BLによって、女性の人生は変わりません。

  10, 2017 11:00
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「男と男が男と女の真似をする」というのは、何千年も前から、世界中の男性が共有してきた先入観です。

若い女性が創作物を通じてそれを知ったということは、たんに固定観念を確認しただけであって、なにも否定したことにはなりません。

彼女が既成の価値観を否定し、社会から自由になったことを意味しません。

「男と女はそういうことをする。男と男もそういうことをする。どっちも私には関係ない。私自身はなんのために生まれて来たのか分からない」というだけです。

そのままです。なにも変わっていません。

BLを読めば読むほど「生きていても仕方がない」と思う可能性はあります。摂食障害が強まる可能性もあります。リストカットに向かう可能性さえあります。少女はBLによって救われるとは限りません。

読んだだけでは何も変わらないのです。

ほんとうに若いとき(20代前半くらいまで)なら、異性の姿が描いてあるので魅力的に感じることもあります。自分自身が「まだ大学生だし」と思っているので男女交際にも結婚にも就職にも、いまいち本気ではありません。創作物の世界にひたることができます。

けれども、だんだん「自分自身は何なのか」という絶望や焦りが深まるのです。すると「私がBLしか読めなくなったのは男性中心社会のせいよ。ふくしゅうしてやる!」という気分になってしまいやすいのです。

だから、ふつうに自分の意見として「BLを発禁にしないでください」といえば充分な場面で、攻撃的なツイートを流し続ける人もあれば、越境クレームする人もあれば、ゲイなら分かってくれると思って新宿二丁目へ乗り込んじゃう人もあるのです。

そして「私まだ若いのよ! 少女なのよ!」というのです。

そういう例を見かけたら、ほんとうに若い人は「気をつけないと、ああなってしまう」と思ってください。

【ゲイは分かってくれません】

とくに「男同士は異常だ」という言葉にクレームがつかなかった時代(1980年代)の人は、やっぱり「女よりも可哀想な男がいる」と思うことで自己満足していたので、今でも「ゲイは結婚できないから可哀想」という先入観があるのです。

でも、実際に行ってみると、今のゲイは婚活している。すでに何十年も同居しているというカップルもある。彼らの邪魔をしている自分が、よけいみじめになるのです。

いつまでも自分のやっていることに気がつかないようなら、彼らから「何しに来るの?」と言われることになります。

「署名運動にも清掃活動にも協力しないで、ぼくらを見物したいだけって失礼でしょ?」ってね。今のゲイならハッキリ言います。これからは、もっと彼らが自分の権利をきちんと言うようになるでしょう。

教育現場での対応も進みつつあるからです。人権教育を受けた同性志向の若者が、中年女からプライバシー侵害されたといえば、社会は若者の味方をするのです。

【自分の選ぶ道】

竹宮恵子や栗本薫のように「私は美少年を描くことによって救われた。スランプから脱出した」という人々は、じつはその前に一般向け作品でプロデビューし、単行本を出すことに成功しており、増刷のたびに印税をもらえる契約をしてあったのです。

それは、すでに成功した大人の余裕であり、「次に何を描くか」というプロとしての職業上の悩みであって、彼女たちはBLではないものによって「親元から独立する」という変化を成し遂げた後だったのです。

でも、まだ若く、親元にいて、学校も卒業していない女性たちが、自分の人生を変えるためには、猛勉強して、ちゃんと自立するしかありません。

美容師でもいいです。ペットトリマーでもいいです。看護師でもいいです。助産師でもいいです。花の苗を育てる人でもいいです。他人の子どもを教育する人でもいいです。

自治体福祉課の職員になって、他人のシングル育児をサポートしてあげるということもできます。弁護士や行政書士などになって、ゲイカップルの人生を手伝ってあげることもできます。

どこへ入社・入庁しても希望の部署に配属されるとはかぎりませんが、まず何の免許も持っていないのでは話になりません。

総合職になりたいなら英語は確実に身につけましょう。一般職希望なら、エクセルなどを覚えましょう。(最近の若い人は、スマホ一辺倒で、キーボードをさわったこともないのだそうです)

夜の余暇時間に何を読もうが、観ようが、他人には関係ありません。自分自身が「昼間なにをする人になるか?」と考えてください。

【創作家の道】

漫画でも小説でも、プロデビューした連中というのは、中学生の頃から作品を完成させています。

「圧倒的なデビュー作」をひっさげてデビューした人は、圧倒的に近い習作を100本くらい、勉強机の引きだし(またはローカルパソコンのフォルダ)に隠し持っています。

最近では「同人誌」が18禁を名乗るようになったので、これから読んでみて、これから描いてみようと思っている人もいるかもしれません。

それだけで50年間食っていくつもりなら、本腰を入れてください。

同人界の先輩たちは、男も女も本気で「なめんじゃねェ」と思っています。



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