Misha's Casket

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古い新宿二丁目ガイドは、差別意識に基づいていることがあります。

1990年頃から「ミスターレディ」と称して、女装の上手な男性または性別適合手術を敢行したトランスMtoFが、テレビのバラエティ番組にゲスト出演するようになりました。

同時に、番組MCなどの芸能人が、新宿二丁目(に多いとされるゲイバー)の客になった時の様子を面白おかしく吹聴することが増えました。

本人たちは、ゲイバーを宣伝してやり、応援してやっているつもりだったのかもしれません。実際に「いい宣伝になった」と思っているマスターさん・ママさんもいらっしゃることと思います。

けれども、同時に「同性愛の男性は、男心と女心が両方分かるから、異性志向者の無料人生相談相手として使える」という、上から目線の先入観も広まってしまいました。

当時の異性志向者自身は、これが上から目線であることに気づかなかったのです。

それまで「存在しないもの」とされてきたゲイの存在を直視し、おともだちにしてやったという意識だったのですが、それが意識されていなかったのです。

本当は、「水商売」の人が世間を知っているのは当然なのです。

ふつうの女のホステスさんだって男心を知ってます。小説家・漫画家・作詞家なども異性の心理を上手に描くものです。

にもかかわらず、同性志向者・異性装者・性別違和者だけを狙い撃ちに利用する風潮が広まってしまったのです。1990年代の日本社会の黒歴史です。

で、その利用者意識がそのまま観光ガイドに反映されてしまうこともありました。

若いみなさんは、昔の本に書いてあることが本当かどうか疑いながら読むという姿勢を身につけてください。

雑誌・単行本とも、まず「奥付」を確認しましょう。何年に発行された本か確認するのです。

むしろ若い人のほうが、生まれた時からネット社会なので「リテラシー」が高いこともあります。中年が古いデマを信じたまま出かけてしまうことのほうが多いかもしれません。

他人の人権運動を自己満足のために利用することは自粛しましょう。弱者同士の連帯ごっこは歓迎されません。ゲイバー自体は(先方もご商売ですから)行って悪いということはありません。

けれども「女性もどうぞ、ノンケ(同性愛ではない人)もどうぞ」と言ってくださるお店に甘えさせて頂くだけにしましょう。ご遠慮くださいというお店に無理を言ってはいけません。

そのうえで、親切に迎えてくださったお店の人に自分の愚痴ばかり聞かせたり、周囲の素人さんに余計な質問したりする野暮な客にならないでください。



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