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二次創作者は、おカネの話をしない約束です。

利益があったということは、キャラクター使用料を支払うことができるということです。

著作権者が「だったら支払え」と言って来ない保障はありません。彼(女)には、それを言う権利があるからです。あなたには断る権利はありません。

それをどうしても自分から「ここに支払ってない人がいま~~す♪」と言いたいなら、使用料または損害賠償金を支払う用意をしてから言いましょう。

これは「法律がそうなっている」という話です。警察を用いた取り締まりをしないということは、著作権者が個々の自由意志で告訴する権利を政府が奪ったという意味ではありません。著作権者は告訴することを禁止されたのではありません。ここで当方の口から「でもたぶん大丈夫よ」と保障してやれることではありません。(たぶんじゃ保障になりませんしね)

じつは、キャラクターの無断商品化を著作権侵害と判断し、被告に罰を与えた裁判というのは、1970年代から起きています。当時は団塊ジュニアにあたる多子世代の成長期であり、漫画・アニメ文化そのものの急成長期でもあったので、子どもの眼を引くことを狙ったキャラクター無断利用も横行し始めたのです。

著作権者から個人として告訴されたとき、二次創作者の側には、裁判所への出頭を断る特権などありません。同人誌即売会の中で大勢の仲間にまぎれていた間だけ、特権があるような気分に浸ることができたのです。

現代のSNSにおいて、個人アカウントを用いて「ここに著作権者に無断で二次創作を売ってる人がいま~~す♪」と自分から手を挙げてしまえば、著作権者がしかるべき対応を取らない保障などありません。

逆にいえば、うかつな自己申告する間抜けアカウントがあれば、著作権者は対応せざるを得ない立場に追い込まれてしまいます。第三者が著作権者に電話やメールを出して「早く対応しろ。さもないと」なんて脅迫するかもしれません。二次創作に強い反感を持つ人もいれば、なんでもいいから他人の事件に便乗して、自分にも権力があるような気分を味わいたがる人もいるからです。

ただし、ほんとうに対応された場合に、二次創作者がどんだけ困ることになるかというと、刑事告訴・起訴されて収監ということは少ないとは言えます。ありていにいって、刑事罰としては執行猶予がつき、民事訴訟としてはキャラクター使用料なり損害賠償金なりを支払って終わりです。ついでに「二度と先生の御作を利用いたしません」という念書を取られるかもしれません。(執行猶予とは「二度とやりませんから温かい目で様子を見守ってください」という意味ですね)

けれども、本人だけです。裁判官が「ついでに他の同人もみんなアウト」という命令を出すことはありません。意外なようですが、民主国家の法律というのは、できるだけ国民を罪に落とさないように・できるだけ国民の自由を侵害しないようにできているのです。

「みんなもやっちゃダメですよ」と言うためには、裁判官ではなく、立法府において、国会議員どうしが話し合うことによって、新しい法律を作るのです。裁判官が行政に口出しすることはないのです。大原則。

だから、ほんと言うと、むしろ裁判になってしまったほうが、被告の人権が守られるくらいです。(よく凶悪事件の時に不思議な感じがしますね)

けれども、著作権者は「二度とこんな面倒はごめんだ」と思うことでしょう。だから「原作者の権限において、以後、すべての同人に対して俺の作品を利用することを禁止する」って言うことになるでしょう。

「そんなことしたら自分が売れなくなるだけよw」と同人が面白がることができた時代は終わりました。いまでは「ふつうに少年漫画を読むが、二次創作BLは嫌いだ」という女性読者・視聴者が大勢存在するからです。性別が逆な場合も同様です。

だから、いいですか? 同人自身は裁判に際して最後の手段として「払えばいいんでしょ」とうそぶくこともできます。穏当な言い方をすれば和解ということが可能です。その後はより安全な(著作権の切れた)ジャンルに移動したり、オリジナルに転向したりして、漫画・アニメ系創作同人活動そのものを続けることはできます。

けれども、そんな面倒に著作権者さまを巻き込まないように。また「続きを読みたい」と思っていた二次創作のファンの皆さんをガッカリさせないために、自分が自粛するのです。自分のためではありません。他人のことを思いやるのです。他人の心情に配慮するのです。

とくに、1980・90年代のフェミニズム批評を知っている女性は「女の子は弱者だから配慮してもらえるのが当たり前」と思っていて、自分のことしか考えていない時があります。「いいじゃん別に。私の勝手じゃん。そっちが配慮してくれればいいじゃん」と思っちゃってることがあります。

でも、もう少女ではないのです。どう考えてもアラフィフ、アラフォーです。気をつけましょう。

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験・就活を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

映画評は、アップロードする以上は「下げる」ようなことは言わないことにしております。あらすじもあまり申し上げませんので、楽しみに御覧になってください。記事冒頭の色つき文字は映画中の台詞・挿入歌の歌詞からの引用です。

なお、取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・分割・削除しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。