記事一覧

昭和ふう過激BL、平成ふう癒し系BL。

平成の御代もカウントダウンに入ったわけでございますが、平成って1989年1月に始まりましたので、1980年代とは「ほぼ昭和」なのです。

したがいまして、1980年代ふう過激BLと言えば、ほぼ「昭和ふう過激BL」なのです。

なんと申しますか、こうグッと古めかしく、いかにも新左翼的学生運動の熱っぽい雰囲気が感じられて参りますね。実際に、そうだったのです。

当時の少女同人たちは、ちっちゃな女性闘士だったのです。「もう男に遠慮するな」が合言葉。少なくとも一部が。

単純にひっくり返すと「平成ふう癒し系BL」ですね。

ここで、あわてて「私が昭和の同人だから悪いっていうの!? 私の同人誌はよく売れたんだよ!」と騒いじゃう人は、競争的ライフスタイルさんです。

「Bもある」と言うことは「Aの存在を否定した」ことにはなりません。「AもBも面白いので、描く人も読む人もいろいろな作風に挑戦してみましょう」というだけです。

「多様性を尊重する」ということは「どちらかの存在を否定する」ということではありません。

これを理解できない人が「性的マイノリティ」を自称している場合は嘘つきです。まったく「多様性」という言葉の意義を理解していないのに、口先だけ真似して、流行に乗ったような気分になっているだけです。

【平成組】

1990年に満15歳に達し、青年期の仲間入りしたのは、1975年生まれです。前年比で年間出生数が激減した年で、これ以降、年間出生数を示す折れ線グラフは右肩下がりの急勾配。二度と1974年以前の水準には戻りません。

その、もともと人数の少ない世代が正規雇用されなかった時代が1990年代です。1975年生まれが満18歳に達したのが1993年。高校3年生として就職活動しても内定が得られない。氷河期の始まりです。

これより後、1976年以降生まれの青年たち(女子の部を含む)が順に18歳以上になっても、20歳以上になっても、大学を卒業しても、正規雇用がない時代が続きました。

保護者のリストラによって大学を中退した・大学進学を断念した・高校を中退した・夜のアルバイトを始めた……苛酷かつ不本意な人生を強いられた人も多かったことでしょう。

LGBTの中にも「イジメに耐えて高校を卒業したら、大学進学を機会に上京して、新宿二丁目という町へも行ってみようと思っていたのに、その夢も破れた(その後一回も東京へ出たことがない)」という人が大勢いるはずです。

彼ら平成組から見て、昭和組のバブル自慢というのは、吐き気がするほど気持ちの悪い優越感ごっこでしかないのです。

彼らに対して、大学へ通ったという昭和組が「私も弱者よ」と言っても説得力はありません。バブルに浮かれて勉強さぼって同人やっていたから就職できなかったというのは、たんなる自己責任です。

バブル崩壊、就職氷河期、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件。秋に内定をくれた企業が翌春には倒産したという時代。

「ロスト・ジェネレーション」を支えた合言葉は「癒し」と「自己責任」です。

1990年代に就職できた人々というのは、ほんとうに粘り強く努力するタイプで、企業からの評価も高いのです。

就職できなかった人々は、それを見て「すごい奴は本当にすごい」という素直な感嘆と諦念を感じるのです。

「そんなの親の七光りじゃん」なんて、ひがみっぽいことは言わないのです。「だって私の場合は仕方ないじゃん」なんて、自分だけ責任逃れするようなことも言わないのです。

よくも悪くも打たれ強くなってしまった平成組は、昭和組の「甘えの構造」を許しません。

「母親に顔のことを言われたのがトラウマになっている」などと抜かした黒バス犯を、若い「腐女子」たちは、一人として許しませんでしたね?

時代の変化を甘く見てはいけません。萎縮する必要もないですが、確実に見切る必要があります。BLはジェンダー論ではなくビジネスだというなら尚更です。もう「女の子だから」という言い訳は通用しません。

Related Entries

SEARCH

Profile & Caution

Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。