1969年3月、稲垣浩『風林火山』三船プロダクション

  31, 2017 11:01
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少しは歳を取りなさい。

製作:三船敏郎・田中友幸・西川善男・稲垣浩 原作:井上靖(新潮社版) 脚本:橋本忍・国弘威雄 撮影:山田一夫 美術:植田寛 録音:藤繩正一 照明:佐藤幸郎 音楽:佐藤勝 殺陣:久世竜 銕仙会:観世静夫

甲信越へ行きたくなる映画。戦国時代劇はかくありたい。稲垣&橋本がまっすぐに描く男のロマン。

キャストはまさかの東宝・東映連合軍。冒頭からただ者ではない感を醸し出す撮影は山田一夫。能楽師も大物で、オープニングからいろいろのけぞらされます。音楽もカッコいいです。

勝プロもいい作品を残しましたが、映画産業全体が斜陽した後、俳優プロダクションが伝統を守ろうとしたのは、苦労も裏話もあったにちがいないですけれども、やっぱりいい話だと思います。

主演はずーーっと菊千代と申しますか、言葉の正しい意味で少年の心を持ったまま歳くった三船の魅力が存分に活かされております。これは橋本のほうで合わせたんでしょうねェ……。

画面は赤の美しいカラー撮影。例によって手際よく説明しつつ会話を重視した話運びを演劇ライクな演出で。たいへん分かりやすい正統派。かつ、工夫に満ちております。山田キャメラ大活躍。

佐久間良子が東映任侠劇よりずっといい役で、さまざまな表情を見せてくれます。三船は馬上豊かに大将の風格を帯びちゃってますが、食われちゃう錦之助ではありません。

裕次郎は特別出演状態ですが印象的。子役もいい演技します。甲斐の酒を装備して、爽やかな感動を堪能しましょう。(勘助団子もあるといい)

なお、見事な『熊野』を間近で拝見できます。お殿様気分。

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