2017/05/09

1966年7月、森谷司郎『ゼロファイター大空戦』東宝

やまと魂が燃料になりますか。

製作:田中友幸・武中孝一 脚本:関沢新一:斯波一絵 撮影:山田一夫 美術:北猛夫 録音:矢野口文雄 照明:大野晨一 音楽:佐藤勝 監督助手:山本迪夫 特殊技術監督:円谷英二 監督助手:中野昭慶 操演:中代文雄

祝:森谷司郎第一回監督作品。男泣かせの戦争ファンタジー。伏線を張るとはこういうことさ。製作費に糸目をつけぬ実物大&3分の1大型模型により、量感あふれる離着陸、彼我入り乱れる大空戦を拝見できます。

東宝として初の零戦を中心に描いた作品だそうです。伝記ではないことと、タイトルがあまりに稚気あふれることから迂回していたんですが、森谷作品なら確認しないと……と思って臨んだところ、画的にも脚本的にも凝りに凝った名作でした。

冒頭からクローズアップ画が続き、勇壮な佐藤音楽が鳴り響いて、芸術性と娯楽性の両立を最高度に実現しようという監督の意気込みが感じられます。

本篇も切り替えの多い細やかな編集で、お話がキビキビと進みます。なぜか模型特撮部分だけフィルムが荒れてしまっておりますが、かえって記録映画のような味わいになっております。

誘導灯があまりにも原始的な昭和18年、ブイン島。山本長官機撃墜後。ロケは八丈島。森谷さんには珍しい序盤の明るいタッチは佐藤允の大活躍によります。戦闘機乗りの荒くれっぷりを描くことから始めて、しだいにシビアなエピソードへ。

加山雄三は若大将シリーズで人気絶頂期。ここでは余裕ある演技力と厳しい表情を見せてくれます。飛行機はリアルで操縦できるそうです。黒澤作品でも常連の千秋実がバランス感覚ある司令官。参謀は今日も悪役。藤田進が特別出演状態ですが、貫禄を見せてくれます。終盤、森谷演出センスが冴え渡ります。

なおDVDには特典映像として模型特撮の現場写真が収録されており、川北紘一による興味深い裏話が聞けます。


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