1963年12月、工藤栄一『十三人の刺客』東映京都

  26, 2017 11:01
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天命を待つからには、人事を尽くさねばならん。

企画:玉木潤一郎・天尾完次 脚本:池上金男 撮影:鈴木重平 照明:増田悦章 録音:小金丸輝貴 美術:井川徳道 音楽:伊福部昭 編集:宮本信太郎 助監督:田宮武 擬斗:足立伶二郎 語り手:芥川隆行

太平の世に問う、武士の一分とは。人事を尽して天命を待つ男男男男男男男男男男男男男と、男。

仁侠映画が流行しはじめた1963年の末に解き放つ、チャンバラ時代劇の底力。投入されたスタッフの本気、俳優の気迫、監督&撮影の映像美学、脚本の知力、どれを取っても超ドレッドノート級。

時代劇のロケができる風景が残っていた時代でもあって、撮影位置に工夫があり、雄大な遠望を拝見できます。基本長回しなので、俳優さん達の奮闘ぶりは、もはやドキュメンタリーです。

タイトルからして物騒なお話であることは明らかで、武士道残酷物語系の一つであり、発端となるエピソードは気持ちのよいものではありませんが、お話が動き出してからは、日本映画にはちょっと珍しいタイプの面白さ。まさか時代劇でこの種のドライなリアリズムが観られるとは思わない。城山三郎のサラリーマン小説のようでもあります。

画的には、小津調は日本映画の基本としても、黒澤をだいぶ意識してるようです。強風も吹きます。

先立って『用心棒』『椿三十郎』がヒットしてるわけですが、三船は基本的にずーーっと菊千代というか脳筋というか、歳くってもこの千恵蔵の妖しい色気と底籠もる迫力は出せなかったわけで、これはやっぱり千恵蔵を観る映画。

その千恵蔵がアラカンとツーショットになるだけでもすごいんですが、月形龍之介がほんとうにいい顔をします。パリッと若い里見浩太郎が画面を明るくしてくれます。内田良平の渋さがじつにカッコいいです。西村晃の個性を徹底的に見切った監督がすごいと思います。



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