2017/04/28

1968年8月、丸山誠治『連合艦隊司令長官 山本五十六』東宝

これからは空の時代だ。

製作:田中友幸 脚本:須崎勝弥・丸山誠治 参考資料:橋本忍・渕田美津男・奥宮正武・反町栄一・高木惣吉 特技監督:円谷英二 撮影:山田一夫 美術:北猛夫 録音:西川善男 照明:平野清久 音楽:佐藤勝 監督助手:長野卓

個人的には「連合艦隊」って書くと連合軍の艦隊みたいなので「聯合艦隊」って書くほうが好きなんですが、タイトルなのでやむを得ません。

昭和43年8月14日公開。東宝8.15シリーズ第2弾。年間興行成績第2位。

春のうららの新潟県、加治川。伊藤博文もご出演の記録フィルムと仲代達矢のナレーションで昭和十四年の状勢を軽くおさらいした後は、「アメリカが最も恐れた」海軍リベラル派の明朗闊達な人柄を真正面から共感深く描いて参ります。ナチュラルなカラー撮影。昭和18年4月18日、ブーゲンビル島上空まで。

『ハワイ・マレー沖海戦』から数えれば四度目、『太平洋の鷲』『太平洋の嵐』に次いで三度目なので、すでに観客に予備知識が共有されていることを前提に、前半はお話がどんどん進みます。

日独伊三国同盟が英米を刺激し、戦争への第一歩となった経緯や、真珠湾から始めることに決まった経緯が従来よりも分かりやすく語られております。爽やかな知性を感じさせる脚本は納得の須崎。

オープニングクレジットなしでどんどん入りますが、たいへん品の良い脚本&演出だと思います。差し向かいで話し合う場面は俳優の目線の高さを変えたり、パース効かせたり、アップとロングの切り替えなど、退屈にならないように、よく工夫されております。

陸軍は例によって暴走気味で、そのまま(逆に)『日本のいちばん長い日』に通じていくのでしょう。

加山雄三はだいぶ貫禄が増して、雷撃の神様らしくなりました。森雅之がいい感じに近衛さん。米内さんは幸四郎(先代)です。

特撮部分はじゃっかんの使いまわし感がありますが、何度見ても素晴らしいと申しましょう。藤田進も明らかに別撮りですが(『嵐』みたいな撮影は二度もできない)、よく全軍に号令する気迫を発しております。

後半が新たに撮影された部分なわけで、こちらが今回の重点なのでした。ネズミ輸送は決して威張れた話ではないはずですが、将兵たちは決して諦めませんでした。(作戦開始の時点で鼠なんて言わないだろうというのは言わないことにして)

やっぱりこの頃まだ自虐史観じゃなかったと思います。

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