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1969年3月、稲垣浩『風林火山』三船プロダクション

少しは歳を取りなさい。

製作:三船敏郎・田中友幸・西川善男・稲垣浩 原作:井上靖(新潮社版) 脚本:橋本忍・国弘威雄 撮影:山田一夫 美術:植田寛 録音:藤繩正一 照明:佐藤幸郎 音楽:佐藤勝 殺陣:久世竜 銕仙会:観世静夫

甲信越へ行きたくなる映画。戦国時代劇はかくありたい。稲垣&橋本がまっすぐに描く男のロマン。

キャストはまさかの東宝・東映連合軍。冒頭からただ者ではない感を醸し出す撮影は山田一夫。能楽師も大物で、オープニングからいろいろのけぞらされます。音楽もカッコいいです。

勝プロもいい作品を残しましたが、映画産業全体が斜陽した後、俳優プロダクションが伝統を守ろうとしたのは、苦労も裏話もあったにちがいないですけれども、やっぱりいい話だと思います。

主演はずーーっと菊千代と申しますか、言葉の正しい意味で少年の心を持ったまま歳くった三船の魅力が存分に活かされております。これは橋本のほうで合わせたんでしょうねェ……。

画面は赤の美しいカラー撮影。例によって手際よく説明しつつ会話を重視した話運びを演劇ライクな演出で。たいへん分かりやすい正統派。かつ、工夫に満ちております。山田キャメラ大活躍。

佐久間良子が東映任侠劇よりずっといい役で、さまざまな表情を見せてくれます。三船は馬上豊かに大将の風格を帯びちゃってますが、食われちゃう錦之助ではありません。

裕次郎は特別出演状態ですが印象的。子役もいい演技します。甲斐の酒を装備して、爽やかな感動を堪能しましょう。(勘助団子もあるといい)

なお、見事な『熊野』を間近で拝見できます。お殿様気分。

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。