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他人の感情まで真似してしまうと、鬱病になります。

念のため「同人・BL関連の話題から、最終的に一般的な注意喚起する」という記事です。


まず、「コミック」マーケットに集まる二次創作BL同人の話をしているはずなのに、プロ小説家の名前が挙げられたり、作例としてインターネット掲示板に投稿された文章が挙げられたりする現象について、「おや?」と思いましょう。

じつは初期の「アニパロ」には小説の形態を取ったものがあった(というか主流だった)ので、今でも二次創作というと「それは小説です!」と思っている人が時々います。だから話が混乱するのです。

だから、まずは「コミック」マーケットだから漫画同人が参加するのが本来なのに、イベントの別名が「同人誌即売会」だったために、文芸サークルによる小説同人誌や、アニメファンクラブによる会報も出品されるようになったという経緯を知っておいてください。

さて。

1975年に「同人誌即売会」が初開催された時、中高生だった人は、1970年代後半には18歳以上の成人になります。大学進学率は今ほど高くなかったので、高卒でお勤めを始めて、立派な社会人になったという人も多かったでしょう。

だからといって、コミケから「足を洗った」とは限りません。会社勤務しながら趣味的満足を兼ねて自費出版を続けることもできるわけですし、出版社への投稿も続けて、プロデビューしたという人もいます。日本中に何十万人もいるわけじゃありませんが、確実にいます。

彼(女)たちが、少々性的な漫画を描いて、コミケ限定で発表し、共有していたとしても構いません。成人ですから。

また、アニメ関連のジョーク的作品が出展されていたとしても構いません。

1970年代後半は、映画としてもテレビ番組としても、今なお有名なアニメ作品が目白押しだった時代で、新聞などのマスメディアによっても「アニメの大流行が始まった」と認識された時代です。

漫画家の習性として、流行をすぐに取り入れる・しかもそれを茶化すというのは当然です。むしろ正しいです。

並行して、文学界の隠れ水脈として、谷崎潤一郎・澁澤龍彦・団鬼六以来の特殊趣味小説、三島由紀夫・森茉莉以来の美男子小説があったので、そのアマチュア版が「おなじ同人誌」ということで出品され、共有されていたとしても構いません。

画壇からは評価されない漫画。実写に対抗し得ると認識されたばかりのアニメ。文壇からは評価されない耽美小説。

それらをすべて「サブカルチャー」として、作者・読者の性別にこだわらず、平等に取り込み、コミケが急成長したなら、まさにそれこそコミケの誇りです。

ここまで、よござんすね?

問題は、これに当時の中学生が目をつけて、買いに来てくれるならまだしも、出展のほうを真似するようになった時です。

ろくに絵の描き方も知らないくせに、ガリ版刷りの苦労も知らないくせに、親からもらった小遣いで印刷所にオフセット印刷・製本を頼むことだけ覚えてしまい、見るに耐えないような「同人誌」をかついで参加申し込みするもんだから、ブースが抽選制になって、私たちが出展できなくなったのよ。厨房爆発しろ。

この恨みを抱えている先輩も確実に存在します。(もちろん名乗り出てくださらなくて結構です)

ただし、ここまでも当然の流れです。どこの業界にも「にわか」はいるのです。最初はみんな「にわか」だと言うこともできます。

重要なのは「1980年代に入ってから、市販漫画雑誌を読んで、アニパロ小説を書くことに目覚めた」と言っちゃう人があることです。

完全に筋違いですね? 市販品を読んだからって、コミケに来なくていいのです。漫画を読んだからって小説を書かなくていいのです。

誰も頼んでないのです。まさにそういう子がいるから先輩たちが困ったのです。「親を泣かせることになるからやめておけ」と言って、とめようとしたのです。

そして、こっからが本題です。

そういうタイプの人が「同人のほうがプロよりえらい」という優越感を持ってしまっている時、本人の中で錯誤が起きているのです。つまり?

1975年以前から漫画サークルを結成していて、コミケ初開催に際して招待状を受け取ったという大先輩たちなら「竹宮恵子も木原敏江も私たちが有名にしてやったようなもんよ」と言ってもいいのです。

すでに1960年代から私たちの間で「耽美」の流行が始まっていた。プロのほうが後からそれに合わせて作品を描いて、市販雑誌で発表した。それを読んだ中学生が「私も『お耽美』を書きたい」といって、大流行が始まった。それがコミケに来ちゃった。

そういう話であれば、ベテラン漫画同人としては「プロも中学生も両方迷惑よ」と言えるのです。

でも、まさにその中学生自身が「プロのくせに同人に遠慮しなさいよ」みたいな優越感を持ってしまっている時には、自分の立場を忘れて、感情まで先輩のものを真似してしまったのです。

じつは、女性には時々こういうことがあります。

共感能力が高すぎて、他人と一緒になって騒ぎすぎるのです。他人の怒り・嘆き・喜び・優越感など、すべて自分も一緒に体験してしまう。最後はどうなるか?

脳が疲れて鬱病になるのです。

そうです。「怖い」と思ってください。防止するためには自分の立場を忘れないことが重要です。理性で感情の手綱を取るのです。

危険因子は、やっぱり「母親が怒鳴るので自分も怒鳴り返していた」という育ち方をしてしまった人です。怒りの感情を捏造することを母親から身をもって教わってしまった人です。

人間、見たまんま真似するようにできているので、それ自体を自覚して、真似している自分に気づきましょう。

そして「真似しなくてもいいんだ」と自分に言い聞かせてください。



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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。