「ノンセク」なら他人を怒鳴りつけてもよいのではありません。

  19, 2017 11:05
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A「女性がBLやレディコミを読んで自慰するのは不適切なので、BL・レディコミを発禁にしましょう」
B「カマトトは氏ね」
C「自慰できない人もいるんですよ!」

だからなんだ?

奇妙なクレーム合戦の一例です。背景にあるのは、公立図書館でBLが発見されたことによる女性向け創作物の規制案。発言者Bはそれに反対する人。発言者Cは論点をずらしてしまった人。

規制案自体は年齢制限で決着したので、今回のテーマは「発言者Cの人間性」です。

発言者AとBの争点は、あくまで創作物の発禁です。「読んでも自慰しないなら読んでもいい」という話ではありません。

自慰という、ひじょうにプライベートな現象を理由にとって、出版を規制する。すなわち一部の人間の倫理観のみを基準に、法律または条令および警察という強権をもって他人の言動を統制することこそ不適切であるという話です。

いっぽう、Cの言い方は、子どもの言い方です。「お母さん、お醤油ないよ!」とかね。また、お客さんの言い方です。「おねえさん、コップ足りないよ!」とかね。

「あいすみません、いまお持ちします」と言われることに慣れている。他人から気を使ってもらい、サービスしてもらうことに慣れている者の言い方です。

本来は「お話の途中で恐れ入りますが、Bの発言は自慰できない女性(つまり私)に対して氏ねと言ったように受け取れます。ノンセクシュアルという存在に対する差別的発想を改め、謝罪した上で、今後の発言は慎重にお願い致します。」ですね。

103文字です。余裕をもって、ツイッターに投稿できます。

一見すると正しい主張です。けれども、よく考えると「他人同士の話を横で聞いていたら自分に向かって言われたような気がした」という被害妄想にすぎません。

じつは被害者のふりをして、怒りの感情を捏造しているだけです。

背景にあるのは職場ストレス。日常生活が面白くないから、誰でもいいから怒鳴りつけてやりたいという暴力衝動にすぎません。そうでないなら礼儀正しい言葉使いができるはずです。

そもそも自分のことを「ウブ過ぎて自慰できない可愛い女の子」などと思って甘やかしているから、特権があるつもりになってしまっているのです。

そんなもんできようができまいが、20歳すぎれば成人です。社会に出れば社会人です。

いい歳して口の利き方も知らないクレーマーに対しては、クレームされたほうは恐縮する必要はありません。

もっともサブカル派というのは意外なほど冷静です。この件も、Bは「変な人が来た」で済ませたことでしょう。

ツイッターは、どっかのオーナーが言ったように、弱者の武器という要素があります。自己主張するにあたって、ひじょうに容易です。サイト記事・ブログ記事とちがって、表題を考える必要もありません。口から出まかせに言いっぱなしてしまうことができます。だからこそ自分自身にとって危険です。

百年兵を養うは、平和を守るために他ならない。武器を持つのは、乱用するためではありません。


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