1963年8月、山本薩夫『続・忍びの者』大映京都

  24, 2017 11:03
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ときは今。あめが下知るさつきかな。

製作:永田雅一 企画:伊藤武郎 原作:村山知義 脚本:高岩肇 撮影:武田千吉郎 録音:大角正夫 照明:山下礼二郎 美術:内藤昭 音楽:渡辺宙明 

映画は大映。なぜかレンタル店に「続」だけあった件。大映スコープ、モノクロ、モノラル。

ここへ来てよく頑張ったというべきか、大映さんには珍しい見応えある戦国スペクタクル。動員人数すごいです。アクションも見事です。

お能もあればラテンパーカッションも響く和製スパイ映画ですが、山村聡を始め中年男優陣が文芸調の人間描写で重みをつけております。須賀不二夫が意外なほどの熱演を見せてくれます。

なにが起きたかは申すまでもない天正十年の物語。健三郎(富三郎)がちょっと暑苦しい信長。蘭丸くんは凛々しい若者(まさかの山本圭)。じゃっかん無用な演出がありますが見なかったふり。お衣装と内藤美術が華やかで、モノクロ撮影が悔やまれます。

本多猪四郎に怪獣映画を撮らせたら大真面目に悲劇を描いてしまったのと同じと申しましょうか、筋金入りの山本薩夫だから手裏剣シュシュシュのニンジャ映画のくせに真顔なのです。雑賀衆を共感深く再現し、溝口にも近いような気がしますが、更にもうひとつキビキビと面白い話運びです。

相対的に雷蔵の出番は少ないんですが、かえって彼の若さが活かされた良いお話になったと思います。メイク薄めで精悍に。

じつは雷蔵ってあまり歴史上の有名人などはやってなくて、忍びにしても、スパイにしても、差別に悩む若者にしても、栄光の陰でうごめく小市民の(美化した)姿なのです。

なお『善知鳥』をちょっと珍しい位置から拝見できます。

併映は『座頭市兇状旅』だったそうです。すごいお買い得な入場券。


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