男心も女心も分かるゲイは、最も厳しいお局さまです。

  10, 2017 11:02
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男性として自立して生きて行く覚悟と、女性としての細かい観察眼を兼ね備えたタイプのゲイというのは、ストレート女性にとって、最も辛辣な「お局さま」です。

若い女の礼儀知らずを甘やかしません。また若いふりしてわざとバカっぽく振舞う中年女を腹の底から軽蔑していると思えばいいです。

そもそも、ストレート女性が「ゲイから軽蔑されることはあり得ない」と信じ込んでいることが、すでに差別です。自分より彼らのほうを下に見ているのです。

だから、サービスしてくれるのが当たり前だと思っている。だから失礼な質問もできてしまうのです。答えてくれるのが当たり前だと思っている。

差別とは、優越感の搾取です。

「私たちに失礼な質問をする女なんか、逆手にとって人権運動の協力者にしちゃえばいいのよ」というオネエ様もいらっしゃるようですが、これはですね…。

ストレート女性の側からすると、気持ち良く歓迎してもらえるということではありません。ひじょうに厳しい洗礼を受けるということです。

「あんた、なにしに来たの? どういうつもりでこの店に入って来たの? 私たちの中にあんたの味方がいるに決まってるって、どうして信じ込んでるの? あんたがいちばん先入観を持ってるじゃない。それが差別っていうんじゃないの?」

まず、これくらいは言われる覚悟をしましょう。

そして「ご、ごめんなさい。そこまで考えてなかった……」と泣かされて、性根をたたき直されて、それでもメゲずにゲイバーへ通って来て「先日は失礼しました。あらためてよろしくお願い致します」と頭を下げることができる。それで第一歩です。「よし、認めてやる」ということです。

オネエ様たちも、プライベートに戻れば、ただの男です。基本的に男尊女卑意識を持ってると思えばいいです。だからこそ、女性のイメージを利用して、ご商売を成り立たせている。それをフェミニストが見たら苛立つのも当然です。

逆にいえば、彼らは批判があることを承知で自立の道を探っている。

それを男客だけに独占させておかないで、女客も利用してやるというのは、男性中心社会に対して一本取ってやったような気分になれる。また「負け犬よりマシ」という気分になれる。ときには夜遊びに慣れない主婦を連れ込んで、目を白黒させてやって、復讐してやったような気分になれる。

けれども、そういう自己満足のためにゲイ文化を利用している時点で、自分こそ搾取者であり、差別者です。

それを、ゲイ側はちゃんと見抜いている。けれども「お水」の知恵として、笑顔にまぎらせて言うので、言われた女は皮肉だと気づかない。一緒になって笑っている。話し相手にも、周囲の素人客にも、腹の底から軽蔑されていると思えばいいです。だんだん相手にされなくなる。本人も面白くないので通って来なくなる。ようするに「弱者の連帯ごっこ、人権運動ごっこ」だったというわけです。

おそらく、そんなことが1980年代から繰り返されているのです。著名なアクティヴィストの著作を読んだり、そのSNSアカウントをいくつかフォローし、発言を総合するだけで見えてくることです。

それをせずに乗り込んでしまう女は、例えていうと、異民族・異宗教の習慣を知らずに海外旅行に行ってしまうのと同じです。行けばなんとかなると思っている。おカネがあるから歓迎してもらえると思っている。エコノミックアニマルの末端。

だから「日本のサブカルは田舎くさい」と言われるのです。二次創作BLを読んだ(書いた)だけで男を愛する男心が分かったから私はゲイボーイズトークの仲間に入れるのよと思ってしまう。世間がせまいのです。学校と家庭の往復で思春期を過ごし、家庭ではテレビばっかり観ていたのです。

なお、批判があることを承知で自立の道を探っているというのは、漫画・アニメ系同人も同じです。だからこそ連帯しなくていいのです。一線を引いて「それぞれの表現の自由を守りましょう」と、エール交換すれば充分です。お互いに干渉されたくない。検閲されたくない。批判されたくない。

多様性の共存とは、まさに多様なまま、それぞれに存在していることであって、べたべたくっつくことではないのです。

百歩譲って、お互いに公開した作品について「御作拝見しました。続刊を楽しみにしています」と言えれば、お互いに「ありがとうございます」で済むことです。「ところでこれって本当ですか~~?」という質問は、お互いに無用ですね?

(同人活動経験者なら分かっていると思っていたんですけれども……)

もし、ゲイコミュニティが憲法に基づく平等を求めて政府に要望書を提出したとか、裁判所に提訴したというように、最前線に踏み出した時は、同人としてというより、ひとりの国民として、良識ある市民として「援護する」と言えばいいです。それだけです。


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