するゲームに関連して実際の日本刀に詳しくなるという女性も増えました。

これはやっぱりインターネットによって調査がしやすくなったこと、専門書を検索して取り寄せることが簡単になったおかげです。

1980年代は、まだ「アプレゲール」の途上にあり、戦前的な価値観を打ち壊すことがカッコいいと思われていました。女性が男性のアドバイスを聞かずに、本当に手抜きして、それを「女性の自由」と称することが流行の最先端だと思われていました。

でも、もう通用しません。「ライト」と「ディープ」を分けて考える説もありますが、二項対立は必要ありません。

念のため、分けて考えたことが悪いのではなく、その時はそれで上手くまとまったんだけれども、そこからの「互いのいいところを取り入れよう」という変化が起こるので、認識も更新される運命なのです。

で、いまや「お題」に合わせて四コマ漫画をちょこちょこっと描いてSNSに流すフットワークの軽さと、趣味的満足を兼ねて歴史や軍隊を調べつくす熱心さの両方が必要なのです。

1980年代は、1970年代の第二次ベビーブームの出生者の成長期に当たっていたので、同級生に支えられて「女だけで『うまくやる』ことが出来る」と信じることができました。ずっと人数の少なくなってしまった現代では、もう「男は読むな。女は観るな」とは言っていられません。

女性が男性も納得させるものを描く。男性が女性を不愉快にしないものを描く。やってのけたのが細田や新海です。女流作家のスポーツ小説は、ややBL的な雰囲気がありながらも、男性読者をも得て、一般向け映画にもなっていますね。

もう、1980年代の常識は通用しません。若い人は言われるまでもなく進化を続けています。若い人は引き続き自分に正直に、がんばれるだけ頑張ってください。

中年は、他に話題がなければ昔の自慢話をしてもいいですが、若い人に向かって「遊びだからもっと手を抜けばいい」とか「エロしかあり得ない」とか、アドバイスのつもりでくだらない先入観をひけらかすことのないように気をつけましょう。



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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験・就活を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

映画評は、アップロードする以上は「下げる」ようなことは言わないことにしております。あらすじもあまり申し上げませんので、楽しみに御覧になってください。記事冒頭の色つき文字は映画中の台詞・挿入歌の歌詞からの引用です。

なお、取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・分割・削除しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。