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結婚しなくても母親もどきになることは出来てしまいます。

差別的な同人と表現規制大好きPTAは似ている、という本当にあった怖い話。

まず、当方は1980年代の白泉社『花とゆめ』誌上で同時に連載されていた『ガラスの仮面』と『スケバン刑事』と『パタリロ!』を毎月2回読んでいたものです。左から順に、女流少女漫画・男流少女漫画・男流美少年漫画ですね。

和田慎二というのは、ごく当たり前に少女読者に人気があったことと思いますが、いっぽうで早い時期から「ロリータ・コンプレックス」を自称し、可愛らしい少女を描く一方で、サスペンス、ホラー、特撮怪獣映画のような要素を含む作品など、多彩に手がけておりましたから、男性ファンが『花とゆめ』を購読することも多かったでしょう。

魔夜峰央作品は上記のとおり男流による美少年ものという特異な表現ですが、西村知美も絶賛したとおり、ミステリーの要素を含んでおり、じゅうぶんに男性読者を得ていたはずです。

魔夜と同世代(永遠の28歳)の男性漫画家は「俺は男だから二十四年組なんて読んだことがない」って人は少ないだろうと思います。萩尾望都の紫綬褒章受賞には同じ漫画家として誇らしい思いをしたことでしょう。

漫画もご多分にもれず男性専科として始まりましたが、水野英子を皮切りに女流が成長を始めると、双方向性の交流が生じて、多様な作品群に結実したのでした。

若い女流による『ここはグリーンウッド』は寄宿制男子校漫画ですから、伝統的な美少年ものに則っていますが、それだけではない。なるほどうまく考えたなと思いながら拝見しました。というわけで、今でもなんでも読むのが当たり前だと思ってます。

けれども、いつの間にか、少女漫画を読めない人だけが、やむを得ずBLを読むことになってしまっている。一体いつから、そんな心のせまい人が増えたのか?

いっぽうで、現代の若い世代からは「BLにエロは要らない。原作を踏まえた二次創作が好きだ。せっかく書いたのに山も落ちもないなんて呼ばれたくない」など、さまざまな声が挙がっています。

問題は、なぜそのような声があるのか? です。

すなわち、誰かが偏見を持っているので、発言者たちがやりにくさを感じているということです。それが男性であれば、女性が団結して「女性の人生と表現の多様性を尊重しましょう」という掛け声に集約すればいいです。けれども、どうもそうじゃないのです。

当方んところへ、ひじょうに心のせまいクレームを言って来る女性があったからです。

いわく、自分の発行していた「同人誌」には少女キャラクターなど登場しなかった。過激な「エロ」だけを求めて自分の同人誌を買いに来る少女が大勢いた。市販少女漫画は少女キャラクターを無視して男性キャラクター同士のBL展開を期待するのが正しい読み方である。アニメキャラ自体のファンなどいない。

それを知らないのかと言って、人格攻撃して来るのです。しかも仲間であり、お客様であったはずの人々を笑いものにして、自分だけ面白がってしまっている。

でも、若い人々からは、まさに「1980年代ふう過激表現にはついて行けない」という声も挙がっているのです。

ここから分かることは、二次創作同人の一部がBLを私物化してしまっているということです。

「同人誌」と称する個人発行誌の売上に(いまだに)興奮してしまっており、権力意識にとらわれてしまっている。自分だけが正しいと信じ込んで、他人の経験・好みを尊重することができず、コミケに来ない人や、コミケの後輩を差別して、泣かせているのです。

その被害者たちが、インターネット掲示板やSNSに嘆きの声を落としているのです。

本人が「自分には仲間が大勢いる」といって権力意識にとらわれている以上、こんな人が何人かいて、イジメグループを形成しているのでしょう。なるほど、一次と二次の対立なんて、くだらない話もある道理です。

でも、若い人々からは、まさにそのような対立を疑問視する声も挙がっているのです。

【母親のエピゴーネン】

歴史を通じて、つねにそうであったように、上の世代のやることを見ながら育ってきた若い世代は、思われているよりも冷静で、クレヴァーです。

その声をすくい上げることのできない中年とは、たとえ本人が独身であっても、高圧的な母親にそっくりです。「みんなと同じようにしなさい! 私の言うことが聞けないの!? どうせあんたなんかなんにも知らないくせに!」というわけです。自分の視野がせまいだけなのに。

もし、本人が「厳しかった母親がトラウマになっている」と言うならば?

価値観の多様性を自分に対する挑戦のように感じ、勝ち負けの文脈に乗せてしまう。競争的ライフスタイルを母親から受け継いだというわけです。

まことに残念ながら「母親を見ていたら結婚したくなくなってしまった」という人も、母親のような女になることだけはできてしまうのです。

創作物と鑑賞態度の多様性を認めない心は、異性に向かえば「巨乳なんか描くのやめなさいよ」となります。どうせ本物には興味ないんでしょ、肩こりのつらさを知らないんでしょ、となります。

だったら「本当のゲイのつらさを知らないくせにBLなんか書くなよ」って言えてしまいますわな。

二次創作者が「もともとゲイ設定ではないアニメキャラクターが同性愛の快感に目覚める」という話を量産し、流行させたことによって偏見が助長され、ゲイたちは失礼な女性から下世話な質問を受けるはめになって、えらい苦労させられているのです。

百歩譲って男同士のハッピーエンドを演出したというなら彼らも喜んで読んでくれるかもしれません。けれども彼らが最も嫌うのは、女性の興味本位に男性の尊厳を傷つける暴虐な「エロ」です。

有名キャラクターを得手勝手に利用する二次創作は、その作者・読者に過剰な優越感・自我拡大感を与えることがあります。「見てるだけでいい」と申しますが、ぶしつけな視線は暴力の一種です。

その優越意識は上記のとおり簡単に他者への支配欲となり、規制・命令となります。そうです。一見すると真逆な過激二次創作BL同人と表現規制系PTAの興奮は、根っこが同じなのです。

弱者を装った女性の支配欲です。少なくとも、ときどき、そういう人がいます。本人も周囲も気をつけましょう。



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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。