プロを侮辱する同人が、ゲイを差別する。

  17, 2017 11:01
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1990年代半ば。ゲイコミュニティは「女性の創作物には『男同士は異常だ』という台詞が含まれている。我々に失礼である」という苦情を、市販フェミニズム雑誌に投書しました。

けれども、プロ作品にそのような台詞はありません。と、当方が指摘いたしますと「編集がチェックしてるんだから当たり前じゃん」という証言が寄せられました。

これは、まず「プロは自分で気をつけることができない」という意味です。プロの見識と努力に対する侮辱です。

証言者は、二次創作BL同人活動の経験者だそうです。ということは、一般人よりも出版界の裏事情に詳しい人が、プロ作品には失礼な台詞が含まれていないことを確証してくれたということでもあります。

いっぽう、ゲイは「俺が読んだ本には失礼な台詞が書いてあった」と言って来ている。彼らは何を読んだのでしょうか? 同人誌ですね。

では、まず同人が謝るべきことです。たとえプロが「編集に助けてもらってごめんなさい」と言ったとしても、同人の責任がなくなるわけではありません。

【同人の責任】

もし同人が「1980年代の少女時代にプロ漫画作品を読んだことによってBLの面白さに目覚めて、二次創作BL同人活動を開始し、たいへん暴力的な作品を制作・販売し、大勢の少女を興奮させてやった」と自慢するのであれば、まさにゲイコミュニティが指摘してきた通りのことです。

すなわち、社会性が未熟で、善悪の判断ができない少女のうちから「同人誌」を読んでいた人々が、1990年代に成人すると、興奮した頭のままゲイバーへ押しかけて、下品な質問をしたのです。

性的な質問は「プライバシー侵害だ。ジョークでは済まない」と感じる被害者がいる以上、セクシュアルハラスメントであり、犯罪です。

もし質問者たちが「どうせ男同士は異常だから、私が彼らのプライバシーを侵害してもいいのよ。私が訴えられる心配はないわ」と考えたのであれば、異常という偏見が犯罪を誘発したのです。

でも同人が最初に読んだプロ漫画作品には「異常だ」という台詞がなかったのですから、同人自身が「異常だ」という台詞を書いて、少女たちに読ませたのです。プロは偏見を助長しなかったが、同人は助長したのです。

二次創作BL同人誌制作の目的が「カネもうけ」だと言うなら、同人は、おカネのために同性愛者を差別したのです。

そのおカネを何に使ったのでしょうか? 自分自身も少女だったなら、親(に準じる保護者)が生活を保障してくれていたはずです。18歳以上の大学生として一人暮らししていたとしても、親から仕送りを受けていた可能性が高いです。

とすると、生活費ではなく、遊ぶカネほしさに、性的少数者を差別する台詞を書いて、偏見を助長し、読者による犯罪を増やしたのです。

もし、1980年代の同人が「自分の人権運動のために弱者の声を挙げて行きたいから、ゲイと連帯させてほしい」と言って来た時には、その真意を問い正してみるといいです。

なぜ、マイノリティの連帯したいという人が、ゲイ側被害の実態をまったく知らないのか? あるいは、知っているが自分だけは責任逃れできると思っているのか?

【自分を甘やかしている】

なんでこんなことになってしまうかというと、「同人やっていた」人が、そのことをひじょうに軽く考えているからです。「どうせ子ども(学生)の遊びだから大目に見てやればいいじゃん」と自分で思っているから、自分の発言をつなげると深刻な意味になることに気づかないのです。

その程度の人が書いていた自称同人誌は、確かに思慮の足りないものだったにちがいないと言えるでしょう。それは本当に差別的で、偏見を助長し、読者に不適切行動を促すものだったのです。

もし、ここまで言われて「べ、べつにいいじゃん。もともと女とホモは関係ないじゃん」と言い返したくなったようであれば、あなたの覚悟はその程度だということです。自分本位の弱者の連帯ごっこを中止しましょう。

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