2015年8月、原田眞人『日本のいちばん長い日』松竹

  24, 2017 11:05
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松竹の本気。大ロケーション、大昭和劇。

なんですが、なによりも感じるのは「映画が国民的娯楽ではなくなった」こと。

デジタル時代らしい軽快なカメラワークで俳優たちに肉迫し、ささやき声で交わされる政治家同士、将校同士の会話を高性能マイクで拾ったという超リアリズム演出により、物語が頭に入ってる人じゃないと意味不明だと思われるのです。

半藤原作はもちろん、ナレーションを起用して説明に努めた岡本喜八による1967年版ありきなのは明白で、ちょうどその裏返しのような構成になっているのでした。

つまり、マニアックと言えるくらいの大人の鑑賞者に対象を絞り込んであるのです。

『楢山節考』でもあったことですから、リメイクの基本と言うこともできますし、「岡本と同じことをしても意味がないので、1967年当時には再現しにくかった要素を前面に押し出すことにしたから、他が尺を食われた」という言い方もできるんですが、この題材を「それでいいだろう」という判断をくだした、その現代映画市場を見切ったセンスがいい度胸だと思うのです。

口調まで再現した本木雅弘の熱意には目頭が熱くなります。東条役はお上とは別の意味で日本人俳優が引き受けたくない役ナンバーワンじゃないかと思いますが、舞台で鍛えた中嶋しゅうは吹っ切れてます。

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