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1954年、エリア・カザン『波止場』(ON THE WATERFRONT)

Boys, this is my church!

原案:マルコーム・ジョンソン 原作・脚本:バド・シュルバーグ 撮影:ボリス・カウフマン 美術:リチャード・デイ 音楽:レナード・バーンスタイン

第27回アカデミー賞8部門受賞。仁義なき港町リアリズム。荷揚げが人力だった頃。フォークリフトさえ無かったようです。ギンバイ禁止。

義理と人情秤にかけりゃ、どっちも重くて身の危険。ドン・コルレオーネも昔は若造でした。

港湾労働者の生活ぶりを明るいコメディタッチで描くのはマキノさんが得意でしたが、こちらはシビアな社会派自然主義路線のようです。

「合法的な組合」の実態は……。いずこも同じですが、解決方法がアメリカ的なのが興味深いところ。日本では悪い暴力団に対決するのは昔ながらの旦那衆ですが、かの国では墨染めの衣の人のようです。

これが『空海』とか『日蓮』などの宗教者を中心に描いた作品では「ない」ところが日本人としては特筆すべきことのように感じられるわけで、今なおこれがアメリカの本質なんだろうと思います。

また「警察を入れるんじゃねェぞ」という日本に対して、最初から「公聴会」が関わっているのもアメリカ的。

内部告発の波紋ということで、今なお新鮮なテーマだと思います。

なお、向こうの若い男は不器用な日本男児とちがって、女の前でよく喋ることです。女のほうもよく自己主張することで、ここはやっぱり戦後の女権意識の伸張を反映しているのかもしれません。

女のヒステリーが、かえって男を冷静にして、腹をくくらせるのも洋の東西を問わないようです。

というわけで、途中に嫋々たるバーンスタイン的ストリングを効かせたロマンス展開があって、先が思いやられることですが、じわじわと面白くなるので頑張りましょう。

こういう話のラストは、日本的娯楽作品では殴り込みによる敵の壊滅、社会派路線だと主人公側の敗北が定番ですが……。アメリカの良心とは? 観てのお楽しみ。終盤にかけて印象的な画が続きます。

DVDは、2003年のデジタル・ニューマスター版で、画像がたいへんきれいです。


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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。