Misha's Casket

ARTICLE PAGE

TPPの目的は、ファンアートの撲滅ではありません。 ~まずは、おさらい

まず山田さん他が頑張ってくれたおかげで基本合意ができたので、今からまた心配しなくていいです。今回は「おさらい」です。さて。

TPPによる著作権保護強化の件は、アメリカの意図が奈辺にあるかを見極めることが重要(だった)のです。

かの国は、たとえば『スター・ウォーズ』のコスプレをして映画館に並ぶ若者たちから「1ドルずつ徴収しろ。誰に断ってコスプレしとんじゃゴルァ」と言いたいのか? ルーカスがそう言ったのか? そうではありませんね。

アメリカ国籍の映画会社の意図は、海賊版や違法ダウンロードによって正規版が売れなくなることを防ぐこと。

また、テーマパークの開設など、巨額の契約料が動くはずのキャラクタービジネスを管理すること。

つまり、もともと支払うことに決まっているものを支払わずに済ませる者があるから、窃盗と同義ということになるのであって、それを取り締まるというのは当然なのです。

けれども、いままで「1ドルずつ徴収しろ」と決まっていなかったものを徴収することに決めたとか、素人の仮装パーティーを禁止し、衣装を没収したいということではないわけです。

それはおおいに楽しんでもらい、映画を愛し続けてもらいたいわけです。

だから、日本の一般国民が「コスプレやばい! 二次創作やばい! この機会にサブカルを血祭りにあげろ!」と興奮してしまうことではないのです。

インターネット上で無料公開されているコスプレ写真や似顔絵イラストを強制削除祭りにする必要はないのです。

それらは、バブル崩壊以来、親のリストラによって大学進学・上京を断念し、地方で非正規雇用労働に耐えている人々にとって唯一の心の支えということがあります。身体障碍・病気療養・高齢者介護などによって遠出できない人々にとって、わずかな娯楽ということもあります。

そういう本当に弱い立場の人々から、幸福追求権を奪う権利は、少なくとも著作権者ではない第三者にはないのです。

第三者が国家・政府であっても同様です。

独裁国家ではなく民主国家においては、国民の権利と自由は国家の権利に優先します。(ここを外すと総理大臣が「お国のため」と言えば徴兵制を復活して海外派兵ということが可能になってしまうので、建前は大事です)

もし、第三者が著作権者にしつこく電話をかけて「早く削除させろ」と脅すのであれば、自分が脅迫罪です。

いわゆる「日本のサブカル」の表現はひじょうに特徴的なので、それが好みでない人には目障りに感じられるでしょう。当方としても手放しで歓迎するものではありません。稚拙だと感じる時もあります。もうちょっと練習しろと思う時もあります。

けれども民主国家の法律とは、一部の国民の「サブカルをやっつけてやったぜ」という攻撃的な自己満足に利用されるために制定されるべきものではありません。

海外が提案してきた法案の本義がファン心理表現の撲滅ではないことが理解されれば、日本政府がその範囲を越えて、日本国民の自由を制限するべきではありません。

当方として、以上のように申し上げることができます。今後とも、ご参考になりますれば幸いです。


Related Entries