2001年1月、井坂聡『人間の証明 2001』テレビ東京・BSジャパン

  24, 2017 11:03
  •  -
  •  -
いっそのこと忘れてしまえるなら、いちばん楽なんです。

原作:森村誠一(角川文庫刊) 脚本:清水有生 音楽:和田薫 撮影:佐野哲郎 照明:渡部嘉 美術:太田喜久男 録音:鈴木肇

ビデオ画質。(まずそこ)

テレビ東京「愛と女とミステリー」第1回作品につき、高島礼子演じる女性刑事を投入したホームドラマ仕立て。子役たちがすこぶるいい演技します。

物語を1970年代から2001年現在までに移したので、沖縄ロケを敢行いたしました。主演クレジットは渡辺謙(1959年10月生まれ、撮影時41歳)。まだ若さを残しておりますが、底力を見せてくれます。冒頭はミレニアム熱も過ぎた日本の首都の気だるい爛熟ぶりをホームビデオ的な低い視点でとらえた構図が印象的です。

男性向けアクション映画の一種だった1977年版のスピード感・スケール感とは較べるべくもありませんが、ちょうどその行間を埋めたというべき共感度の高い心理劇となっております。

刑事部屋における会話、証人との会話など、刑事の職にある人々の日常的生活感を重視した演出で、画的には面白いことありませんし、会話で説明しちゃってるわけですが、逆に「これが女性向けテレビドラマ話法なんだな」と思うと興味深いです。(良いところを見つけましょう)

いわゆるトラウマに突き動かされるという表現がやや気になりますが、日本人の好きな要素ではあります。田中邦衛はさすがの名演。

四人の息子、四人の母親。真の強さを知る男たち。

脚本はじゃっかんなんというかこのアニメレベルですが、「新世紀に向かう」という台詞がある通り、戦後日本の成り立ちの根幹を問い直す問題意識の質は高く、タイトルが示す主題をも尊重した、見事な翻案だと思います。

女性視聴者を意識した(と思われる)テレビ番組らしく、いしだあゆみの服装も魅力的。印象的なスーツは、たぶん森英恵。劇中劇がやや長いので、1950・60年代のミュージカル映画トリビュートなのかもしれません。



Related Entries