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1980年代の二次創作BL小説同人の勘違い(1)

「同人誌とはアニパロです!」と言っちゃうレベルの同人および同人誌即売会一般参加者における無根拠な優越感という話。

まず「コミック」マーケットとは、その名の通り、漫画同人会の集合です。

大学生・高校生による部活動の一種だった同人会が卒業とともに自然解散して、もともと熱心に描いていた者だけが、そのまま同人会を名乗って、同人雑誌の執筆・出展(=即売)を続けているということもあります。

「看板作家=編集長」ということですが、これは19世紀の文芸同人誌にも見られた現象ですから、めずらしいことじゃありませんね。

その漫画版が、20世紀中頃から、わが国において盛んになったわけですが、当時の中学生のなかに勘違いしてしまう者が出ました。

自分では漫画を描いていないのに、漫画出版社・プロ漫画家に対して、漫画同人会のほうが「えらい」という優越感を持ってしまったのです。

もともと漫画同人会を集結させようと企画した人々には、手塚治虫の会社が発行していた前衛的漫画雑誌『COM』が(売上不足によって)廃刊した後、明日の漫画の方向性を探るという使命感を持っていたので、それなりの自負心もあったのです。

それを、自分では漫画を描いていない中学生が取り込んでしまった。

中学生らしい「自我の拡大」の一種です。虎の威を借りる狐です。漫画同人会の集合と、その作品を求める人の列が大規模なので、幻惑されてしまったのです。

【小説同人の勘違い】

じつは、漫画同人会の集合だったところが、一名を「同人誌即売会」と称したために、文芸同人会およびアニメファンクラブが自主参加してきて、会報を出展するということが起きたのです。

それに掲載されているのは、文章のほうが多かった。文芸同人誌は小説を載せており、アニメファンクラブはテレビ番組の感想文などを載せている。当然ですね。

やがて混合文化が発生し「アニメ番組をインスピレーション源とした小説」というものが固定客を獲得して流行しました。

そういう状態になってから参加するようになった中学生が、勘違いしたのです。漫画に較べて小説のほうが、専門用具をそろえる必要がないですから、執筆に取り掛かりやすいので、自分もアニメ番組から得た情報を部分利用した小説を書いて、同人会の真似をして、自分自身のペンネーム以外に団体名を名乗り、出展申し込みをして、実際に出展した。

ここで申し込みを受け付ける側が、会員が一人しかいない同人会は同人会として認めないという審査を実施していれば、この事態は起きなかったのですが、参加者の完全平等をモットーに、詮索することをしなかったのです。

つまり個人的に申し込んだほうで、平等の精神を悪用したのです。

「まず有志を募って、雑誌を編纂し、しかる後に出展を申し込む」という正規の手続きを踏まず、先達の漫画同人会に敬意を表して自分も漫画の描き方を勉強するという手間をも惜しんだ。

その程度の者が、先達の漫画同人会たちの「我々が明日の漫画の方向性を決める」という自負心だけ、共有してしまった。

で、あろうことか、出版社・プロ漫画家に対して優越感すなわち差別意識を持つようになってしまったのです。完全な勘違いです。

くりかえしますが、本人が書いているものは漫画ではありません。完成形を得た小説作品でさえありません。中学生の頭で思いつくままの散文。まさに「山も落ちもない」落書きだったのです。

後の時代の研究者の間違いは、その落書きを研究しているつもりで、コミケ成立以前からプロとして活動していた成人創作家たちも、子どもと一緒になって自虐していたと言ってしまったことです。

女性は自分で自分の言っていることを理解できないのです。自分のやっていることを客観視できないのです。

これには男性諸氏も気をつけましょう。女の言うことを真に受けてはいけません。

とくに「フェミニスト」と自称・他称する女性研究者およびその言いぐさを真似た1980年代の中学生は、女性の特権という意識に酔ってしまっており、反省することを知らないということがあります。

たった一つの真実は、分かってしまえばそんなにややこしい話ではありません。話がおかしい時は、証人自身が勘違いしているのです。



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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験・就活を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

映画評は、アップロードする以上は「下げる」ようなことは言わないことにしております。あらすじもあまり申し上げませんので、楽しみに御覧になってください。記事冒頭の色つき文字は映画中の台詞・挿入歌の歌詞からの引用です。

なお、取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・分割・削除しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。